クローブバッド精油
アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

オイゲノールによる抗菌・防カビ作用が期待

クローブ・バッド(Clove Bud)

クローブ(丁子)とは

クローブは独特の甘くスパイシーな香りが特徴的で、シチューやカレー・スープなどの煮込み料理によく使われるスパイス。と言っても日本では家庭料理でクローブを活用しているという方は少ないかも知れません。単品での風味や香りは中国やインドを連想させますが、ホットワインやピクルスなど洋食でも欠かせないスパイス。大航海時代・スパイス戦争ではヨーロッパ諸国が血眼になって利権を争ったスパイスの一つでもあり、胡椒・シナモン・ナツメグと共に“世界四大スパイス”にも数えられています。

植物としてはティートリーなどと同じくフトモモ科に分類されていますが、フトモモ属と別属。原産地は別名“香料諸島”とも呼ばれるインドネシア・モルッカ諸島と考えられています。クローブはチョウジノキと呼ばれる樹木の花蕾(つぼみ)を乾燥させたもの。花は開花してしまうと香りが落ちるため、つぼみが開花する直前に摘み取られています。私達がスパイスとして目にするものは乾燥されて茶色くなっていますが、蕾は緑色で淡いピンク色を帯び始める頃が収穫目安なのだとか。一般的に「クローブ精油」とよばれるものも香辛料と同じくクローブバッド(クローブの蕾)が利用されていますが、葉から採油したものはクローブリーフオイルも存在しています。ただしクローブリーフ精油や抽出物は主に歯科用の薬剤や香料として使用されており、一般向けの流通はさほどありません。

クローブは歴史の深い香辛料で、シリアでは紀元前1721年内外の中からクローブが発見されています。古くからモルッカ諸島と取引のあったインドや中国でも、紀元前からクローブを殺菌・消毒剤として利用していたと伝えられています。インドのアーユルヴェーダでは消化促進剤として古くから利用されていたそうですし、古代中国(漢の時代)では皇帝の前に出るときのエチケットとして口の中をクローブで清めることが義務付けられていたとも言われています。そのほかインドでは媚薬として、中国では歯痛緩和などにも使われていたそうですよ。ベルシアやギリシアなどでも薬と重宝されていたと言われていますから、ユーラシア大陸圏の伝統医学・民間療法の中で重要なスパイスの一つと言えるでしょう。

日本にも奈良時代頃までにはクローブが伝来していたと考えられており、、正倉院の宝物の中にも「丁子」の名が記載されています。日本でも芳香健胃剤として利用された他、クローブを原料とする丁子油は日本刀のサビ止めにも使われていたようです。ちなみにクローブは中国や日本で丁香や丁子と呼ばれていますが、この「丁」は中国で釘の意味を持つ漢字が当てられたものだそう。クローブの頭+円錐形は確かに釘のように見えますね。英名クローブ(clove)の語源も釘を意味するラテン語“Clavus”が語源とされていますから、東洋でも西洋でもクローブの蕾は釘に似た形状をしているという共通認識があったのかもしれませんね。

クローブの別名には“百里香(ヒャクリコウ)”というものもありますが、これはクローブの木がまだ見えないくらい遠方にあっても強い芳香から存在が確認できると言われていたためだそう。殺菌・防腐作用の高さからヨーロッパでも重宝されていたようですが、中国の貿易商人が産地を秘匿していたこともありコショウと同様に金と同等に扱われるほど高価なスパイスの一つとされていたそう。中世では悪臭を防ぐことからペストの予防に役立つとして重宝され、ポマンダーに利用されたことも知られています。現在もクリスマス頃にはオレンジなどの柑橘類にクローブが鋲のように刺された“フルーツポマンダー”を見かけますが、これもペスト除けの名残だそうですよ。

基本データ

通称
クローブ・バッド(Clove Bud)
別名
丁子(チョウジ)、丁香(チョウコウ)、百里香(ヒャクリコウ)
学名
Syzygium aromaticum
syn. Eugenia caryophyllata
科名/種類
フトモモ科フトモモ属/常緑高木
主産地
インドネシア、マダガスカル、スリランカ
抽出部位
花(蕾)
抽出方法
水蒸気蒸留法
淡い黄色
粘性
中くらい
ノート
ミドル~ベースノート
香り度合い
強い
代表成分
オイゲノール、酢酸オイゲニル、オイゲニルアセテート、β-カリオフィレン、α-フムレン、カリオフィレンオキサイドなど
おすすめ
芳香浴・アロマバス・ハウスキーピング・防虫

エキゾチックで染み入るような甘くスパイシーな香り

こんなお悩みにオススメ

【精神面】

  • ストレス・神経疲労
  • 落ち込み・抑うつ気味
  • 不安・緊張・心配
  • 無気力・無感動
  • 気持ちを明るくしたい
  • 集中力を高めたい
  • やる気が欲しい時
  • セクリーになりたい
  • ナイトライフのお供に

【肉体面】

  • 消化不良・腹痛
  • 胃腸機能の低下
  • 口臭が気になる
  • 冷え性・低血圧
  • 関節炎・リウマチ
  • 疲労感が抜けない
  • 風邪・インフルエンザ予防
  • 虫除け・防カビ剤として

Sponsored Link

クローブバッドに期待される効果・効能

心への作用

クローブ・バッドの甘くスパイシーな香りは刺激作用と強い高揚作用があると考えられており、心に活力を与えたり、気持ちを明るく高揚させると言われています。気分が落ち込んでしまったり、気力が萎えていると感じたときのサポートにも役立ってくれるでしょう。そのほかクローブのスパイシーな香りには集中力や記憶力を高める作用があるという説もあり、勉強中や仕事中などのやる気・集中力アップに取り入れられることもあります。

クローブ精油の香りはシャープなスパイシーさと表現されることもありますが、どこか温かみやお菓子のような甘さを持つ香りでもあります。この香りはリフレッシュや高揚をサポートするだけではなく「心を温めてくれる」とも考えられており、精神的疲労やストレスの軽減にも効果が期待されています・

催淫作用を持つという説も…

クローブの独特な香りは「消毒薬」や「歯医者さん」を連想する香りと称される一方、欧米を中心にオリエンタルでセクシー(魅力的)な香りであると捉えられることもあるようです。ブルガリ“オムニア”やニナリッチ“レールデュタン”などの有名香水をはじめ、フェロモン香水などにも使われていますね。

香りの感じ方は人それぞれな部分もありますが、クローブは催淫特性を持つ精油の一つにも数えられている存在です。これは性的機能の強壮効果や香りがセクシーさを後押ししてくれると考えられている他、精神面への疲労回復や強壮作用・血行を促すなどの働きが複合したものとも言われています。性行為に不安や苦手意識がある方や、日々のストレスや疲労でそんな気になれない…という場合はベッドサイトで香らせてみても良いかも知れません。

体への作用

伝統医療などで芳香性健胃剤として用いられるように、クローブの香りは胃腸機能の向上に効果が期待されています。クローブ・バッド精油の主成分であるオイゲノールは胃腸強壮作用や消化促進作用など消化器関係の働きを改善すると考えられていますし、血行を促したり内蔵を温める働きが期待されていることと合わせて特に冷えが原因で起こる腹痛や下痢などの緩和に有効とされています。オイゲノールは鎮痛・鎮痙作用を持つとされる成分でもあるため胃痛や痙攣性の腹痛に、また胃腸の不調から起こる口臭対策などにも役立つと考えられています。

加えてオイゲノールは血液循環を良くする働きが期待されていることから、クローブは加温作用を持つ精油=体を温める働きを持つ精油の一つにも数えられています。血行を促すことで血圧を上昇させる働きも期待されているため冷え性や低血圧の方に良い精油とされていますし、鎮痛作用と合わせて関節炎・神経痛・リウマチなど冷えによって悪化する痛みの軽減にも取り入れられることがあるようです。血の巡りが悪く慢性疲労感や体のだるさを感じている方のサポートに役立ってくれる可能性もあるでしょう。

風邪などの感染症予防にも

クローブ精油の主成分であるオイゲノールは上記の働き以外に、優れた抗菌・抗真菌・抗ウイルス作用を持つと考えられている成分でもあります。免疫賦活作用を持つとする説もあるため、体を温める作用と相乗し風邪やインフルエンザ予防としても効果が期待されています。そのほかヨーロッパの一部では軽度の感染症(膀胱炎やバクテリア性大腸炎など)に対する自然療法として利用している所もあり、歯肉炎などには希釈したものを直接塗布することもあるようです。

女性の利用について

クローブは鎮痙作用や子宮の強壮作用を持つとされることから生理痛の軽減に良いという説もありますが、通経作用によって子宮から経血を押し出そうとする力が強すぎるので月経中の使用を下げるべき精油とする声もあります。こちらは禁忌ではなく注意事項的な扱いをされているため、生理痛対策として取り入れたい場合は体調と相談しながら少しずつ使用してみて下さい。ただし女性の体やホルモンバランスにバランスに働きかける・分娩促進にも繋がってしまう可能性もあるため、妊娠中や授乳中などデリケートな時期の利用は避けましょう。

その他作用

皮膚利用について

優れた抗菌・抗真菌や消毒作用を持つとされるオイゲノールが主成分であるクローブ・バットは、ニキビや水虫・虫刺されなどのケアにも有効とされています。また鎮痛作用や局所麻酔作用から筋肉痛や関節の痛みなどのマッサージに良い、瘢痕形成作用や癒傷作用から創傷・火傷・ただれ・あざ・乾癬など様々な皮膚トラブルへの有効性が示唆されている精油でもあります。

しかしクローブ精油は皮膚刺激性が非常に高く、皮膚に塗布することで逆に炎症を起こす原因となる危険性も指摘されています。クローブ系精油の中ではクローブ・バッドが最も刺激性や毒性が低いとは言われていますが、皮膚炎症を起こす可能性があるため皮膚利用はあまりおすすめできません。敏感肌の方はもちろんですが、それ以外の方も使用には注意が必要な精油と言えます。使う場合はボディ用でも0.5%以下、顔用の場合は更にその半分程度に希釈したものから始めてください。

防カビ・防虫剤として

クローブ・バッドの主成分であるオイゲノールは抗菌作用だけではなく、抗カビ特性=カビの繁殖を抑える働きにも優れた成分とされています。昆虫忌避作用もあるためカビの繁殖や虫が気になり始める梅雨時期~夏頃には、お部屋やクローゼットを清潔に保つためにも利用されています。香らせておくことで衣服などを守る働きが期待できますし、オイゲノールは特にゴキブリが嫌う香りのためゴキブリ対策としても役立ってくれるでしょう。クローゼットや押入れなどの済に、クローブ精油を染み込ませたコットンを置いておくのもお勧めです。

クローブバッドの利用について

相性の良い香り

柑橘系全般と相性がよく、ブレンドすることでクローブのスパイシーさがマイルドに感じられます。そのほかスパイス系やハーブ系の香りとも相性が良いとされていますし、男性はウッディー系・バルサム系とのブレンドを心地良く感じる方も多いと言われていますから、あまりブレンド相手は選ばない精油と言えるかも知れません。ただし香りが強いので、組み合わせる時は少量ずつ加えるようにしましょう。

【クローブバッドのブレンド例】

クローブバッド精油の注意点

  • 妊娠中・授乳中の方は使用を避けましょう。
  • 強力な精油のため体調に悪影響がないかを確認しつつ使用し、多量・長時間の利用を控えましょう。
  • 皮膚刺激性のある精油です。低用量で利用し、敏感肌の方は芳香浴の場合も注意して利用してください。

  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。

こちらもオススメ