【アロマ】カルダモン精油
-植物の特徴・期待される効果効能とは?

【アロマ】カルダモン精油<br />-植物の特徴・期待される効果効能とは?

爽やかでセクシーな「高貴な香り」

柑橘系をスパイシーにしたよう複雑でありながら爽やかな香りを持つカルダモン。紀元前から香料・生薬として人々に愛されてきた歴史があり、古代ギリシア人が香水のように利用していたという説もありますよ。現代でも優雅な香りは多くの方に愛されていますし、気持ちをリラックスさせたり1,8-シネオールによる抗菌作用が報告されるなど健康サポートとしての有益性にも注目が寄せられています。

カルダモン(Cardamon)

カルダモンとは

カルダモンの特徴・歴史

日本ではクミンやコリアンダーと共に、カレーもしくはインド料理のスパイスという印象が強いカルダモン。そのためかカルダモンの芳香やカルダモン精油というとカレーの香りを連想されることもありますが、その香りはカレーとは全く別物。カルダモンの精油はオリエンタル系の香りの香水、石鹸ほか化粧品類の香り付けにも利用されている存在で、ユーカリとレモンを合わせたような清涼感をベースに甘さ・苦さ・渋さ・カンファーが入り混じった芳醇で複雑な芳香です。個人的には柑橘系に近い印象がありますし、どことなく優雅な印象もあるためか「高貴な香り」と称されることもあるほど。

カルダモンの原産地はインド・マレー半島周辺と考えられ、原産地周辺のインドでは料理に使用されるだけではなく3000年以上も昔から伝統医療であるアーユルヴェーダの中で生薬としても活用されてきました[1]。料理用スパイスとしてはスイーツ・食事の両方に使用されており、インドを中心とした南アジアだけではなく北欧諸国の料理によく使われています。カルダモンは香りの豊かさや活用幅の広さ・スパイスとしてはサフランに次いで高価な部類である[2]ことなどからインドでは「スパイスの女王(王様)」とも呼ばれているそう。

余談ですが、アーユルヴェーダだけではなく漢方でもカルダモンは“小豆蒄(ショウズク)”と呼ばれ芳香健胃作用を持つ生薬として用いられています。また、紀元前2世紀頃にはインドからヨーロッパに輸出されていたとも言われていますが、古代ギリシア・ローマ時代にはショウガ科のスパイスを一括りに“kardamomon”と呼んでいたのでカルダモンのみを指していたかは定かでないそう。現在私達が使っているカルダモン(cardamon)という呼び名も当時のスパイス名が受け継がれたものなのだとか。現在のカルダモンだけを指す言葉として定着したことから、古くから大切にされてきた可能性も高そうですね。こうした歴史からカルダモンは「歴史上最も古いスパイスの一つ」とも言われています。

カルダモンは中東やエジプトなどの北アフリカでもポピュラーなスパイスの一つで、古くはアラブ人が媚薬として使っていた・古代エジプトで「聖なる香煙」として焚かれていたという説もあります。ギリシャ人とローマ人はカルダモンの香水を使った、古代ギリシアの医者・薬理学者であるペダニウス・ディオスコリデスが坐骨神経痛や痙攣に対しての治療に使ったなどのエピソードも[1]多くあります。ちなみに、インドでカルダモンは食材兼消化補助剤として使われており、アラブ諸国で親しまれている“カルダモンコーヒー”も単に香りが良いだけではなくカルダモンの働きでコーヒーの害が中和されると考えられたのが始まりという説もありますよ。

そんなカルダモン、植物として見るとショウガ科に分類されています。そのためか別属であり使用する部位も香りも違いますが、作用はジンジャーに似ていると紹介されることもありますよ。カルダモンと呼ばれるスパイスにはブラックカルダモンとグリーンカルダモン(トゥルーカルダモン)の2種類がありますが、一般的に単にカルダモンと呼ぶ場合はグリーンカルダモン(学名Elettaria cardamomum)の事を指します。ブラックカルダモンは学名Amommum subulatumと同じショウガ科ですが別属で、香りはバルサミック&スモーキーな印象があるそう。別名もグリーンカルダモンですし黄緑色の種のようなビジュアルのイメージがありますが、カルダモンで最も芳香を持つ部位は黄緑色のサヤの中にある黒っぽいゴマ粒状の種子。

香料原料データ

通称
カルダモン(Cardamon)
別名
小荳蒄(ショウズク)、グリーンカルダモン(Green cardamom)、トゥルーカルダモン(True cardamom)
学名
Elettaria cardamomum
科名/種類
ショウガ科ショウズク属/多年草
主産地
インド、スリランカなど
抽出部位
種子
抽出方法
水蒸気蒸留法
無色~淡い黄色
粘性
低い
ノート
ミドルノート
香り度合い
強め
精油成分
1,8-シネオール、酢酸テルピニル、α-テルピネオール、ミルセン、リモネン、リナロール、酢酸リナリル、α-ピネン、酢酸ネリルなど
おすすめ
芳香浴(※低濃度でアロマバス・湿布も)

甘くスパイシー、かつレモンのような清涼感をあわせ持った香り

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カルダモンに期待される働き・効能

精神面への作用と効果

カルダモンの爽やかでスパイシーな香りは、メンタルバランスを整える手助けが期待されています。民間療法の中では神経系のための穏やかな強壮剤や鎮静剤[1]と称されるようにストレスや不安・緊張、神経疲労や気持ちの落ち込み軽減に取り入れられることもあり、気持ちのバランスを整えることで前向きさや活力を取り戻すことにも繋がると考えられることからスイート・マジョラムと共に「心を温める精油」の一つにも数えられています。

ちなみにGC-MS分析によるカルダモンの成分比については研究によって差があり、産地やメーカーの製法によっても差異があると考えられます。2018年『Molecules』に発表された論文[3]では1,8-シネオールが主成分であり、酢酸テルピニル・α-テルピネオール・リモネンなども含まれていることが発表されています。2014年『Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine』に発表された韓国の研究[4]でも“1,8-シネオール吸入は不安を減少させる”可能性があることが報告されていますから、成分的に見てもストレスや不安の軽減につながる可能性はあるでしょう。

また、カルダモンのスパイシーな香りは頭脳を刺激し、頭をスッキリとさせる手助けとしても適していると言われています。ストレスによる心の疲れから思考がまとまらない時の集中力サポートとしてや、ネガティブな事ばかり考えてしまう時にも役立ってくれそうですね。カルダモンオイルには性的な部分での刺激効果がある・催淫作用があると言う説があるのも、こうしたメンタル部分へのサポートが影響している可能性もありそうですね。

肉体面への作用と効果

カルダモンは紀元前から芳香性健胃作用を持つ生薬として利用されてきた歴史のあるハーブ。スパイスとして直接摂取した方が効果的ではあると考えられますが、精油を使って芳香を吸引することでも消化機能をサポートする働きが期待されています。神経面に対しての強壮・鎮静作用を持つ可能性と合わせて、ストレスによる胃痛や腹痛・下痢などの軽減に取り入れられることも。また、民間療法では加温作用(体を温める作用)がある精油として扱われており、冷えから起こる消化不良や痛みなどの緩和に良いという説もあります。

そのほか利尿作用もあり枷の初期症状ケアや冷え・むくみ軽減に良い、筋肉の緊張を和らげることで神経痛・肩こり・腰痛などの緩和に良いという説も[1]あります。ただし消化器系への有効性を報告している研究はカルダモンもしくはその抽出物を経口摂取や投与しているものです。精油の芳香吸引によるデータはありませんし、加温作用などについては調べた限りエビデンスはありませんでした。有効性を断定するには不十分な状態ですし、日本では精油の経口摂取も認められていませんから「心地よい香りでセルフケアをサポートしてくれる」もの程度に考えましょう。

風邪予防・アレルギーケアにも期待

製品によって含有率には違いがありますが、カルダモン(Elettaria cardamomum)精油に含まれている主要芳香成分としてオキサイド類の1,8-シネオールが挙げられています[3]。1,8-シネオールはユーカリ系の精油やティーツリーなどの特徴成分でもあり、抗菌・抗ウイルス作用や免疫向上作用、抗炎症作用によって粘膜系の炎症を落ち着けたり痙攣を和らげるなどの働きを持つ可能性が示唆されている成分。カルダモンの精油を使用した研究[3]でも抗菌活性や抗真菌活性が見られたことが報告されています。

有効性については断定されている段階ではありませんが、こうした1,8-シネオールやカルダモン精油についての報告から、カルダモンのエッセンシャルオイルを拡散することでも空気浄化や風邪予防に役立つのではないかと期待されています。抗炎症作用が期待できることと合わせて風邪の初期症状ケアや、花粉症による鼻水・鼻詰まりなどの軽減に繋がる可能性もあるかもしれません。2011年『Nitte University Journal of Health Science』にはカルダモン精油を1分間吸入したグループの方が有意に高い酸素摂取量を示した[5]という論文も掲載されており、呼吸の改善に役立つ可能性も示唆されています。

その他に期待される作用

皮膚利用について

カルダモン精油には抗菌・抗真菌作用や抗酸化作用を持ち、1,8-シネオールなど抗炎症作用のある成分を含むことからスキンケア用としても有益である[1]という声もあります。しかしカルダモン精油は皮膚刺激性が指摘されている精油の一つでもありますから、スキンケアへの仕様には注意が必要。特に通常よりもデリケートな状態になっている炎症部位への仕様は避けることをお勧めします。

1,8-シネオールによる抗菌作用やデオドラント(消臭)作用が期待でき、香水に通じる心地よい香りのため体臭対策に使われることもありますが、ちらも直接皮膚に付けるような利用は避けた方が確実。アロマスプレーを作り衣服や靴にスプレーするなど皮膚に直接精油が付かない形での使用をお勧めします。

カルダモンが利用されるシーンまとめ

【精神面】

  • ストレス・神経疲労
  • 不安・緊張・イライラ
  • 気持ちを落ち着けたい
  • 前向きさが欲しい
  • 頭をクリアにしたい
  • 集中力を高めたい

【肉体面】

  • 食欲不振・消化不良
  • 腹痛・胃痛・お腹のハリ
  • 喉・鼻の不快感に
  • 風邪の諸症状軽減に
  • 疲労感・だるさ・倦怠感
  • 体臭対策として

カルダモンの利用と注意点について

相性の良い香り

スパイス系・ウッディー系の香りと相性が良いとされています。オリエンタル系の香りや柑橘系の香りともブレンドしやすいでしょう。カルダモンの精油は少量でもしっかりと存在感がありますから、ブレンド時には他の香りを殺してしまわないように少量ずつ加えるようにして下さい。

カルダモンのブレンド例

カルダモン精油の注意点

  • 妊娠中の方、小さいお子さんへの使用は避けましょう。
  • 高濃度での使用は皮膚刺激が高く、アレルギーを起こす可能性があります。敏感肌・皮膚アレルギーがある方は使用に注意が必要です。
  • 疾患がある方・投薬治療中の方は医師に確認してから利用して下さい。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。

参考元