【アロマ】ジャスミン・アブソリュート
-植物の特徴・精油に期待される効果効能とは?

【アロマ】ジャスミン・アブソリュート<br />-植物の特徴・精油に期待される効果効能とは?

世界中をうっとりさせる「芳香の王」

エキゾチックで濃厚な花の香りから、芳香剤や化粧品類の香りにも使われるジャスミン。溶剤抽出したアブソリュートが一般的ではありますが、精油感覚でアロマテラピーやスキンケアなどにも利用されています。濃密な香りはゆったりとした贅沢な時間を演出してくれますし、メンタルサポートにも高い効果が期待されていますよ。女性領域でのサポートやスキンケアなど、女性の美の健康サポーターとしても注目されている存在です。

ジャスミン(jasmin)

ジャスミンとは

ジャスミンの特徴・歴史

ジャスミンは香水や芳香剤などの香料としてもお馴染みの植物で、植物としてのビジュアルよりも香りの印象の方が強いと言っても過言ではないかも知れません。白もしくはクリーム色をした小振りで星型の可愛らしい花をつけることが特徵で、植物としてはモクセイ科ソケイ属に分類される定義です。広義でジャスミンはソケイ属に含まれる約300種の総称としても用いられていますが、香料としてはスペインジャスミンやオオバナソケイと呼ばれる種(学名Jasminum grandiflorum)が主に利用されています。ジャスミンティー・沖縄のさんぴん茶に利用される茉莉花(マツリカ)も同属ですがJasminum sambacという別種で、こちからからも香料が抽出されていますが“ジャスミンサンバック”と呼んで区別しています。

世界中で愛されているジャスミンですが、原産地は中国~インドにかけてのヒマラヤ地域と考えられています。ただしかなり古い時代には既に広い範囲へと伝わっており、古代エジプトでも栽培が行われていたそう。現在使われているジャスミン(jasmine)という呼び名や属名Jasminumは「神からの贈り物」を意味するペルシャ語“yasmin(ヤースミーン)”が語源とされています。中近東や欧米では女性の名前としても人気があるそうで、ディズニー映画『アラジン』のヒロインの名前もジャスミンでしたね。日本で言うところのサクラに近いのかもしれません。

ジャスミンはエジプト王国最後の女王であり、世界三大美女の一人に数えられるクレオパオラが愛した香り(花)であるとも言われています。またジャスミンは愛や性の象徴としてもよく用いられている花。クレオパトラが敵国ローマ帝国の将軍を魅惑する際に、ジャスミンの香りが“媚薬”として一役買ったなんていう逸話もあるほど。古くから陶酔感のあるジャスミンの香りは催淫作用を持つ媚薬と考えられていたようで、クレオパトラ以外にもヒンドゥー教の愛の女神カーマはジャスミン油が塗られた矢でハートを射止めるという伝説もあるそう。インドでは結婚式をはじめ儀式やお祭りなどにも欠かせない花とされていますし、アラビアでも古くから媚薬として利用されてきたようです。

ちなみにインドではジャスミンを「夜の女王」とも呼びますが、こちらはナイトライフ的な意味合いではなくジャスミンは夜になると香りが増すため。ローズが“芳香(花)の女王”と称されるのに対して、ジャスミンを“芳香(花)の王”と呼ぶこともあります。香りだけではなく、採油率が低く希少で効果という点でもジャスミンは王と称されるのにふさわしい存在かもしれません。700kg(約1トンの花が必要という説も)の花から抽出できるジャスミン・アブソリュートはわずか1kg、8000個の花から1ml程度の精油しか採れないと言われています。

また開花時期は8~10月と短くないものの、最も芳香が強くなると言われる夜間もしくは早朝と短い時間しか花の採取が行えない・非常にデリケートで抽出作業も困難であると言われています。こうした事情からジャスミンの全世界での年間生産量は5~6トン程度と少ないですし、香水や化粧品産業での需要が高いため価格が釣り上げっていくというのも納得ですね。少量でも高価なものですから数百円程度で買える「ジャスミンの香り」の芳香剤は基本的には合成香料。精油(アブソリュート)として販売されているものであっても、他の精油や合成香料による偽和が多いため購入時に注意が必要と言われています。

香料原料データ

通称
ジャスミン・アブソリュート(Jasmine Abs.)
別名
素馨(ソケイ)、大花素馨(オオバナソケイ)
学名
Jasminum Grandiflorum
(Jasminum officinale var.grandiflorum)
科名/種類
モクセイ科ソケイ属/低木
主産地
インド、モロッコ、フランス、エジプト
抽出部位
抽出方法
溶剤抽出法(アブソリュート)
オレンジ~茶色
粘性
中~高い
ノート
ミドル~ベースノート
香り度合い
強い
精油成分
酢酸ベンジル、安息香酸ベンジル、フィトール、リナロール、ジャスモン、オイゲノール
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ・スキンケア・ヘアケア

エキゾチックで濃厚な、陶酔感のある甘い花の香り

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ジャスミン精油に期待される働き・効能

精神面への作用と効果

濃密で“陶酔感をもたらす”と表現されることのあるジャスミンの香りは、脳内の神経伝達物質のエンファリンやドーパミンの分泌を促す作用を持つ可能性が報告されています。エンファリン・ドーパミンは共に快感を司る物質で、脳内麻薬や快感物質とも称される存在。このため、うっとりとジャスミンの香り香りに酔いしれることで幸福感を高めたり、自分を認め受け入れられるようになる手助けに繋がるのではないかと考えられています。不安・恐怖に苛まれている時、自信喪失時や一歩を踏み出せない時などにもサポートしてくれそうですね。心が疲れ果てて無感動・無関心になってしまった時に適しているという見解もありますよ。

ドイツのルール大学で行われた研究では100種類以上もの香気テストを行った結果、ジャスミンの香りは平均より5倍以上のGABAを分泌させる効果があり、精神安定によって不安感・興奮・攻撃的な行動などの緩和にも効果が期待できると報告されています。また芳香の吸引ではありませんが、2005年に『European Journal of Applied Physiology』に掲載された京都大学の実験では、ジャスミン茶の匂いを嗅ぐことで自律神経活動と気分状態の両方に鎮静作用が見られたことが報告されています。こうした作用はリナロールの働きによる可能性が示唆されていますから、お茶ではなく精油を香らせることでも同様の効果に繋がる可能性はあるでしょう。

これらの結果からジャスミンの香りには鎮静作用が期待されており、気分をゆったりと穏やかに開放することでストレスや精神的な疲労感の軽減に役立つと考えられいます。精油成分として見ても酢酸ベンゼル・フィトール・リナロールなど鎮静作用をもつとされる成分が多いため、様々な精神・感情面のトラブルに取り入れられています。気持ちを落ち着けるだけではなく若干の刺激・高揚作用も持ち合わせていることから、気持ちが落ち込みがちな時にも使用できます。

安眠のサポートにも

神経や気分を落ち着かせるは働きを持つと考えられることから、ジャスミンの香りは気持ちを穏やかにリラックスさせることで睡眠のサポートにも効果が期待されています。中部大学からもジャスミンの香りによって心拍変動に変化(LF成分の増大)があったことが報告されており、気持ちの面と体の状態の両方から入眠のサポートをしてくれる精油としても使用されています。ネガティブになっていて、眠ろうとすると様々な不安や後悔が浮かび上がってくる時などにも適していそうですね。古代エジプト人も神経障害や睡眠改善のためにジャスミンを使用していたと考えられています。

肉体面への作用と効果

ジャスミンは鎮静・抗うつ作用など精神面でのサポートが得意な精油と考えられることから、精神的ストレスに起因する諸症状の軽減や改善が期待されています。鎮静作用だけではなく優れた鎮痙作用も期待されおり、けいれん性の咳・気管支炎・胃痛や腹痛などの軽減にも取り入れられています。また中国などアジア地域の民間療法で、ジャスミンは感染症や呼吸器系の不調軽減にも使用されてきた歴史があります。現在でも鎮痙作用が期待で出来ること、ジャスミンの成分は抗菌・抗真菌作用を持つことも報告されており、風邪による咳や声がれなどの炎症の緩和に役立つと考えられています。

女性の体への働きかけ

ジャスミンは古くは「子宮のハーブ」とも呼ばれていたそうで、子宮の収縮を促す作用もあるため出産のサポートとして用いられることも多かったようです。精油の場合も通経作用や子宮機能強壮作用などがあると考えられ、無月経や月経不順などのケアに用いられることもあるようです。そのほか鎮痛効果や加温作用(体を温める働き)があるという説もあり、生理痛の軽減にも多方面からアプローチしてくれると言われています。

また母乳分泌を促す働きがあるとされること・精神面のサポート役立つことから、ジャスミンはマタニティーブルーを始めとした産後のケアにも適していると言われています。ホルモンバランス調整に役立つ可能性があることと合わせて、PMS(月経前症候群)や更年期障害などホルモンバランスの乱れに起因する諸症状の軽減に取り入れる方も多いようです。2008年に『Journal of Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine』に掲載された研究では8週間ジャスミンオイルを用いたマッサージを受けた被験者にクッパーマン更年期障害指数・気分および更年期関連症状の改善が見られたことも報告されています。妊娠中以外の女性の不調全般に効果が期待できる精油と言われているのもうなずけますね。

その他に期待される作用

肌への働きかけ

ジャスミンオイルは溶剤抽出されたアブソリュートではありますが、皮膚に塗布することでも様々なメリットがあると考えられているオイルの一つでもあります。期待される作用としてはエリモント作用(皮膚を柔らかく潤す働き)・抗炎症作用・細胞再生促進などが挙げられており、肌タイプを選ばず利用できることからスキンケア用としても優れていると考えられています。エリモント作用や抗炎症作用から乾燥肌・敏感肌ケアにも用いられており、精神面への働きかけからストレスが原因の肌荒れにも効果が期待できます。

抗炎症作用を持つ酢酸リナリルも含まれているためは湿疹や皮膚炎のケアに良いという説もありますが、接触性アレルギーを起こす可能性が指摘されているため利用はおすすめできません。皮膚の厚い部分からパッチテストを行い、問題なかったとしても炎症を起こして敏感になっている場所への使用は避けるようにしましょう。そのほかジャスミンオイルは肌の再生を高めることでアンチエイジングや出来てしまったシワの軽減に良い・ジャスミンの精油にラベンダーやネロリなどとブレンドすることで肌が弾力を取り戻すサポートに役立つという説もあります。エイジングケアの面でも注目されていますし、産後のマッサージオイル(妊娠線ケア用)としても人気があるオイルです。

催淫作用について

ジャスミンは古くから催淫剤として用いられてきた歴史があります。現代でもジャスミンを配合し媚薬的な働きが期待される“フェロモン香水”や、子宝のハーブとして紹介されることも有りますね。催淫作用がある成分としてはジャスミンの甘い香りの元であり、イランイランなどにも含まれている「酢酸ベンジル」が取り上げられることが多いかと思います。この場合の催淫作用というのは心を解放してゆとりを産み出し“素直に愛情や喜びを表現し感じられる”という精神的な働きも大きいのではないかと考えられています。

肉体面でも生殖器強壮作用が期待されていることから、精神的なサポートと合わせて男性であれば精子を増やす・インポテンツ(勃起不全)の改善などに、女性の場合であれば身体を整えたり不感症への改善に繋がると考えられています。肉体・精神両方の作用によって性的障害や不妊のサポートに良いと言われていますが、現代の薬物のような性欲増強といったものではないでしょう。意中の人を誘う・射止めるというよりは、性行為に対する不安やコンプレックスがある・日常生活のストレスや疲労があるカップルに適しているかもしれません。

ジャスミンが利用されるシーンまとめ

【精神面】

  • ストレス・神経疲労
  • 抑うつ・不安・無気力
  • イライラ・興奮・攻撃的
  • ネガティブ・自己嫌悪
  • 前向きになりたい時に
  • 自信を取り戻したい時に
  • 気持ちを開放したい時に
  • リラックスしたい時に
  • 心の癒やしが欲しい時に

【肉体面】

  • 咳・気管支炎の緩和に
  • 筋肉痛・けいれん性の痛みに
  • 風邪予防・初期症状アケアに
  • 月経不順・生理痛対策に
  • PMS/更年期障害の軽減に
  • 産後ケア・妊娠線のケアに
  • 生殖機能・妊活サポート
  • 肌コンディションを整えたい
  • シワ・乾燥小じわが気になる

ジャスミン精油の利用と注意点について

相性の良い香り

ジャスミン・アブソリュートはブレンドする相手の系統を選ばすに利用できる、ブレンド用としても使い勝手の良いオイル。特に柑橘系の香りとは相性抜群で、ジャスミンの濃厚さを軽くしてくれるという面でも人気があります。逆に濃密な香りが好きな方であればオリエンタル系・フローラル系と組み合わせても良いでしょう。香りが強く持続性も高いので、ブレンドの際はジャスミンの量は控えめにすると失敗しにくいですよ。

ジャスミンのブレンド例

ジャスミン・アブソリュートの注意点

  • 妊娠中の使用は避けましょう。
  • 運転中など集中力が必要な場面での利用は控えて下さい。
  • 香り・刺激ともに高いので高濃度での使用は控えましょう。
  • 皮膚を刺激する場合があるため、敏感肌の方は使用に注意が必要です。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。

参考元