【アロマ】ジンジャー(生姜)精油
-植物の特徴・期待される効果効能とは?

【アロマ】ジンジャー(生姜)精油<br />-植物の特徴・期待される効果効能とは?

胃腸トラブル軽減・冷え対策に

薬味・スパイスとして普段の食生活の中でもお馴染みの生姜。生臭みを消して味を引き締めるだけではなく、ポカポカと体が温まる感覚からも人気です。精油は食品としてよりもスパイシーさを感じる香りが特徴。シャキッとした香りからやる気アップやストレス対策に利用される他、体を温める・消化機能を高める働きも期待されています。意外とスッキリした芳香は夏場にもマッチしますよ。

ジンジャー(Ginger)

ジンジャー(生姜)とは

ジンジャー(生姜)の特徴・歴史

薬味・香味野菜として私達日本人の食生活にも欠かせない生姜。刻むもしくはすり下ろして薬味として使用するだけではなく、紅しょうがやガリなどのように漬け込んだものを食べたり、チャイやジンジャーエールなどの飲料類まで幅広く活用しています。近年は“冷え取りブーム”の影響もあってか生姜飴やグミなどのお菓子類でも多く目にしますし、欧米では古くからジャークッキーなどの焼き菓子類・パンなどにも加えられてきた食材。西洋ではジンジャーティーやジンジャーリキュール、日本では生姜湯など食べる(飲む)生薬を代表する一つとして健康維持にも活用されてもいますね。

そんな私達にとっても身近なジンジャー(生姜)ですが、精油の場合はイメージするショウガの香りとはやや異なる香りがするので違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。ショウガそのものよりもスパイシーで鋭い印象があり、レモン胡椒のような香りが含まれていると感じるという方も多いそう。温かみのある香りと称されますが、好き嫌いはやや分かれるところでしょう。ジンジャー精油は香水・食品香料に用いられる他、男性用化粧品の香り付けにも用いられています。香りはショウガのイメージと少し異なりますし、摂取した際の薬効成分とされるジンゲロールやショウガオールなども含まれていませんが、ジンジャー精油も温める作用・胃腸機能サポートに優れていると考えられています。

ちなみに生姜はショウガ科ショウガ属に分類される植物で、同じく日本で薬味として親しまれているミョウガの近縁種。同属ではありませんがショウガ科にはカルダモンウコン月桃ガランガルなどハーブやスパイスとして活用されている植物が多く含まれています。各地で古くから栽培されていることもあり野生種は発見されていませんが、生姜の原産地は熱帯アジア、おそらく東南アジアだろうと考えられています。最も古くから生姜を使用していたのはオーストロネシア語族と推測され、彼らの活動圏の拡大とともに南の太平洋諸島、インド・中国などの北側へと伝わっていったという説が有力視されています。

原産地から比較的近いインドや中国では紀元前500年頃から保存食や薬としてジンジャーを利用してきたと伝えられています。日本にも3世紀頃には中国から薬として生姜が伝わり、奈良時代には栽培も行われていたようですから歴史ある民間医薬品・香辛料の一つと言えそうですね。ちなみに中国伝統医学(漢方)では生のショウガを生姜(ショウキョウ)・単に乾燥させたものを乾生姜(カンショウキョウ)・蒸した後に乾燥させたものを乾姜(カンキョウ)と製法によって呼び分けています。日本薬局方では生しょうがを鮮姜(センキョウ)・乾燥したものを生姜・蒸して乾燥したものが乾姜になるのだとか。そのまま乾燥させたものは健胃作用が高いとされており、蒸してから乾燥させたものは体を温める働きが強いとされていますよ。生薬という仰々しい扱いをせずとも、現在に至るまで生姜は体を温めてくれるスパイスとして活用されていますしね。

ユーラシア大陸の東側で古くから生姜が親しまれてきたのと同じく、西側のヨーロッパにも約2000年前にはジンジャーが伝わっていたと考えられています。古くはインドから古代ローマへの輸出品として使用されており、ローマでは人気のあるスパイスの一つだったのだとか。生姜の英名ジンジャー(Ginger)の語源については諸説ありますが、角と体を意味するサンスクリット語「srnga-veram」がペルシア語のdzungebirに変化し、ラテン語化したことでジンジベル(Zingiber)になり英語へと徐々に変化していったという説が有力視されています。ジンジャーは抗菌防腐性があり体を温めて消化を助けてくれるハーブと考えられ、人々は大事に利用していたようですよ。クリスマスの料理・お菓子にジンジャーが使われることも多いのも、特別な日に食べるご馳走としての演出だけではなく、寒い時期に体を温める・クリスマスまで食品を日持ちさせるという昔の知恵でもあるそう。

香料原料データ

通称
ジンジャー(Ginger)
別名
生姜(ショウガ/ショウキョウ)、ガーデンジンジャー(garden ginger)
学名
Zingiber officinale
科名/種類
ショウガ科ショウガ属/多年草
主産地
インド、ジャマイカ、中国、マダガスカルなど
抽出部位
根茎
抽出方法
水蒸気蒸留法
淡い黄緑色~琥珀色
粘性
低~中くらい
ノート
トップ~ミドルノート
香り度合い
やや強め
精油成分
ジンジベレン、α-クルクメン、B-フェランドレン、β-セスキフェランドレン、ビサボレン、カンフェン
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ・ヘアケア

胡椒に似たウッディ+スパイシーさと、苦めの柑橘類を混ぜたような香り

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ジンジャー精油に期待される働き・効能

精神面への作用と効果

ピリリとスパイシーなジンジャー精油の香りは刺激作用があり、感覚を敏感にして集中力や記憶力をアップさせる効果があると考えられています。ストレスなどによる神経性の疲労や気分の落ち込みに対し、活力を与えることでやる気や闘志を蘇らせる手助けをしてくれる香りと表現されています。また、ジンジャー精油のスパイシーで刺激的な香りは冷えてしまった心を温めるとも言われており、ストレス・プレッシャー・緊張などによって落ち込んでしまったり無気力になっている時にも有効とされています。

生姜の芳香による精神的な影響については研究が少ないですが、2010年『Bioorganic & Medicinal Chemistry』に掲載されたスイスの研究では、ジンジャーオイルがセロトニン受容体を活性化することで不安を軽減する可能性があることを示唆しています。有効性については不明瞭な部分が多いジンジャー精油ですが、ストレスや不安を感じていながらも頑張っている方のサポートに役立ってくれる可能性はあるかもしれません。鎮静作用もあるとは言われていますが、ジンジャー精油の香りは完全なリラックスタイム用というよりは活動時・もう少し頑張りたいという場面で多く使用されています。心の支えとしてモチベーションが下がってしまいがちな仕事中・勉強中に香らせてみては如何でしょう。

肉体面への作用と効果

生姜らしい香りを形成している特徴成分とも言えるのが“Zingiberene(ジンジベレン/ジンギベレン)”という精油成分。生薬や薬味として生姜に健胃・解毒などの働きや、胃腸の働きを促すことで食欲を高める働きが期待されているのもジンジベレンの働きによる部分が大きいと考えられています。そのほかβ-セスキフェランドレンなどにも健胃・駆風作用が期待されていることから、ジンジャー精油も消化不良や下痢・吐き気・食欲不振などの軽減に役立つ精油として注目されています。制吐作用が期待できることから、ジンジャーの精油は乗り物酔いの予防や緩和に活用されることもありますよ。ジンギベレンには消臭作用もあるので、車に籠もってしまった臭いをクリアにして酔いにくくするという説もあります。

そのほかジンジベレン(ジンギベレン)やB-フェランドレン・カンフェンなどの成分には抗ウィルス作用や抗炎症作用も期待されていますから、合わせて風邪やインフルエンザ予防にも役立ってくれるでしょう。2010年の『Journal of Pharmacy and Pharmacology』には生姜(Zingiber officinale)エッセンシャルオイルに喉の痛みを和らげ、気道の中の過剰な粘液・痰を取り除く働きが見られたことも報告されていますから、風邪の初期症状である喉の痛みや痰を軽減してくれる可能性もありますね。ちなみに、2013年『American Journal of Respiratory Cell and Molecular Biology』などではショウガオールやジンゲロールに人間の気道平滑筋を弛緩させる働きがあり喘息や気管支炎の軽減に役立つ可能性があるという論文も掲載されていますが、こちらは市販されている精油に含まれていない成分。呼吸器系の慢性疾患について精油の芳香吸引で軽減効果が期待できるかは謎です。

冷え・血行不良に起因する不良にも…

ジンジャーオイルは血行促進・加温作用がある精油の一つに数えられる存在。抗ウィルス作用や発汗・解熱・去痰作用などと合わせて咳・喉の痛み・悪寒・発熱など風邪の初期症状に用いられることが多いようですが、冷えの改善をはじめ血行不良や冷えから起こる不調全般の改善に有効と考えられています。鎮痛作用が期待できる精油という説もあることから、血行促進・加温作用と合わせて腰痛や肩こり・関節痛・リウマチ・冷えによって重くなっている生理痛などの軽減にも取り入れられています。こうした場合のケアとしては芳香浴だけではなく、キャリアオイルに希釈してマッサージに活用する方が多いようです。

その他に期待される作用

肌の働きかけ

ジンジャーの精油には血行促進作用があるため、しもやけのケアに有効とされています。血行促進は肌の代謝を高めることにも繋がりますので傷跡やニキビ跡のケアにも役立ってくれるでしょう。皮膚刺激性の危惧などから日本ではスキンケアにあまり用いられませんが、欧米では小じわ対策として肌のアンチエイジングに利用したり、髪と頭皮をキレイに保つために活用されることも多いようです。抗真菌性と抗炎症性から頭皮の痒み・フケ対策に繋がる・血行を促して健康な髪の成長を促進すると考えられることから、ヘアケアにも活用されています。

またジンジャーの精油をキャリアオイルに混ぜマッサージオイルとして利用することで、血行不良によるむくみ緩和やセルライトケアにも効果が期待出来ます。手先や足先の冷えが気になる方はマッサージオイルやバスアロマとして取り入れてみて下さい。

催淫作用について

ジンジベレン(ジンギベレン)は催淫作用を持つという説もあります。精神面への刺激・活力アップや体を温める働きと合わせ、性的なトラブルの改善にも役立つのではないかと考えられています。ジンジャーの催淫作用は女性よりも男性に対しての働きかけが強いのだとか。刺激作用により眠りに就きにくくなる場合もあると言われていますので、使用するシチュエーションには注意が必要です。

ジンジャー精油が利用されるシーンまとめ

【精神面】

  • ストレス・神経疲労
  • 緊張・プレッシャー
  • 集中力が欲しい
  • 記憶力を高めた
  • やる気が欲しい
  • 気持ちを前向きにしたい

【肉体面】

  • 血行不良・冷え性
  • 肩こり・筋肉痛・関節炎
  • 風邪の初期症状ケアに
  • 食欲不振・消化不良
  • 胃もたれ・吐き気・車酔い
  • 性的な不安やトラブルに

ジンジャー精油の利用と注意点について

相性の良い香り

ウッディー系・柑橘系の香りと相性が良いとされています。スパイシーさやスモーキーな香りが好きな方であれば、バルサム系とブレンドすると渋めな香りを作ることも出来ます。強い香りなので少量から利用し、使いすぎに注意してください。

ジンジャーのブレンド例

ジンジャー精油・アブソリュートの注意点

  • 妊娠初期の方・小さいお子さんへの利用は避けましょう。
  • 皮膚刺激があるため敏感肌の方は注意して使用してください。
  • 若干の光毒性があると考えられているため、使用後は紫外線を避けましょう。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。

参考元