ロベージ/ラベージ/ラベッジルート精油
アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

ロベージ/ラベージ/ラベッジルート精油<br />アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

ヨーロッパではポピュラーなハーブ

ロベージ(ラベッジ)とは

ロベージは日本では馴染みのないハーブの一つで、英名“Lovage”からラベージやラベッジなど人によって呼び方も様々な存在。植物としてはセリ科に分類されており、全体的な見た目もフェンネルやコリアンダーなど同科の植物と似た印象があります。原産地はヨーロッパ説・アジア説南西部・地中海東部説など諸説あり分かっていません。原産地として有力なヨーロッパではポピュラーなハーブの一つとされており、葉・茎・種・根とほぼ全てがハーブもしくは食材として利用されています。ヨーロッパでは食品・アルコール類やタバコをはじめ石鹸や化粧品類などの“香り”としてもポピュラーで、他のハーブを紹介する時の引き合いとしても使われるほどだとか。

ロベージは古代ギリシアやローマでは既にスパイスとして利用されていたと伝えられており、古代ローマの料理レシピ集『Apicius(アピシウス)』にも記述が見られます。また古代ギリシアの医者であり、薬理学と薬草学の父とも言われるディオスコリデスも用いていたと言われています。
12世紀には中世ドイツのベネディクト会系女子修道院長でドイツ薬草学の祖とされるヒルデガルト・フォン・ビンゲン(聖ヒルデガルト)が咳・腹痛などの軽減に良いハーブとして勧めたとも伝えられています。その関係か中世では修道院の薬草園でよく栽培されていたことから「修道院のハーブ」と呼ばれることもあるのだとか。そのほか中世には種子が媚薬の材料として使われていたことから「愛のパセリ(Love Parsley)」とも呼ばれていたそうですよ。

食材としてロベージの茎部分はセロリに似た風味・食感があるため野菜としてサラダやピクルスなどに使われています。葉はセロリやフェヌグリークの葉に似た風味でハーブ・香味野菜の感覚でとしてスープなどに、種子はスパイスとしてパンやお菓子などの風味付けに利用されています。根も野菜として利用されそのまま、もしくはすりおろしてサラダにして食べられています。またハーブティーとしても古くから重宝されており、ラベージルートの根を使ったハーブコーヒーなども作られています。ヨーロッパの自然療法や民間療法の中でロベージティーは消化促進剤や利尿剤として用いられることもあるようです。

精油の場合は根から抽出されるもの・葉や種子から抽出されるものと、大きく2つの系統があります。流通しているものとしては根を原料としたもののほうがポピュラーなため、特に日本では単に「ロベージ(ラベージ)精油」と言った場合には根を原料とする精油を指すのが一般的。ただし区分するために“ロベージルート”と呼び分ける場合もあります。ちなみに葉・種子を原料とする精油は根よりも劣るという見解が強いですが、香りはロベージルートよりもライトで甘めなので好みにもよるでしょう。
ロベージの精油は基本的に赤みがかった黄色から赤褐色系の色をしていますが、蒸留したての精油は綺麗なパープルの色をしているそうです。酸化が早いので消費者の手に届く頃には褐色系の色になっているのだとか。

基本データ

通称
ロベージ(Lovage)
別名
ラベージ、ラビッジ、ラベッジ、ロベージルート
学名
Levisticum officinale
科名/種類
セリ科レビスティクム属/多年草
主産地
ドイツ、フランス、ハンガリー
抽出部位
根部
抽出方法
水蒸気蒸留法
琥珀色~オリーブ色
ノート
ベースノート
香り度合い
強い
代表成分
フタリド類(リグスティライド、ブチリデンフタライド)、ペンチルシクロヘキサディエン、β-フェランドレン、β-ピネン、α-ピネン、リモネン、ミルセンなど
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ

アンジェリカやセロリに似た、重く甘いハーバル調の香り

こんなお悩みにオススメ

【精神面】

  • ストレス・緊張・疲労感
  • 無気力感・憂鬱感
  • 気持ちの落ち込みに
  • リラックスしたい時に
  • 前向きになりたい時に

【肉体面】

  • 消化不良・胃もたれ
  • お腹のハリ・便秘
  • デトックスサポートに
  • 月経不順・生理痛軽減
  • 筋肉痛・リウマチの緩和

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ロベージ(ラベッジ)に期待される効果・効能

心への作用

重めの香りのため好き嫌いは分かれるものの、ローベジの温かみのある香りには鎮静作用があるとされており、気持ちを安定させる働きが期待されています。ストレスや緊張を和らげてくれると考えられることから精神面での疲労感や無気力感などの軽減にも役立ってくれるでしょう。また気持ちを落ち着けることで前向きさを摂り戻るサポートをしてくれるとも言われていますから、ネガティブになっている時や気持ちが落ち込んで憂鬱な時に香らせてみても良いかもしれません。そのほか催淫作用を持つ精油の一つにも数えられており、愛情を持ちたい・感じたい時に良いという説もありますよ。

体への作用

古くから消化を助けるハーブとして用いられてきた歴史もあり、ロベージは精油としても消化機能のサポートに優れた存在と考えられています。健胃・消化促進をはじめ緩下作用や駆風作用があるとされていますから、胃もたれ軽減のほかお腹の張りがある時・便秘気味の時に用いられることもあるようです。

また肝臓の働きを助ける・解毒機能を高めるという説があることや利尿作用も期待できるので、むくみ対策やデトックスサポートとしても取り入れられています。解毒機能を高めることで血液を綺麗に保つ=浄血作用がある精油として、血圧降下や痛風予防などの効果も期待されています。

女性のサポートにも

ローベジ(ラベッジ)は同じセリ科に分類される生薬の当帰(トウキ)や川芎(センキュウ)と近い働きも持つと称されることもあります。芳香成分としても当帰や川芎と同じく鎮痛や鎮痙作用を持つと考えられるリグスチリド(リグスティライド)やブチリデンフタリドなどのフタリド類が含まれており、生理痛を始めとする月経困難症の軽減に効果が期待されています。通経作用を持つ精油とされているため妊娠中の利用は出来ませんが、月経不順の緩和に繋がる可能性もあるでしょう。

その他作用

皮膚利用について

ローベジ精油は殺菌消毒作用や防腐作用があることからヨーロッパでは石鹸類などに加えられているようです。またセロリシードオイルよりもフタライド類を多く含むため抗色素沈着作用・美白効果があるとする説もありますが、光毒性があることや皮膚を刺激する可能性があるため使用には注意が必要。日本ではスキンケアなどに用いられることはほぼありません。

鎮痛・鎮痙作用などから筋肉痛やリウマチなどの痛みの緩和に有効とされており、温湿布やマッサージなどに用いられている程度です。低濃度に希釈して用いる場合でも肌が弱い方・体力が落ちていたり月のリズムなどで肌が敏感になっている場合などは炎症を起こす可能性があるため、注意して使用しましょう。

ロベージ(ラベッジ)の利用について

相性の良い香り

ローベジ精油は当サイトではハーブ系に分類していますが、香りの印象からスパイス系に分類されることもある存在。ブレンド相性としても似た印象を持つスパイス系との相性が良いとされています。また香りの強いフローラル系やハーブ系の香りとも比較的組み合わせやすいでしょう。ローベジ精油は香りがかなり強いため、ブレンド時には少量ずつ使うようにすると失敗しにくいです。

【ロベージのブレンド例】

ロベージ精油の注意点

  • 妊娠中・授乳中は使用できません。
  • 光毒性があるとされる精油のため、使用後は紫外線を避けましょう。
  • 敏感肌の方は刺激となる場合があるため使用に注意が必要です。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。