【アロマ】プチグレン精油
-植物の特徴・精油に期待される効果効能とは?

【アロマ】プチグレン精油<br />-植物の特徴・精油に期待される効果効能とは?

ユニセックスで使いやすい、癒やし系

ビターオレンジの枝葉から抽出されたプチグレンの精油は、花から抽出されたネロリにも通じるような軽やかさを持つウッディー系の香り。香りの印象は樹木系ですが、成分的にはラベンダーにも含まれている酢酸リナリルとリナロールが多く含まれており、気持ちを落ち着けたりストレス対策の手助けとしても期待されています。ラベンダーやフローラル系精油よりも男性が身に付けたり、ビジネスシーンにも使いやすい香りです。

プチグレン(Petitgrain)

プチグレンとは

プチグレンの特徴・歴史

若干フローラル調の印象もありつつ、全体的にはウッディーな香りのプチグレン。植物名がそのまま使われている精油とは異なり、何から抽出されたのかということが分かりにくい精油の一つですね。メーカーにより色々あるようですが、プチグレンは基本的にビターオレンジの木の葉もしくは小枝から採油される精油ちなみに同じビターオレンジの木に咲く花からはネロリが、果実からはあまり用いられませんがオレンジ・ビターの精油が抽出されています。商品によっては感じにくいものもありますが、言われてみると微かにネロリに似た爽やかなフローラル&シトラス感が感じられるのではないでしょうか。爽やかで、かつ様々なニュアンスを持ち合わせていることからプチグレンの精油は香水や香料として広く使用されています。

ところで、ビターオレンジの葉から抽出される精油がなぜシンプルに“Bitter Orange Leaf(ビターオレンジリーフ)”とならず、プチグレンになったのか疑問に思いませんか。オックスフォード英語辞典によるとプチグレンの語源はフランス語で「ビターオレンジの小さな実」を意味する“Petit grain le bigaradier”という言葉。現在では葉もしくは小枝から精油を蒸留していますが、元々は未完熟で小さな緑色のビターオレンジ果実から抽出した精油を指す言葉でした。しかし時代・国を跨いでいくにつれて変化し、英語では小さな実を意味する言葉であるプチグレンがビターオレンジの葉や枝から抽出する精油を指す言葉として定着してしまったそう。当ページでもビターオレンジの枝葉から抽出された精油をプチグレンとして書かせていただいています。

さらに流通させる際に通りが良いようにということか、他の柑橘系の枝葉から抽出した精油もプチグレンと呼ぶようになり現在に至ります。現在プチグレンと付けられて製造・販売されているビターオレンジ以外の精油としてはスイートオレンジレモンマンダリンもしくはタンジェリンなどがあります。きちんとした製造元であれば“プチグレン・レモン”や“プチグレン・マンダリン”など明記することで原料植物がすぐ分かるようになっていますが、中にはプチグレンとしか表記されていないものもあるよう。そのためメーカー側も「この商品はビターオレンジが原料です」とプッシュするために“プチグレンビガラード(プチグレインビガラデ)”と表記しているケースもあります。一周回って元の呼び名に戻ったような形ですね。

こうした表記が問題視されているのは消費者に対する不誠実さだけではなく、使われる植物によって芳香も精油成分も全く別物になってしまうため。ビターオレンジから抽出されたプチグレンビガラードの場合は酢酸リナリルとリナロールが精油成分全体の50%程度を占めていますが、レモンの木から抽出したものであればリモネンとシトラールが大半・マンダリンであればアントラニル酸メチルとγ-テルピネンが50%以上を占めることが多いようです。偽和(合成成分の添加)もあるので万全とは言えませんが、購入時には学名や成分を確認するようにすると良いでしょう。ちなみに酢酸リナリルとリナロールが多くネロリに似たようなフローラル感のあるプチグレン(ビガラード)はネロリの代用品として使用されることもあり、作用もネロリと似ていると表現する方もいらっしゃいますよ。

香料原料データ

通称
プチグレン(Petitgrain)
別名
プチグレイン、ダイダイ(橙/臭橙/回青橙)、ビターオレンジの葉
学名
Citrus aurantium var. amara
科名/種類
ミカン科ミカン属/常緑低木
主産地
スペイン、フランス、イタリア、モロッコ
抽出部位
葉と小枝
抽出方法
水蒸気蒸留法
淡黄色~琥珀色
粘性
低い
ノート
トップ ~ミドルノート
香り度合い
中くらい
精油成分
酢酸リナリル、リナロール、リモネン、酢酸ネリル、酢酸ゲラニル、ゲラニオール
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ・スキンケア

ネロリに似た爽やかなフローラル感を含む、ライトなウッディー調の香り

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プチグレンに期待される働き・効能

精神面への作用と効果

プチグレンの精油は鎮静作用と高揚作用の両方を持ち、心のバランスを整えるサポートをしてくれる精油と紹介されることが多い存在。成分的にも全体の5割程度を酢酸リナリル(リナリルアセテート)とリナロールが占めていることが特徴で、この2つは共に鎮静作用をや抗うつ・抗不安作用が期待されている成分。日本で行われたラットを使った実験でも、拘束ラットにリナロールを吸引させることで抗ストレスが見られたという研究報告が2009年の『Journal of Agricultural and Food Chemistry』に掲載されています。2018年に『Journal of the Science of Food and Agriculture』に発表された中国の実験でもピーナッツの茎葉に含まれているリナロールが鎮静・催眠・抗不安作用的に機能していることが示唆されています。

酢酸リナリルとリナロールを多く含んでいるプチグレンの精油(芳香)も、不安を鎮めて気持ちを落ち着けるサポートに役立つ可能性があると言えるでしょう。ストレスによる神経性の疲労をはじめイライラ・緊張など神経系の興奮を抑えてリラックス状態をサポートする働きも期待できますし、ライトで明るい香りは気持ちが落ち込んでいる時に香らせても違和感なく受け入れやすいように感じます。また、ウッディーベースのスッキリとした香りはリフレッシュにも良いという見解もあり、ネロリなどと同じように自分の気持ちや感情を解放して気持ちを楽にしてくれる働きも期待されています。ユニセックスな印象でTPOを問わない香りですから、ストレスが多いなと感じている方は香水感覚で取り入れてみても良いかもしれません。

安眠のサポートとしても

プチグレンの精油に多く含まれている酢酸リナリルは、交感神経の興奮を鎮める働きがあると考えられています。加えてセトロニン分泌を高めることで睡眠に関わるメラトニン分泌・体内時計を整える働きも期待されており、不眠の改善にも効果が期待されています。2018年『Journal of the Science of Food and Agriculture』に発表された中国の研究でもリナロールが催眠作用を持つ可能性が示唆されていますから、合わせて安眠のお守りとしても役立ってくれる可能性があります。精油成分の含有率こそ違いますが、ラベンダーが安眠サポートによく用いられるのも酢酸リナリルとリナロールによるところが大きいと考えられていますよ。

肉体面への作用と効果

プチグレン精油は酢酸リナリルやリナロールなどの成分を含むことから、交感神経の興奮を鎮めて副交感神経の働きを高めることで呼吸や心拍ゆっくりにして体もリラックスモードに入りやすくする働きがあると考えられています。この働きからストレスや自律神経の乱れに起因する胃炎・下痢・便秘・頭痛・動悸ほか様々な不調の軽減効果が期待されています。消化促進・健胃作用を持つという説があること、民間療法の中でオレンジの葉は制吐剤や消化促進剤のように使われてきたという歴史から、特に胃腸の不調のケアに用いられることが多いようです。抗菌作用が期待できる成分も多いので風邪予防・風邪によるお腹の不調に使用する方もいらっしゃるようですが。

また、リラックス効果が期待できるプチグレンの精油は、心と身体の強張りを解してくれる精油とも称され、筋肉の強張りを軽減することで血液やリンパ液の循環を整える働きも期待されています。この働きから筋肉痛や肩こりなどの軽減や、冷え性・むくみケアなどにも取り入れられています。マウスを使った実験でもリナロールは筋肉の収縮に関与する脳内化学物質の活性を低下させたことが2000年『Pharmacological Research』に発表されており、発作や痙攣の軽減への有効性が示唆されています。リナロールには抗炎症作用や免疫賦活作用(免疫を強化する働き)を持つ可能性も報告されていますから、アレルギー性の咳や気管支炎などの呼吸器トラブル軽減に取り入れてみても良いかもしれません。ちょっと変わったところでは“しゃっくり”に効くという説もありますよ。

その他に期待される作用

肌への働きかけ

プチグレンの精油は皮脂バランス調整作用と抗菌作用が高いとされており、脂性肌やニキビ対策によく用いられています。頭皮の油分バランスを整えることにも繋がるため、頭皮の脂っぽさ・脂性髪・フケなどが気になる方にも適しているでしょう。そのほか皮膚の強壮や皮膚組織の再生を活性化する働きも期待されており、ニキビや傷跡などの治癒促進用・シミやシワなどが気になる年齢肌のケアにも取り入れられています。

加えてプチグレンの精油は殺菌・消毒作用によって雑菌の繁殖を抑えることで、デオドラントにも役立つ可能性もあります。体をさっぱりとした状態に保ってくれる精油と言っても過言ではないかもしれませんね。香りも人を選びませんし、コストパフォーマンスも良いのでアロマバスにしたり、ローションに加えたりとデイリーに使いやすい存在でもあります。肌のジットリ感やニオイの気になる時期にもおすすめです。

プチグレンが利用されるシーンまとめ

【精神面】

  • ストレス・神経疲労
  • 興奮・イライラ・緊張
  • 不安・気持ちの落ち込み
  • 気持ちを落ち着かせたい
  • リラックスしたい時に
  • 寝付きが悪いと感じる時に

【肉体面】

  • ストレス性の不調に
  • 胃腸機能のサポートに
  • 血行不良・冷え性
  • 筋肉痛・肩こり・腰痛
  • 脂性肌・体臭予防として
  • 肌のエイジングケアに

プチグレンの利用と注意点について

相性の良い香り

オリエンタル系・フローラル系との相性が良いと言われていますが、プチグレン自体に幅広い香りの要素が含まれていますので幅広い香りに合わせることができますし、アクセントとしての使用にも向いています。柑橘系のオイルと合わせると、香りに深みが出るとも言われています。

プチグレンのブレンド例

プチグレン精油の注意点

  • 妊娠中の方、小さいお子さんへの使用は避けましょう。
  • 疾患がある方・投薬治療中の方は医師に確認してから利用して下さい。
  • 車の運転時など集中力が必要なシーンでの使用は避けた方が無難です。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。

参考元

  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。