ラブダナム/シストローズ精油
アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

ラブダナム/シストローズ精油<br />アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

世界最古の天然芳香剤とも

ラブダナム/シストローズ

ラブダナム/シストローズとは

シストローズは地中海沿岸地域が原産と考えられており、葉や枝から多量の芳香樹脂を分泌する芳香植物です。植物全体はシストローズ、この樹脂をラブダナムと呼び分けるのが一般的です。ラブダナムは特殊な製法や多量の原料を必要とせずに採集でき、かつ強烈な香りを持つことから古代から使用されており“世界最古の天然芳香剤”とも言われています。

古代には儀式や祭式などの宗教的なシーンで利用されることも多かったと考えられています。聖書に記されている没薬は現在私たちが知るミルラではなく、ラブダナムのことだったとする説もあるようです。薬用植物として赤痢・カタル・下痢・月経促進などにも利用されていました。中世頃には慢性皮膚疾患などにも利用されたほか、石鹸や化粧品などの香り付けにも使われていたようです。

現在でもラブダナムはスキンケアに優れた働きを持つオイルとして、香り付け+抗菌・収斂などの目的で化粧品に利用されています。個人で利用する場合は純粋に香りを楽しむというより、手作りコスメ用の方が需要が高いかもしれません。そのほか食品や香水原料・揮発保留剤などにも利用されています。ちなみにロッククローズという別名でも呼ばれていますが、フラワーエッセンス(バッチフラワーレメディ)で利用されるロックローズはHelianthemum nummulariumという別種を使用しています。

一口に“ラブダナム”もしくは“シストローズ”と言っても、製造工程の違いで4つに分かれます。大きな違いとしては第一段階として葉と小枝から天然ゴム(クルードガム)を作るか否か。更にこの天然ゴムを溶剤抽出したレジノイド、水蒸気蒸留した精油(エッセンシャルオイル)に分かれます。また乾燥させた枝葉から直接蒸留した精油(エッセンシャルオイル)、溶剤抽出したアブソリュート(厳密に言えばレジノイド)もありますから、選ぶ際にやや分かりにくい存在と言えるでしょう。ラブダナム、シストローズ、ロックローズなど呼び名が沢山あるのですが、名称によって製法などが分かるような統一はされていません。

基本データ

通称
ラブダナム(Labdanum)
別名
シストローズ(Ciste rose)、ロックローズ(Rock Rose)、シスタス、オニカ
学名
Cistus ladanifer
科名/種類
ハンニチバナ科ゴジアオイ属/常緑樹
主産地
スペイン、ポルトガル、フランス
抽出部位
樹脂・小枝・葉
抽出方法
水蒸気蒸留法もしくは揮発性有機溶剤抽出法
水蒸気蒸留:オレンジよりの黄色~琥珀色
溶剤抽出:緑がかったオリーブ~琥珀色
粘性
高い
溶剤抽出(アブソリュート/レジノイド)は半固形
ノート
ベースノート
香り度合い
強い
代表成分
α-ピネン、カンフェン、リモネン、酢酸ボルニル、リナロール、ゲラニオール他多数
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ・スキンケア

スモーキーさの中に甘みを含む、強くて重厚な香り

こんなお悩みにオススメ

【精神面】

  • ストレス・緊張・不安
  • 気持ちを落ち着かせたい
  • 神経疲労・無気力
  • 冷静さが欲しい時に
  • 自律神経の乱れに
  • 自分と向き合いたい時に
  • 寝つきが悪い時に

【肉体面】

  • 風邪の初期症状に
  • 咳・気管支炎・鼻炎
  • 関節痛・リウマチ
  • 冷え性・筋肉のコリ
  • 脂性肌・ニキビ予防
  • 肌のエイジングケア
  • シミ・ニキビ跡・妊娠線ケア

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ラブダナム/シストローズに期待される効果・効能

ラブダナムには170種類以上もの精油成分が含まれており、産地・製造により各成分含有率に差が生じます。また非常に多くの成分を含んでいるため“微量”含まれる成分の働きについては書籍等で紹介されているもの・ないものがあります。

心への作用

気持ちを落ち着かせることで精神状態を安定させる働きに優れているとされ、ストレス・不安・緊張などの緩和に用いられます。鎮静効果によってリラックス(副交感神経活発化)することで自律神経を整える働きが期待されているほか、意識の深いレベルで心を癒す・慰めるとも言われていますのでストレスで気分が滅入っているときや無気力時、神経疲労時などにも適しているでしょう。

ラブダナムの香りは封じられた記憶や潜在意識と向き合うのに適していると考えられており、古代から宗教的な儀式や祭式の薫香として利用されてきました。ラブダナムは現在も瞑想用の香りとして使われているほか、不眠対策の香りとしても利用されています。

体への作用

鎮咳・去痰・消毒・抗炎症などの作用が考えられることから、ラブダナムは咳・気管支炎・鼻水など呼吸器系の不調、風邪のケアに有効とされています。リンパ系の強壮作用があるとする説もあり免疫力の向上(正常化)にも効果が期待されています。

また緊張を緩める働きによって自律神経を整える、血液・リンパ循環を良くして体を温め、体の強張りを解すとも言われています。そのため関節炎やリウマチの痛みを和らげる・肩こりなど筋肉のコリの緩和にも利用されています。ストレス性の胃腸トラブルの緩和などにも役立ってくれるでしょう。

女性の体への働きかけ

ラブダナムはネロールやゲラニオールなど女性ホルモン分泌に関わる成分を微量含むことから、若干の通経作用・ホルモンバランスを調整作用があると考えられています。月経不順や月経痛、月経前症候群(PMS)、更年期障害の緩和に有効とする説もあります。書籍等によっては妊娠中も利用できるとするものもありますから働きは弱いと考えられますが、念のため影響を受けやすい状態の時は使用を避ける方が無難でしょう。

その他作用

肌への働きかけ

ラブダナムは殺菌・抗菌作用、収斂作用があるとされているため、脂性肌やニキビ予防に役立つってくれます。また収斂作用に加え瘢痕形成作用が期待できることから、皮膚の再生を促す・肌代謝を向上させるなど働きもあると考えられています。肌の老化やシワ・たるみの予防改善、傷・ニキビ跡・妊娠線のケアなどに効果が期待できるでしょう。

ラブダナム/シストローズの利用について

相性の良い香り

強力な香りを持つためブレンドはやや困難です。ハーブ系・柑橘系・オリエンタル系との相性が比較的良いとされていますが、香りの系統よりもバランス(ブレンド比率)や好みが重要になってくるでしょう。

【ラブダナムのブレンド例】

ラブダナム精油の注意点

  • 妊娠中・授乳中の方は使用を避けましょう。
  • 精油の色が濃いため、衣服などに付かないように注意してください。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。