【アロマ】アンジェリカルート精油
-植物の特徴・期待される効果効能とは?

【アロマ】アンジェリカルート精油<br />-植物の特徴・期待される効果効能とは?

“不安と力の精油”との別名も

アンジェリカかヨーロッパを中心に古くから香料・ハーブとして使用されてきたセリ科のハーブ。精油は根から抽出されたルートオイルと種子から抽出されたシードオイルがありますが、流通量が多いのはルートオイルの方です。アンジェリカルートはヨーロッパ当帰とも呼ばれるように伝統医療の中で女性領域での不調に用いられてきた歴史がありますし、メンタルサポートに用いられることから「不安と力の精油」とも呼ばれていますよ。

アンジェリカ(angelica)

アンジェリカ(西洋当帰)とは

アンジェリカの特徴・歴史

アンジェリカは日本ではそこまでメジャーとは言えないハーブですが、欧米ではアロマテラピーだけではなく、ハーブティーやハーブチンキなどハーブ療法全般で取り入れられている存在。民間療法だけではなく、シャルトルーズやベネディクテンなどのリキュール類の香り付け・調理スパイスなど食品分野でも取り入れられていますし、安眠用のハーブピローなどにも利用されているそう。また日本ではフキを使っていますがケーキなどのトッピングに使われるクリスタルアンゼリカ(緑色のグミのようなもの)は、アンジェリカの堅い茎を砂糖で煮て乾燥させたものが原型とされています。元々は健康食材のようなものだったのかもしれませんね。

ヨーロッパでアンジェリカは歴史あるハーブの一つで、古くから悪魔を退ける香りを持つ聖なる草とも考えられていました。呼び名や属名のアンジェリカ(Angelica)は天使、種小名のarchangelicaは大天使ミカエルが語源とされており、共に“天使が秘めたる力を人間に教えてくれた”という伝説が由来となっています。かつては「精霊の根」や「天使の草」などとも呼ばれていたのだとか。中世となるとアンジエリカは“最も有用性が高いハーブ”の一つと称され、16世紀に活躍した錬金術師・医学者のパラケルスも万能薬としてアンジェリカを評価していたそうです。17世紀にはイギリス王室のハーブリストにも加えられていますし、現在でも呼吸・循環・免疫系など様々な不調改善に取り入れられています。

そんなアンジェリカ、植物としてはセリ科に分類されています。セリ科のハーブは沢山ありますが、伝統的な用法が近いこともあって中国医学(漢方)で生薬として利用されている「当帰(トウキ)」の近縁種として紹介されることもありますよ。日本では当帰の方が古くから定着していたためアンジェリカを西洋当帰・ヨーロッパ当帰とも呼んでいます。当帰と言えば冷えや女性特有の不調改善に取り入れられていますが、アンジェリカも同じく女性の体を整える働きが期待出来ることから“女性の為の朝鮮人参”とも呼ばれています。また、精神面に優れた働きかけを持つとしてアンジェリカは「不安と力の精油」とも呼ばれてます。

身近なアンジェリカの仲間としてはセロリが挙げられるでしょう。アンジェリカには根から採油されたルートオイル種子を原料としたシードオイルの2つがありますが、アンジェリカシードの精油はセロリシードと近い香りと表現されることもあります。香りとしてはシードのほうがハーバル調で親しみやすいものの、流通量が多く一般的に「アンジェリカ精油」として利用されているのはルートオイル。アンジェリカルートは香りがベチパーなどに近い土を連想させる香りですが、どことなくムスク調の香りも含むため香水にムスク感を加える時などにも利用されています。単体で香りを嗅ぐと好き嫌いが分かれやすいですが、ブレンドしやすい精油ですので他の精油と組み合わせて利用してみると良いでしょう。

香料原料データ

通称
アンジェリカ・ルート(Angelica Root)
別名
アンゼリカ、西洋当帰(セイヨウトウキ)、Holy Spirit Root(ホーリースピリットルート/精霊の根)、Angel grass(エンジェルグラス/天使の草)
学名
Angelica archangelica
科名/種類
セリ科シシウド属/多年草
主産地
フランス・ドイツ・ベルギー・オランダ
抽出部位
根・根茎
抽出方法
水蒸気蒸留法
無色~淡いクリーム色
粘性
低い
ノート
ルートオイル:ミドル~ベースノート
香り度合い
ルートオイル:強め
精油成分
ルートオイル:α-ピネン、1,8-シネオール、リモネン、α-テルピネオール、β-フィランドレン、δ-3-カレン
おすすめ
芳香浴・マッサージ・ヘアケア

土っぽさの中に漢方薬系のスパイシーさを感じる、独特の香り

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アンジェリカ・ルートに期待される働き・効能

精神面への作用と効果

アンジェリカは「不安と力の精油」とも称されるように、神経系・心のバランスを整える働きを持つ精油として古くから用いられてきました。現在でも優れた鎮静・神経強壮作用が期待できる精油として、不安定な気分を落ち着けたり、不安や緊張で強張ってしまっている心を穏やかにリラックスさせたい時に用いられています。副交感神経を活発化することで自律神経のバランスを整える作用も期待されていますよ。

このためアンジェリカ精油はストレスや神経疲労・頑張り過ぎで参ってしまった状態からの回復促進、ストレスへの耐性やメンタル面での打たれ強さが欲しい場合などに活用されています。気持ちを落ち着ける働きもありますから、イライラや過興奮・ショック状態などの緩和にも効果が期待できるでしょう。アンジェリカ自体に催眠作用などはありませんが、眠れない夜に不安や過去が取り留めなく浮かんでくるような場合のサポートにも役立ってくれそうですね。

またアンジェリカは少量で刺激作用・量が増えると鎮静作用をもたらすという説もあります。このため憂鬱感から抜け出せない時・不安感に苛まれている時に、心を落ち着けると共に前向きさ・やる気を蘇らせるサポートも期待できるでしょう。不安と力の“力”の部分と言えますね。そのほか過去の嫌な思い出の影響を最小限に抑えるとも言われていますので、トラウマを思い出しては気分が憂鬱になるような方にも適しているでしょう。真面目すぎる人や正義感が強い人・理想が高い人など、自分で自分を追い詰めてしまいがちな場面に向いている精油だという見解もあります。

肉体面への作用と効果

かつて万能薬として利用されていたように、アンジェリカの精油は呼吸器・消化器・循環器・免疫系と広い範囲で役立つ精油・体全体の強壮効果がある精油と考えられています。呼吸器・免疫系に関しては抗菌・抗ウイルス・抗アレルギー作用に加え、去痰や鎮咳にも役立つと考えられているため、風邪やアレルギー性鼻炎などの症状にも有効と考えられています。

自律神経のバランスを整えることで、血行を整える・消化機能を高める働きも期待されています。アンジェリカの精油は弛緩作用と刺激作用の両方を持ち合わせ、血液循環や消化液分泌などを促すという説も。胃腸機能向上が期待できるため消化不良・腹部膨満感(鼓腸)・便秘などに良いと言われていますし、精神面への働きかけと合わせて拒食症の改善サポートなどに取り入れられることもあるそうですよ。

そのほか発汗作用・加温作用・利尿作用があるとされていますから、女性の多くの不調の原因となる冷え性やむくみの改善としても役立ってくれるでしょう。冷えによって悪化する関節炎やリウマチなどの痛みの軽減にも期待できます。

女性領域でのサポートも期待

アンジェリカにはエストロゲンの分泌バランスを調整する作用があると考えられています。このためエストロゲン分泌低下によって起こる更年期障害の諸症状軽減をはじめ、PMS(月経前症候群)や月経不順など幅広い月経トラブルの改善に効果が期待されています。ホルモンバランスへの働きかけについては十分なデータがなく信憑性が低いことも指摘されていますが、メンタルケアと合わせて更年期障害やPMSによる精神的不快感の軽減などに取り入れられています。

そのほか催淫作用(性欲を高める働き)がある精油という説もあり、男女ともに不妊改善サポートととしても期待されています。催淫作用や不妊改善についても微妙なところですが、精神面への働きかけや体全体を整える働きがある可能性はありますから、夜の香りとして取り入れてみても良いでしょう。

その他に期待される作用

皮膚利用について

皮膚刺激性・光毒性があることから、あまりアンジェリカ精油の皮膚利用はされていません。作用としては代謝促進作用があると考えられており、肌の再生促進・くすみをなくして透明感を与えると言われています。ただし刺激性などの問題からスキンケアに利用するのではなく、血液循環を促すことで冷え性やむくみケア、関節痛や神経痛の軽減など、ボディマッサージ用としての利用がおすすめです。

アンジェリカが利用されるシーンまとめ

【精神面】

  • ストレス・神経疲労
  • 神経過敏・情緒不安定
  • 不安感・憂鬱感(抑うつ)
  • イライラ・ショック
  • 心を強く持ちたい
  • 前向きさがほしい
  • 過去から抜け出したい
  • ストレス性の不眠

【肉体面】

  • 風邪・喉の不調に
  • 免疫力アップ・風邪予防
  • 消化不良・食欲不振
  • 腹部膨満感・便秘
  • 冷え・むくみ
  • 神経痛・関節痛
  • 月経痛・生理不順
  • 更年期障害・PMS
  • 妊活のサポートに

アンジェリカルートの利用と注意点について

相性の良い香り

柑橘系・ウッディー系の香りと相性が良いとされています。甘い香りやアロマっぽ香りが苦手な方は柑橘系のオイルとのブレンドがオススメです。

アンジェリカのブレンド例

アンジェリカルート精油の注意点

  • 妊娠中の方・授乳中の方は使用を避けてください。
  • 皮膚刺激が強いため肌の弱い人は使用する際に注意しましょう。
  • 光毒性があるため肌につけた後紫外線に当たらないようにしてください。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。

参考元