【アロマ】セロリシード精油
-植物の特徴・期待される効果効能とは?

【アロマ】セロリシード精油<br />-植物の特徴・期待される効果効能とは?

ストレス・安眠対策に

甘くスパイシーで、温かみのある香りが特徴のセロリシード。青っぽいセロリの香りとは異なりいくつかの精油をブレンドして作ったような複雑な香りです。古くから生薬として使われてきた関係もありストレスケアや安眠サポート、消化器サポートやデトックスなど様々な目的で使用されている存在でもありますよ。ただし芳香吸引による人に対しての有効性は研究が行われていません。デリケートな時期の使用に注意が必要な精油でもあるので、効能を過信せずに使用しましょう。

セロリシード(Celery seed)

セロリシードとは

セロリシードの特徴・歴史

独特の芳香から好き嫌いが分かれ、子どもの嫌う野菜としても良く名前の挙がるセロリシード。呼び名の通りセロリシードは普段私たちが野菜として食べている“セロリ”の種子部分。ゴマのようにそのまま食べることはありませんが、香辛料としてスープやピクルスなどに使用されています。セロリシードを買ってお料理に使うという方は多くないかもしれませんが、市販のシーズニングの類などには使用されています。よりセロリシードの香りを感じられるセロリシード粉末と食塩を混ぜ合わせた「セロリソルト」もハマる人はハマる風味ですね。

セロリシードから抽出されたセロリシードオイルは、野菜としてのセロリに通じつ部分もありつつセロリとは異なる不思議な香り。人によっては「セロリの香りを濃縮した感じ」と表現されることもありますが、セロリほどセリ科の香草感はなく、どことなくスパイシーでビター。土っぽさもあり、個人的には野菜としてのセロリの香りよりもパチュリに近い印象です。セロリシードの精油は石鹸や香水・化粧品などの香料としても利用されています。ちなみに、セロリシード(種子)ではなく葉から採油される精油もありますが、こちらは刺激性や光毒性が高いと考えられているためあまり流通していません。

セロリはヨーロッパから中近東にかけての冷涼な地域が原産とされるセリ科植物。多くの日本人にとってはあまり馴染みのない食材(香辛料)であるセロリシードですが、古くから香辛料としてだけではなくハーブティーや民間医薬としても使用されてきた歴史ある存在。古代には野菜のように茎を食べるのではなく、葉と種子のみが利用されていたのだそう。古代ギリシアではすでにセロリシードを整腸剤や強壮剤感覚で取り入れたようですし、古代ローマの学者アウルス・コルネリウス・ケルススも“セロリの種子には鎮痛効果がある”と書き記しています[1]。

古代ギリシアやローマでは種子を香辛料として使用することはほぼなく、ハーブ(生薬)もしくは香料という扱いだったようです。また、強壮効果があると考えられたためか、男性が強精剤として使用したり媚薬として使われていた時期もあったと伝えられています。その他にセロリシードはその強い芳香から遺体の臭い消しに使われたのではないか、魔除けに役立つ・不運をもたらすと信じられていたなどの伝承もあります。

原産地よりも東のインドや中国でも生薬として取り入れられ、現在はセロリシードの生産がヨーロッパよりも多いほど。地域によっては伝統的に緊張や睡眠を促進するための鎮静剤、痛風や関節炎・リウマチの治療にと、ありとあらゆる用途で使われている[2]と言っても過言でもありません。

ちなみにセロリの茎部分を野菜として食べるようになったのは17世紀以降。フランスで食用文化が始まり、ヨーロッパ・アメリカへと広まっていたと考えられています。日本へは江戸時代にオランダ船から伝播し「オランダ三つ葉」と呼ばれたものの、独特の香りから好まれませんでした。日本人がセロリを食べるようになったのは食生活が洋風化した昭和中期以降、家庭でも使われる野菜として普及したのは昭和末期~平成に入った頃ですね。

香料原料データ

通称
セロリシード(Celery seed)
別名
セルリー、オランダ三葉(オランダミツバ)、清正人参
学名
Apium graveolens
科名/種類
セリ科オランダミツバ属/一年草もしくは二年草
主産地
インド、中国、オランダ、ハンガリー、フランスなど
抽出部位
種子
抽出方法
水蒸気蒸留法
クリーム色~淡オレンジ色
ノート
ミドルノート
香り度合い
中くらい~強め
精油成分
リモネン、セリネン、3-n-ブチルフタリド、セダノリド、α-フェランドレン、フタリド類、アルデヒド類
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ・スキンケア

フレッシュさの奥にビターさもある、スパイシーで温かい香り

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セロリシードに期待される働き・効能

精神面への作用と効果

アロマテラピーなどの自然療法や伝統医療において、セロリシードは鎮静作用によって興奮を落ち着けてくれる存在として扱われています。精油も中枢神経系に働きかけで自然な鎮静剤として機能することで、気持ちを落ち着けてリラックス状態を作るサポートが得意だと考えられています[2]。鎮静作用の高さから睡眠導入をサポートする香りとしても利用されているほか、神経系に対しての強壮作用を持つという説もありますから、精神のバランスを整えて前向きになりたいときに香らせてみても良いかもしれません。

成分的に見ると、セロリシードオイルの主成分は柑橘系精油に多く含まれているd-リモネン。2012年『Pharmacology Biochemistry and Behavior』に掲載された実験では、リモネンの吸入によってマウスに抗不安薬様効果が見られたことが報告されており、アロマテラピーで抗ストレス剤および抗不安剤のような役割を果たす可能性が示唆されています[4]。精油成分の95%以上がリモネンであるオレンジスイートの精油などもストレス対策や不眠軽減に効果が期待されていますから、セロリシードも同様にメンタルサポートに役立つ可能性はありそうですね。

肉体面への作用と効果

古代ギリシア時代から整腸作用を持つハーブとして活用されていたと伝えられるセロリシード。現在でもアジアの伝統医療を中心に消化補助剤・整腸剤・抗鼓腸薬として使用され[2]ており、精油もまた消化促進・整腸・駆風作用などお腹の調子を整える働きを持つと考えられています。セロリシード精油の主成分であるリモネンも消化器系へのサポートが期待されている成分。エビデンスとして紹介される研究は動物実験かつ投与によるもののため、人間が芳香を吸引した際の有効性は分かっていませんが、リラックス効果が期待できることと合わせて消化器系のサポートに役立つ可能性もあるでしょう。

また、セロリシードに含まれているフタリド類は肝臓保護や腎臓の働きを高める可能性があることも報告されています。こうした研究もまだ有効性が認められる段階ではなく、かつ製剤の投与によって行われているため芳香吸引での有効性は不明です。伝統的にセロリシードが利尿剤として用いられてきた背景もあってか利尿作用を持つ精油・血液を綺麗にする働きがある精油という説もあります。このためむくみの改善やデトックス(老廃物の排泄)サポートとして用いられたり、老廃物の排泄を促すことから尿酸の排出を助け関節炎を軽減するのではないかと期待する声もあり、関節痛・神経痛・リウマチ・痛風などの緩和マッサージに使用されることもあります。

しかし、セロリシードの効能とされるものの大半は有効性が分かっていません。疾患がある・不快症状が重い場合は医療機関で適切な診療と治療を受けるようにしましょう。

女性の体への働きかけ

セロリシードは子宮刺激作用がある精油にカテゴライズされることもあります。この働きによってセロリシードは通経作用(月経促進作用)を持つ→無月経や生理不順の改善に役立つのではないかと期待されています。しかしセロリシードのどの成分が子宮刺激作用を持つのかは説明されておらず、調べた限り海外のメディアでこうした説明はほとんどなされていません。研究データも調べた限り見つかりませんでしたので民間療法の一つと言ったところでしょう。

また乳作用(母乳の出を良くする)働きがあると紹介されていることもありますが、授乳中の使用について十分なデータはなく書籍によっては授乳中の使用を禁忌としているものもあります。女性の体への働きかけについてはエビデンスも安全性評価もありませんから、妊娠中や授乳中は自己判断での使用を避けましょう。

その他に期待される作用

肌への働きかけ

セロリシードオイルは“メラニン色素の沈着を防ぐ働き(美白効果)”を持ち、シミ・ソバカスのケアに役立つ精油として一部で注目されていた時期があります。この美白効果はフタリド類の働きによるものと紹介されていますが、調べた限りセロリシード精油を塗布することでメラニン色素の生成や沈着が軽減されたという研究論文はありませんでした。

フタリド誘導体のLigustilide(リグスチリド)、セロリシードにも含まれているフタリド化合物のSedanolide(セダノリド)にメラニン産生を抑制する働きを持つ可能性が報告され、その流れで美白効果説が出たのではないかと推測します。美白精油と評される一方で、セロリシードオイルは光毒性と皮膚感作を持つ可能性が指摘されている精油でもありますから、安易な使用は避けた方が確実です。使用する場合は低濃度希釈でパッチテストを行い、使用後は紫外線を避ける・異常があったらすぐに使用を中止するようにしましょう。

セロリシードが利用されるシーンまとめ

【精神面】

  • ストレス・神経疲労
  • イライラ・ヒステリー
  • 不安・緊張・落ち着かない
  • 心のバランスを整えたい
  • リラックスしたい
  • 眠りの質を高めたい

【肉体面】

  • 消化不良・腹部膨満感
  • 食欲不振・胸やけ
  • ストレス性の胃痛・腹痛
  • 関節痛・神経痛・リウマチの緩和
  • むくみ・セルライト対策
  • デトックスサポート

セロリシードの利用と注意点について

相性の良い香り

柑橘系、ハーブ系もしくはハーブ系に近い香りのフローラル系と相性が良いとされています。さほど系統を選ばず、ブレンドしやすい香りです。

セロリシードのブレンド例

セロリシード精油の注意点

  • 妊娠中・授乳中の方、小さいお子さんへの使用は避けましょう。
  • 光毒性のある精油のため肌への使用には注意が必要。皮膚を刺激する可能性もあるため皮膚利用は控えた方が確実です。
  • 疾患がある方・投薬治療中の方は医師に確認してから利用して下さい。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。

参考元