タイム・ゲラニオール精油
アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

タイム・ゲラニオール精油<br />アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

ストレスケアや抗菌用に期待

タイム

タイム・ゲラニオールとは

調理に使うハーブとしてもお馴染みのタイム。現代でもフレンチのブーケ・ガルニを筆頭に各地の料理にも用いられていますし、古代から食べ物に風味を加える存在として用いられていたとも言われています。また薬草としても最も古くから用いられてきたものの一つに数えられており、食事を作る際に使われたのも風味付けだけではなく抗菌用も兼ねていたのだとか。

日本で単に“タイム”と呼ばれて利用されているのはコモンタイム(タチジャコウソウ、T. vulgaris)ですが、タイムという言葉はイブキジャコウソウ属(Thymus)に分類される植物の総称のため、世界中には約350種と非常に多くの種類が認められています。タイム・ゲラニオールの精油はコモンタイムを原料としていますが、呼び名の通り「ゲラニオール」という成分が半分以上を占めることが特徴とされています。

ゲラニオールは“バラ様の香り”を持つとされる芳香成分のため、ハーバル感が強いタイム系精油の中で甘さやフローラルさを強く感じられる存在でもあります。またタイム・リナロールと同様にリラックス効果も期待されていること、タイム系の中では刺激性が低い部類とされていることから、お部屋の芳香剤や香水作りなどにも取り入れやすい精油と言えるでしょう。フローラル調の香りが好きな方・女性に好まれやすい香りとも言われています。パッチテスト等は必要ですが、適切に希釈すれば皮膚利用も可能とされています。

タイム精油の種類について

タイム系統の精油は一般にあまり流通していないものも含めると10種類と非常に多くの種類がありますが、系統としては大きく2つに分けることが出来ます。一つ目はコモンタイム(Thymus vulgaris)を原料とした精油で、抽出方法が異なるもの・同種ではあるものの生育環境により成分の含有率が異なる植物を原料とした“ケモタイプ”と呼ばれる精油です。もう一つは同属別種の植物を原料としたもので、レモンタイムタイムマストキナなどがこちらに該当します。

コモンタイム(Thymus vulgaris)が原料ではあるものの、含有成分が大きく異なる“ケモタイプ精油”としては

の5種類があります(※タイム・カルバクロールを入れて6種類とする説も有)。それぞれ呼び名として使われている成分含有が高いことが特徴で、精油成分の含有成分・含有比率が異なるため香りにも違いがあります。前半の3つは比較的作用が穏やかで使いやすい精油ですが、フェノール類を多く含むチモール・カルバクロールタイプは皮膚刺激性・肝毒性があるので取扱に注意が必要とされています。またコモンタイム(ホワイトタイム)やタイム・パラシメンもチモールとカルバクロールの含有率が高めになっていますので、特別な目的や理由がない限り使用は控えたほうが無難でしょう。

基本データ

通称
タイム・ゲラニオール(Thyme Geraniol)
別名
立麝香草(タチジャコウソウ)
学名
Thymus vulgaris ct.Geraniol
科名/種類
シソ科イブキジャコウソウ属/小低木
主産地
フランス
抽出部位
茎葉、花
抽出方法
水蒸気蒸留法
ほぼ無色~黄色
ノート
トップ~ミドルノート
香り度合い
やや強め
代表成分
ゲラニオール、酢酸ゲラニル、リナロール、β-カリオフィレン、ネロール
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ・スキンケア

ゼラニウムに似た、ハーバルさの中にローズ感のある香り

こんなお悩みにオススメ

【精神面】

  • 不安・気持ちの落ち込み
  • ストレス・神経疲労
  • 気持ちを高めたい
  • 集中力を高めたい
  • 気持ちを整えたい
  • 前向きさがほしい

【肉体面】

  • 感染症予防に
  • 風邪の初期症状軽減に
  • 女性のサポートに
  • 毛穴開き・皮膚のたるみに
  • ニキビ・水虫対策に
  • 空気浄化・虫よけ剤として

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タイム・ゲラニオールに期待される効果・効能

心への作用

タイム・ゲラニオールの特徴成分とされバラっぽい印象を与える成分でもあるゲラニオールは、抗うつ作用や抗不安が期待されている成分です。そのほかに含まれている酢酸ゲラニル(ゲラニルアセテート)やリナロールなどの働きと合わせて、神経系の強壮や集中力・記憶力向上などにも効果が期待されています。

成分比率は異なりますが、成分から見る系統としてはパルマローザに近いでしょう。メンタルバランスを整えるサポートとしても効果が期待できます。フローラル感のある華やかな香りですから、リラックスタイムを満喫して気分を高めたい・仕切り直したいという場面でも役立ってくれそうです。

体への作用

ゲラニオールはモノテルペンアルコール類の中でも強い抗菌作用を持つと考えられている成分で、抗菌・抗ウィルス作用も期待できます。このためタイム・ゲラニオールは風邪をはじめとする感染症予防に役立つ精油と考えられており、風邪による喉の痛みや鼻水など呼吸器系の症状軽減にも効果が期待されています。柔らかさのある香りですから、芳香剤を兼ねてお部屋に香らせるのにも適していますね。

そのほかゲラニオールにはホルモンバランスを整える・子宮強壮作用など、女性の身体に対する働きかけが期待で居るという説もあります。女性ホルモン(エストロゲン)の分泌への関与についてはハッキリしていない点もありますが、精神面への働きと合わせて更年期障害やPMS(月経前症候群)のサポートにも役立つのでは無いかと考えられています。

その他作用

肌への働きかけ

タイム・ゲラニオールは皮膚強壮や収斂作用があると考えられており、皮脂分泌の抑制や肌の引き締めなどに有効とされています。また抗菌作用・抗真菌作用が期待できる精油でもありますから、ニキビ予防やケア・水虫などの皮膚感染症対策としても効果が期待できるでしょう。

空間浄化・虫除けに

タイム・ゲラニオールの特徴成分であるゲラニオールは防虫作用があり、特に蚊が嫌う香りであると言われています。このため精油を希釈してスプレーにしたり、お部屋に香らせることで虫除け効果が期待されています。抗菌・抗ウィルス作用も期待できますから、虫除けだけではなくお部屋の空気を綺麗に保ってくれるという点でも役立ってくれるでしょう。

タイム・ゲラニオールの利用について

相性の良い香り

フローラル系との相性が非常に良く、さっぱりした印象のあるハーブ系やウッディー系の香りともブレンドしやすです。

【タイム・ゲラニオールのブレンド例】

タイム・ゲラニオール精油の注意点

  • 妊娠中の使用は避けましょう。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。