【アロマ】オレンジスイート精油
-植物の特徴・期待される効果効能とは?

【アロマ】オレンジスイート精油<br />-植物の特徴・期待される効果効能とは?

心と体の疲労回復・リフレッシュに

オレンジジュースを濃厚にしたような、親しみやす柑橘系の香りが人気のオレンジスイート精油。万人受けする香り、価格も安め・刺激性が低く妊娠中の方やお子さんにも利用できると使い勝手の良さも魅力です。芳香成分としてはリモネンの含有率が高く、神経の緊張を緩和したり、胃腸機能を整える手助けも期待されています。抗菌作用を持つ成分が多いので、風邪予防を兼ねたルームアロマとしても活躍してくれますよ。

オレンジスイート(orangesweet)

オレンジスイートとは

オレンジスイートの特徴・歴史

甘酸っぱさを感じるような、フルーティーな香りが楽しめるオレンジスイートの精油。オレンジスイートやスイートオレンジと呼ばれる種類のオレンジは、普段私達が食べている生食用のオレンジそのもの。オレンジの香りはお菓子や飲料類から入浴剤・芳香剤など様々なシーンで馴染みのある香りで、ハーブっぽい香りや香水が苦手な方でも受け入れやすい存在です。

苦手な方がほとんどいないことから、オレンジ精油は老若男女問わずに人気があるアロマオイルの代表格とも言われていますよ。刺激性や毒性が低いと考えられていることと合わせて、アロマテラピーでもラベンダーと並んで初心者から上級者まで使いやすいオイルとして親しまれています。

オレンジは地中海やフロリダのイメージがありますが、原種といえる植物は中国南西部からヒマラヤにかけての地域にあったと考えられています[1]。オレンジの祖先の柑橘類がヨーロッパに伝わったのかについて諸説あります。一説では2世紀頃に中国からローマへと伝わり、再び7世紀頃にイスラムを通じてヨーロッパに持ち込まれたともいわれていますよ。ギリシャ神話で最も美しい女神に捧げられた「黄金のリンゴ」の正体はオレンジだったのではないかという説もありますから、もっと前に伝わっていた可能性もあります。

果物として食べている甘みの強いスイートオレンジ系統は15~16世紀にインドで誕生したとの説が有力視されています。こちらも15世紀頃に中国からポルトガルを経由し地中海沿岸に広がった、17世紀頃に十字軍遠征の戦利品としてヨーロッパにもたらされた、など伝播ルートや時期には諸説あり断定されていません。17世紀前後にはアメリカ大陸にも伝わり[1]、現在は世界で最も多く栽培されている果樹とも言われるほど世界中で愛されている存在です。

ところで、欧米ではクリスマス~年末にかけてオレンジやレモンなどの柑橘類にクローブを刺した“ポマンダー”を贈ったり飾る風習があります。これはペストなどの疾病予防や魔除けとして利用されていたものでもあるのだとか。ペストはさておき、現在でもオレンジの精油には抗菌・抗ウイルス作用報告されていることから、ヨーロッパではオレンジ精油を散布している病院もあるそうですよ。市販されている精油(エッセンシャルオイル)も安定した人気がありますが、冬場になるとより需要が高まる…と紹介されていることもありますね。

万人受けする香り・価格も安め・妊娠中の方やお子さんが居ても希釈濃度に気をつければ利用できると、デイリーに色々と活躍してくれるオレンジスイートの精油。芳香という面だけで見ると、精油を作るためだけにオレンジを使用したものだけではなくジュースを絞った後のオレンジ果皮を蒸留して精油を抽出している場合もあるため注意が必要な存在でもあります。こうした再利用の精油は品質・香りともに劣ると評価されていますが、安価なためアロマオイルや芳香剤・食品用の香料などに多く使われています。

オレンジ系精油の種類

柑橘類の分類として“オレンジ類”は大きくスイートオレンジ(Citrus sinensis)とビターオレンジ(Citrus aurantium)の2つに分かれ、その下に各々品種群があります。精油の場合は品種に関わりなくスイートオレンジと呼ばれていますが、バレンジアオレンジを原料として抽出されたものが多いようです。ブラッドオレンジやネーブルオレンジ果皮を原料にしたものは販売社によってスイートオレンジとして販売しているもの・品種名を商品名として表記しているもの、両方の場合があります。基本的な組成は大きく変わりませんが、品種や産地などによって各成分の含有量・香りは若干異なります。

ちなみに、ビターオレンジを原料とする精油はプチグレン(葉)ネロリ(花)が主。スイートオレンジと同じく果皮から採油された“ビターオレンジ”の精油もあるものの、スイートオレンジとは異なり毒性が高いことなどから一般家庭での使用にはあまり適していません。専門家の指示のもとで利用されることはあるようですが、基本的には食品や芳香商品などの製品に用いられています。

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香料原料データ

通称
オレンジ・スイート(Sweet oange)
別名
アマダイダイ
学名
Citrus sinensis
科名/種類
ミカン科/高木
主産地
イタリア、スペイン、フランス、イスラエル、アメリカ、ブラジル
抽出部位
果皮
抽出方法
圧搾法/水蒸気蒸留法
薄~濃いオレンジ
粘性
低い
ノート
トップノート
香り度合い
中~強め
精油成分
d-リモネン、ミルセン、α-ピネン、リナロール
おすすめ
芳香浴・入浴・マッサージ・ハウスキーピング
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ・スキンケア・ヘアケア・ハウスキーピング

フレッシュで甘い、果物のオレンジそのままの香り

オレンジスイートに期待される働き・効能

精神面への作用と効果

アロマテラピーの紹介書籍でオレンジスイートは“ハッピーな香り”と称されることもある存在。爽やかで甘いオレンジの香り、オレンジそのものの印象としても、明るさやポジディブさを連想される方が多いのではないでしょうか。しっとりとしたムーディーさは薄いかわりに、ネガティブなネガティブな感情を一掃して、気分を明るくしてくれるようなイメージで使われることが多い精油ですね。

成分的に見ても、オレンジ精油の主成分であり、柑橘系精油に多く見られる“リモネン”には鎮静作用が期待されています。オレンジスイートオイルの芳香吸引でもリラックス効果や抗不安作用を示したという研究報告もありますよ。例えば2014年に『Journal of Complimentary Therapy of Medicine』に発表された女子大学生20人を対象に行われた研究報告では、オレンジオイルによる嗅覚刺激が生理学的・心理的緩和を誘発することを示した[2]と発表されています。2019年には“オレンジエッセンシャルオイルによるアロマテラピーは、血液透析患者の倦怠感を軽減する可能性がある”という論文[3]も医学雑誌『Complementary Therapies in Clinical Practice』に掲載されました。

民間療法的な効能だけではなく、こうした研究結果もあることから、オレンジススイートの精油はストレスや不安の軽減・リラックスタイムのサポートに取り入れられています。有効性が断定されているわけではありませんが、鎮静作用や弛緩作用によりイライラ緩和にも期待されています。明るい香りはリフレッシュにも効果が期待できますし、気持ちを明るく前向きに切り替えるためのサポートにも役立ってくれるかもしれません。

安眠のサポーターとしても

オレンジスイートの精油は気分を明るくしてくれる精油と称されていますが、脳を刺激して活性化させるようなタイプではありません。主成分のリモネンには脳のα波を増加させる働きが、オレンジ精油には心理的緩和をもたらす可能性が示唆されています[2]。このため一日の終りに使用することで神経系を落ち着け、寝付きを良くしたり睡眠の質を高めてくれる働きも期待されています。2015年『Asian Pacific Journal of Tropical Biomedicine』発表されたエッセンシャルオイルの系統的レビュー[4]でもスイートオレンジ精油は不眠症緩和に使用されるものとして掲載されています。

肉体面への作用と効果

オレンジオイルは伝統的に民間療法の中で胃腸トラブルのケアに利用されてきました。主成分のリモネンには健胃・消化促進・整腸など胃腸機能をサポートする働きが期待されており、オレンジスイート精油の芳香は抗不安作用や弛緩作用を持つ可能性も示唆されていることから、特に神経性の胃腸トラブルの予防や緩和に期待されています。とはいえ、胃腸機能を活発にすることで食欲増進作用を持つという説もありますから、ダイエット中の方や過食傾向の方であれば注意して使用してみてください。

そのほか血流を促す働きから高血圧改善、精神面の働きかけと合わせてPMS(月経前症候群)の諸症状軽減に期待できるという説もあります。また、2009年『European Journal of MedicalResearch』に掲載されたドイツのinvitro研究では、オレンジオイルに抗酸化特性・抗炎症作用が見られたことが示されています[5]。アロマテラピーでも抗炎症作用を持つ精油として、気管支炎や花粉症などのアレルギー性の呼吸器疾患・関節痛や神経痛などの痛みの軽減に良いと紹介されることがあります。ただし研究段階であり有効性は認められていませんので、医薬品の代替品として利用するのは避けましょう。あくまでも精油はセルフメンテナンス用です。

風邪予防や回復サポートにも

オレンジスイートの精油、主成分のリモネンには、抗菌・抗ウィルス作用、免疫細胞の働きを正常に整え免疫力を高める働きを持つ可能性が示唆されています。伝統的に抗菌剤感覚で使用されてきた歴史もあるため、現在でもオレンジスイート精油は風邪やインフルエンザなどの感染症予防に役立つ可能性がある香りとして使用されています。赤ちゃんやお子様にも利用できる精油でもありますから、家族みんなの健康のためにディフューザーなどで室内に拡散するのも良いでしょう。抗炎症作用が期待できることと合わせて風邪などの初期症状時のケアにも期待できそうです。

その他に期待される作用

肌への働きかけ

オレンジスイート精油はビタミンCを含むこと、抗酸化作用が占めされている[5]ことからメラニン色素生成抑制や肌のアンチエイジング/エイジングケアにも注目されています。また、皮膚へ直接塗ることでも抗炎症作用や殺菌作用を発揮すると考えられており、保湿・皮脂分泌調整の両方に役立つという見解もあります。こうした働きからニキビケア用の化粧品などにもオレンジ精油が配合されています。

そのほかにオレンジスイート精油は血行を良くすることで発汗促進・老廃物排出促進(デトックス)効果が期待できる、むくみ・セルライト対策に良いという説もあります。ただし、こうした美肌・美容面での効能については根拠と言えるエビデンスが非常に少なく、可能性段階の話。自分の肌と合うか確認し、セルフケアの一環として適切に取り入れるようにしましょう。

頭皮・髪のケアにも

リモネンは髪の健康な成長をサポートし、抜け毛を予防する働きが期待されています。リモネンには髪の成長を阻害し抜け毛を促進する悪玉酵素(5αリダクターゼ)の減少作用を持つとして、リモネン配合の育毛剤が特許申請されていた李もするようです。このためリモネンが主成分であるオレンジスイートの精油についても、シャンプーやヘアトニックなどに加えることで抜け毛予防効果が期待されています。ただし、オレンジ精油を塗布しての有効性を示すデータはありませんので過度な期待は避けましょう。

オレンジスイートが利用されるシーンまとめ

【精神面】

  • 気持ちの落ち込み・抑鬱
  • ストレス・精神疲労
  • イライラ・不安・緊張・
  • ネガティブ思考の切り替え
  • リフレッシュしたい時に
  • 前向きになりたい
  • 寝付きが悪い・不眠時に

【肉体面】

  • 食欲不振・消化不良
  • 胃痛・過敏性腸症候群
  • 風邪予防・喉の不調に
  • 肌のくすみ・むくみケア
  • 脂性肌・ニキビ予防に
  • 肌の乾燥・老化予防に
  • 抜け毛予防に

オレンジスイートの利用と注意点について

相性の良い香り

ハーブ系、フローラル系との相性が良いとされています。オレンジスイート単体で使用すると香りが抜けやすいため、ベースノート系のオイルとブレンドして香りの持続時間を伸ばすのもおすすめ。余談ですがオレンジスイートはビンに入ってても開封したものは酸化が早く、時間が経つほど香りも失われてしまいます。開封後はできるだけ早めに、長くても半年以内を目安に使い切るようにしましょう。

オレンジ精油のブレンド例

オレンジスイート精油の注意点

基本的な精油の利用法を守っている場合は特に注意や禁忌事項はなく、適切に希釈すれば妊娠中の方やお子様でも使用できる精油とされています。

  • 妊娠中の方やお子さんには、低低濃度(0.1〜0.3%程度)希釈で使用してください。
  • 長期間もしくは多量に使用した場合は肌を刺激することがあります。
  • オレンジスイート精油には光毒性はないと言われています。しかし毒性を示す場合も稀にあるという指摘もありますから、念の為に使用後は紫外線を避けたほうが確実です。
  • 疾患がある方・投薬治療中の方は医師に確認してから利用して下さい。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。

参考元