ターメリック精油
アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

ターメリック精油<br />アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

肝臓・胃腸サポートやスキンケアに期待

ターメリック(秋ウコン)

ターメリック(秋ウコン)とは

クミンカルダモンと共にカレーの材料として、またお酒を飲む方のお供として、精油以外でも目にする機会の多いウコン。原産地とされるインドでは紀元前から栽培が行われており、インドの伝統医学であるアーユルヴェーダでも重要視されてきたと伝えられています。中国でも古くから漢方の生薬として取り入れられており、日本でも室町時代頃には既に沖縄県(琉球王国)で栽培され生薬として用いられていたと考えられています。明治維新頃になるまでは万能薬として高値で取引されていたそうですよ。現在では万能薬や医薬品という感覚こそないものの、ポリフェノール「クルクミン」による肝臓の保護・回復効果をはじめ、アンチエイジングやアルツハイマー型認知症の予防など様々な働きが研究されている植物です。

スパイスや健康食品として親しまれているウコンですが、このうち一般的に香辛料の「ターメリック」として使われているものはウコンもしくは秋ウコンと呼ばれるもので、学名はC. longa。それ以外にも同じくウコン属に属し「ウコン」と呼ばれる近縁種は50種以上あるとも言われていますが、主なものはウコン(ターメリック)・春ウコンとも呼ばれるキョウオウ(姜黄/学名:C. aromatica) ・紫ウコンもしくはガジュツ(莪朮)との3種類と言えるでしょう。
春ウコンは刺激が強くスパイスとしての利用には適していないとされていますが、クルクミンと精油成分のバランスが良く健康効果が期待できるとしてサプリメントなどの健康食品に良く用いられています。クルクミンによる黄色が強いことから黄ウコンとも呼ばれています。紫ウコンはさらに苦味が強いく、芳香健胃作用ほか様々な働きがあると考えられ生薬として用いられています。

こうした風味の問題などもあり、単に「ウコン」もしくは「ターメリック」という場合は秋ウコン(C. longa)を指すことが多くなっています。精油(エッセンシャルオイル)でもキョウオウやガジュツを原料としたものもありますが、こちらは一般にほとんど流通していません。ターメリック精油は一般的に秋ウコンを原料とした物を指します。日本では精油の飲用が禁止されていますからターメリック精油を使う場合はウコン茶やサプリメントのようにクルクミンによる肝機能回復効果などについては疑問視されていますが、ターメロンなどには胆汁分泌を助ける働きが期待されていることから肝臓サポートに役立つのではないかと考えられています。
ただしカンファーなどのケトン類を含むことや、1%以下の様々な微量成分が含まれていることから刺激性・毒性・感作作用などが指摘されている精油でもあります。スパイスとしてはポピュラーですが精油としてはマイナーな存在で国内での利用データが少ないこともあり使用には注意が必要な部類と言えます。

基本データ

通称
ターメリック(Turmeric)
別名
ウコン(鬱金/欝金)
学名
Curcuma longa
科名/種類
ショウガ科ウコン属/多年草
主産地
インド、インドネシア、ベトナム、中国
抽出部位
根茎
抽出方法
水蒸気蒸留法
淡黄色~黄色
ノート
ベース~ミドルノート
香り度合い
やや強め
代表成分
ターメロン/ツルメロン類(ar-Turmerone, α-Turmeronolなど)、クルクメン、アトラトネン、α-ジンジベレン、シオネール
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ・スキンケア

少しカレーを連想させる、スパイシーさとウッディー感のある温かい香り

こんなお悩みにオススメ

【精神面】

  • ストレス・神経疲労
  • 不安・緊張・心配
  • 気持ちの落ち込みに
  • 集中力を高めたい
  • 心の状態を整えたい
  • 脳機能を維持したい

【肉体面】

  • 肝臓サポート・二日酔い対策
  • 食欲不振・胃腸の不調に
  • 神経痛や関節痛の軽減に
  • 血行不良・冷え・むくみ
  • シワ・傷跡のケアに
  • 肌のアンチエイジングに

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ターメリック(秋ウコン)に期待される効果・効能

心への作用

ターメリック精油は刺激・強壮作用があるとされており、感情コントロールを助けてくれるのではないかと考えられています。ストレスや精神的な疲労から起こる気持ちの落ち込み・抑うつ症状の軽減に役立つと言われています。悩み事や心配で押しつぶされそうな時のサポートに良い精油とも言われていますよ。

また若干の刺激作用があるので集中力や記憶力向上に役立つとする説もあります。実験ではウコンオイルに含まれるターメロン類にミクログリアの活性化阻害作用がある可能性も報告されており、パーキンソンやアルツハイマー病の予防・改善に繋がるのではないかという説もあるようです。

体への作用

ターメリック精油の主成分と言えるターメロン類に胆汁分泌促進作用が期待されていることから、肝機能・解毒機能の向上に役立つのではないかと言われています。付随して消化器系の働きも良くなると考えられますし、ジンジベレンには消化促進作用もあるので合わせて消化器系の活発化にも効果が期待できるでしょう。食欲不振や消化不良のほか、二日酔いの気分の悪さ・腹部膨満感(お腹のハリ)・腹痛・胃痙攣などの緩和にも良いとされています。

また鎮痛・抗炎症作用を持つとされており関節痛・神経痛・リウマチ・筋肉痛など胃腸以外の幅広い“痛み”軽減にも有効とされています。心臓機能を促すことで血液循環を良くするという説もあり、血行促進からも冷え性や冷え・血行不良に起因する肩こりや頭痛などの痛み軽減効果が期待されています。肝臓機能サポートと合わせてむくみ軽減やデトックスに良いとも言われています。

そのほか抗菌作用や抗真菌作用があることから風邪予防に良い・免疫力向上に役立つとする説もありますが、ターメリック精油は刺激が強く毒性もある精油のためデイリー使いには適さないでしょう。

その他作用

肌への働きかけ

ウコン(ターメリック)はインドで古くから肌のケアに取り入れられており、現在でも石鹸や保湿クリームなどの化粧品原料としてもポピュラーな存在と言われています。創傷治癒や抗酸化作用が期待できることからシワなどを予防し美肌を保持する、肌のアンチエイジングをサポートしてくれると考えられています。抗炎症作用を持つとされていることと合わせて肌荒れにも良いと言われていますが、感作作用を持つ精油でもありますので逆に皮膚炎症を起こす危険性もあります。肌へ用いる場合は極低濃度希釈、かつ段階的なパッチテストをしっかりと行うようにしましょう。

ターメリック(秋ウコン)の利用について

相性の良い香り

スパイス系との相性が良いとされています。柑橘系や樹木系の香りとも比較的ブレンドしやすいでしょう。

【ターメリックのブレンド例】

ターメリック精油の注意点

  • 妊娠中・授乳中の方、小さいお子さんへの使用はできません。
  • てんかん他持病がある方も使用を避けましょう。
  • 毒性・刺激性がある精油とされています。希釈濃度に注意し、長時間の使用を控えましょう。
  • 皮膚刺激性が指摘されていますので、敏感肌の方は特に注意が必要です。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。