強壮やむくみ・デトックスに期待
セロリシードとは
セロリシードの精油はその名のとおり、サラダ野菜としてもお馴染みのセリ科の野菜「セロリ」の種子から採油された精油です。日本人にはあまり馴染みのないセロリシードですが、香辛料・薬用・ハーブティーなどに幅広く利用されるほか、精油は石鹸・洗剤・化粧品・香水の香料としても利用されています。食用として試す場合はセロリシード粉末と食塩を混ぜ合わせた「セロリソルト」が使いやすくオススメです。
実はセロリの種子部分の方が茎部分よりも利用されてきた歴史は長く、古代ローマ・ギリシャではセロリシードを整腸剤・強壮剤・香料などに利用していました。心を落ち着かせる作用がある薬草としても利用されていました。また強い芳香から遺体の臭い消し・魔除けなどにも有効と考えられており、葬式や宗教的な儀式などの際にも利用されていたようです。
現在のように茎を野菜として食べるようになったのは17世紀以降。フランスで食用文化が始まり、ヨーロッパ・アメリカへと広まっていたと考えられています。日本へは江戸時代にオランダ船から伝播し「オランダ三つ葉」と呼ばれたものの、独特の香りから好まれませんでした。日本人がセロリを食べるようになったのは食生活が洋風化した昭和中期以降です。
セロリは独特の芳香から好き嫌いが別れる野菜ですが、セロリシード精油も独特の苦味とスパイシーさがあり好き嫌いの分かれる香りです。セロリの香りを濃縮した感じ、と称されることもある香りですが、この独特の香りに様々な有効成分が含まれていると考えられており、野菜としても精油としても「芳香」による様々な働きが期待されています。ちなみにセロリシード(種子)ではなく葉から採油される精油もありますが、こちらは光毒性があるため購入時には原料部位を確認するようにしましょう。
基本データ
- 通称
- セロリシード(Celery seed)
- 別名
- セルリー、オランダ三葉(オランダミツバ)
- 学名
- Apium graveolens
- 科名/種類
- セリ科/二年草
- 主産地
- インド、オランダ、ハンガリー、中国、フランス
- 抽出部位
- 種子
- 抽出方法
- 水蒸気蒸留法
- 色
- 淡黄色~オレンジ色
- ノート
- ミドルノート
- 香り度合い
- 中くらい
- 代表成分
- リモネン、セリネン、セダノリド、α-フェランドレン
- おすすめ
- 芳香浴・アロマバス・マッサージ・スキンケア
フレッシュさとほろ苦さを持つ、スパイシーで温かい香り
こんなお悩みにオススメ
【精神面】
- ストレス・不安
- 精神面の強化に
- 気持ちを落ち着けたい
- リラックスしたい
- リフレッシュしたい
- 元気になりたい
- 不眠の改善に
【肉体面】
- 食欲不振・腹部膨満感
- 消化不良・下痢
- 関節痛・神経痛
- リウマチ・痛風
- デトックス
- むくみ・セルライト
- 無月経・生理不順
- 美白・色素沈着予防
- 傷跡を目立たなくしたい
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セロリシードに期待される効果・効能
心への作用
セロリシードオイルの香りは中枢神経系に働きかけ、鎮静と強壮両方の効果をもたらすとされています。気持ちを落ち着けせるリラックスさせる働き・疲れた心をリフレッシュさせ元気にする、両方の働きから精神のバランスを整えるのにも役立ってくれるでしょう。
そのほかセロリシードは不眠の解消に効果的な精油でもあります。リラックスや強壮によって心のバランスが取れ、不安やストレスに対しても強くなれますから神経性の不眠には特に高い効果が期待できるでしょう。
体への作用
消化促進・整腸・駆風作用などお腹の調子を整える作用を持つセロリシードは、消化不良や下痢の改善、腹部膨張感(ガスによるお腹の張り)などの改善に用いられます。また食欲増進作用もあると考えられており、過労などで疲れてしまった体を回復させる・強壮する働きにも効果が期待できるでしょう。
そのほかセロリシードは関節に溜まった尿酸を溶解する・血液を綺麗にする働きがあると考えられ、関節関係の不調緩和に伝統的に用いられてきた精油でもあります。関節痛・神経痛・リウマチの緩和、痛風にも用いられています。
むくみケア・デトックスにも
セロリシードは高い利尿効果を持つ精油です。血液の浄化や解毒にも優れた効果を持つとされており、むくみの改善やデトックス(老廃物の排泄)機能を高めるためにも用いられています。利尿効果によって体内の余分な水分の排泄を促すことから、心臓の負担を軽減する、膀胱炎に良いとも言われています。
女性の体への働きかけ
子宮を刺激する働きにより通経・月経促進作用があると考えられています。そのためセロリシードは無月経や生理不順の改善に有効とされています。そのほかに催乳作用(母乳の出を良くする)働きがあると言われていますが、授乳中の使用について十分なデータはなく書籍によっては授乳中の使用を避けるべき精油ともされています。医師や専門家の勧め以外での使用は避けたほうが無難でしょう。
その他作用
肌への働きかけ
セロリシードオイルはフタライド類などの働きから、メラニン色素の沈着を防ぐ働き(美白効果)があると考えられています。シミ・ソバカスの改善に用いられているほか、炎症が落ち着いた跡の日焼けのケアなどにも利用されています。また美白効果に加えて瘢痕形成作用があるとされることからニキビ跡のケアなどに利用する方もいるようです。肌の赤みが気になる方にも良いとする説もあります。
マッサージに
強い利尿作用などからむくみ解消・セルライトケアのマッサージに利用されます。
セロリシードの利用について
相性の良い香り
柑橘系、ハーブ系もしくはハーブ系に近い香りのフローラル系と相性が良いとされています。さほど系統を選ばず、ブレンドしやすい香りです。
【セロリシードのブレンド例】
セロリシード精油の注意点
- 妊娠中・授乳中の使用は避けましょう。
- アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
- 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。