タラゴン/エストラゴン精油
アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

筋肉の強張り・痛み軽減に利用される

タラゴン(Tarragon)

タラゴン(エストラゴン)とは

フレンチでよく使われる甘い芳香が特徴的なハーブ、タラゴン。料理用ハーブとしては英名であるタラゴンという呼び名よりも、フランス語の“エストラゴン”という呼称の方が知られているかもしれません。タラゴンビネガーをはじめエスカルゴ料理・オムレツなどの卵料理・肉や魚料理・サラダドレッシングなど様々な料理に利用されており、フレンチでは必須ハーブの一つとも言われています。香りはお菓子っぽいような独特の甘さがありますが、ほろ苦く微かにスパイシーな味が小粋ですね。フランス以外にもヨーロッパ中で使われており、西洋では「食通のハーブ」とも呼ばれるほど高く評価されています。

そんなタラゴンは植物としてはキク科ヨモギ属に分類されており、日本のハーブと言える蓬(ヨモギ)と近い存在であることから西洋ヨモギとも言われています。ただし外見も香りも全くの別物で、タラゴンの葉は細長く先端が尖っている事が特徴。タラゴン(taragon)という呼び名は「小さなドラゴン」を意味する言葉が語源とされていますが、由来については毒を持つヘビに噛まれた時の治療に使われたという説・根の部分がヘビがトグロを巻いたように見えた説など諸説あります。余談ですが淡白な味を引き立てて料理の味を劇的に変化させることと、この竜に因んだ呼び名をかけて「魔法の竜」とも呼ばれているそうですよ。

タラゴンがハーブとして料理に使われるようになったのは中世以降と、比較的歴史が浅いと言われています。しかし“ヘビ(毒を持つ生き物)に噛まれた時の治療に使われた”という説もあるように、薬草としての利用は非常に古くから行われていたと考えられています。紀元前500年頃には既にギリシアで薬草して栽培されていたことが分かっており、古代ギリシアの医者ヒポクラテスも蛇や狂犬に噛まれた時の毒消しとして利用していたと伝えられています。

ちなみにヨモギやタラゴンなどが属すヨモギ属の属名“Artemisia”はギリシア神話に登場する女神アルテミスにちなんで命名されたそう。アルテミスは月と狩の女神として知られていますが、実は多産をもたらす・妊婦の守護神とでもあります。このためタラゴンなどは生殖器系に優れた効果を持つ薬草とされていたためアルテミスの名が付けられたのではないかという見解もあるのだとか。

また13世紀に活躍したアラブの薬剤師・医師イブン・バイタールも口臭予防や睡眠導入に有効なハーブとしていますし、インドのマハラジャが薬湯として愛用したという説もありますから、ヨーロッパだけではなく広い範囲で薬用植物として利用されていたのでしょう。日本ではタラゴンもタラゴン精油もあまりポピュラーな存在ではありませんが、世界的にはポピュラーなハーブ・精油とされています。フランスではタラゴン精油を使った香水も多いそう。

精油原料としては同じタラゴンArtemisia dracunculusでも、フレンチタラゴン(フランス種)とロシアタラゴン(ロシア種)の2つに分けられます。このうちフレンチタラゴンの方が香りがよく使いやすいと評価されており、一般的にはタラゴン精油=フレンチタラゴン精油というのがポピュラーとなっています。ロシアタラゴンは精油成分が異なるため、香りや作用もフレンチタラゴンとは違うと言われています。

基本データ

通称
タラゴン(Tarragon)
別名
エストラゴン(Estragon)、フレンチタラゴン(French Tarragon)、西洋ヨモギ
学名
Artemisia dracunculus
科名/種類
キク科ヨモギ属/多年草
主産地
フランス、オランダ、ハンガリー、イタリア
抽出部位
全草
無色~淡黄色
粘性
低い
粘性
低~中
ノート
トップノート
香り度合い
中~強い
代表成分
エストラゴール(メチルカビコール)、メチルオイゲノール、リモネン、α-ピネン、t-オシメン、テルピノーレン
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ

アニスに似た甘くスパイシーな香りに、グリーン感が混じった香り

こんなお悩みにオススメ

【精神面】

  • ストレス・神経疲労
  • 緊張・不安・消耗感
  • 無気力感・無感動な時に
  • 気持ちの落ち込みに
  • 元気・前向きさがほしい
  • モチベーションを上げたい
  • ストレス性の不眠軽減に

【肉体面】

  • 食欲不振・消化不良
  • お腹の不調全般に
  • 血行不良・冷え性に
  • 筋肉痛・肩こりなどの緩和に
  • 風邪などの感染症予防に
  • 花粉症・アレルギー軽減に
  • 月経不順・生理痛の軽減
  • 更年期障害・PMSの緩和

Sponsored Link

タラゴン(エストラゴン)に期待される効果・効能

心への作用

タラゴン精油の主成分はエストラゴール(メチルカビコール/チャビコールメチルエーテル)を筆頭としたフェノールエーテル類。エストラゴールはアニスなどに含まれているアネトールの異性体で、アニスに似た甘い香りの元でもあります。エストラゴールはマウスを使った実験で発癌性が報告されているため毒性成分として使用には注意が必要な存在とされていますが、強壮作用や抗ストレス作用など有益な働きが期待されている成分でもあります。このため短期的に少量の使用であれば、タラゴン精油はストレスや緊張などによって疲弊した心に刺激を与え、活力を取り戻す手助けをしてくれると言われています。

タラゴンの香りとしても甘くスパイシーな香りなので、無気力・無感動、退屈・くすぶっているような気分の時にも適しているでしょう。自律神経のバランスを整えてくれるという説もあり、ストレスで疲れてしまった心と体のケアに用いられることもあるそう。元気を出したり、活発な自分を取り戻したい時に役立ってくれるでしょう。またイブン・バイタールが睡眠導入に用いたという伝承の通り不眠対策としても効果が期待できると言われていますが、フェノール類には覚醒作用があるという説もあるので体質や状態によって合う・合わないが分かれそうです。

体への作用

タラゴン精油の主成分であるエストラゴール(メチルカビコール)は消化器系への刺激作用を持つされており、食欲不振や消化不良などにも有効とされています。料理用ハーブやハーブティーとして消化サポートに良いと言われるのも香りによる働きかけが大きいと考えられます。エストラゴールには筋肉の緊張を和らげる働きもあるとされ鎮痙作用も期待できますので胃痛や腹痛などの痛みの緩和にも繋がるでしょう。しゃっくりが止まらない時にも有効とされています。

そのほか筋肉の強張りを解すことで血行促進に繋がり、血行不良に起因する冷え性・肩こり・筋肉痛・リウマチ・神経性の痛みなどの緩和にも効果が期待されています。筋肉痛や神経痛のケアにはマッサージオイルに混ぜて利用するか温湿布として使う、血行不良による冷え性の軽減には精油を希釈して入浴時に利用するとより効果的と言われています。

風邪予防・花粉症軽減に

タラゴン精油の主成分であるエストラゴールは抗アレルギー作用を持つ可能性が報告されている成分でもあります。このためアレルギー性の呼吸器官のトラブル対策として役立つのではないかと注目されており、花粉症やアレルギー性鼻炎の症状軽減にも取り入れられています。またフェノールエーテル類は抗菌・抗真菌・抗ウィルス作用を持つとされていますので、風邪やインフルエンザなど感染症予防にも効果が期待出来ます。常用は避けたほうが良いですが、風邪の流行が気になるときなどはお部屋の空気の浄化剤としてデュフーザーで拡散しても良いでしょう。

女性の身体への働きかけ

タラゴン精油は通経作用や生殖器系の強壮作用を持つとも言われており、特に女性の身体のサポートに適した精油という見解もあります。月経促進作用から無月経・生理不順など月のリズムが気になる方に適していると考えられていますし、エストラゴールの筋肉の緊張を和らげる働き・血流を整える働きからら生理痛の緩和にも有効とされています。心に対しての穏やかな刺激作用によって気分を高めてくれることと合わせて、更年期障害による情緒不安定さなど女性ホルモンのバランスの変動による精神的不調にも効果が期待されています。

また生理前にイライラや不安・気持ちの落ち込みなどを感じるPMS(月経前症候群)のケアとしても注目されており、筋肉の強張りを緩めてくれるので腰痛や腹痛など肉体面の症状軽減に繋がる可能性もあります。マッサージオイルとして利用すると利尿を促し、むくみ軽減に良いという説もありますよ。

その他作用

皮膚利用について

エストラゴールやメチルオイゲノールなど、タラゴン精油の大半を占めているフェノールエーテル類は高い殺菌・消毒作用を持つと考えられています。このためタラゴン精油はニキビ・吹き出物などのケアに効果が期待されており、精神面への働きかけと合わせてストレス性の肌トラブル全般に良いとする見解もあります。ただしフェノール類は皮膚刺激性が強いため、肌が弱い方は逆に炎症を起こす原因となってしまうこともあるので注意が必要です。スキンケア用としては別の精油を選ぶようにした方が無難でしょう。

タラゴン(エストラゴン)の利用について

相性の良い香り

柑橘系やスパイス系の香りと相性が良いとされています。ハーブ系やウッディー系の香りとも比較的組み合わせやすいですが、香りが強めなのでブレンド時に多く加えすぎないように注意しましょう。

【タラゴンのブレンド例】

タラゴン精油の注意点

  • 妊娠中・授乳中の方、お子さんへの使用はできません。
  • 少量・低濃度で注意して使用し、常用を避けましょう。

  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。

こちらもオススメ