タイム・ツヤノール精油
アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

タイム・ツヤノール精油<br />アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

感染症予防などに効果が期待される

タイム

タイム・ツヤノールとは

バジルやオレガノ・ローズマリーなどと並び、料理によく利用されるハーブの一つであるタイム。薬草としても人類が最も古くから利用してきたものの一つに数えられるほど歴史が古く、紀元前から殺菌・防腐用として用いられていた事がわかっています。エジプトのミイラ作りにも利用されたそうですし、ペストが蔓延していた中世のヨーロッパでは感染防止用としても重宝されていたのだと伝えられています。

広義ではタイムと言う言葉はイブキジャコウソウ属(Thymus)に属す植物の総称で、世界中には約350種類のタイムがあると言われています。日本で単に“タイム”と呼ぶ場合はコモンタイム(タチジャコウソウ、T. vulgaris)を指すのが一般的です。タイム・ツヤノールもこのコモンタイムを原料としていますが、呼び名の通りホワイトタイムなどの精油よりも「ツヤノール」という成分を多く含むことが特徴。

製造社(メーカー)・産地等によりツヤノールをはじめとする成分含有量には差がありますが、刺激性・毒性が強いとされるフェノール類をほとんど含んでいませんので作用が比較的穏やかで使用しやすい精油と考えられています。パッチテスト等は必要ですが、適切に希釈すれば皮膚利用も可能とされています。香りはミントのような爽やかさとほのかな甘さがあり、ユニセックスにTPOを選ばす利用できる点も評価されているそう。爽やかな香りに加え、抗菌・抗ウィルス作用が高いことから気分も空気もスッキリさせたい時に適しています。

タイム精油の種類について

タイム系統の精油は一般にあまり流通していないものも含めると10種類と非常に多くの種類がありますが、系統としては大きく2つに分けることが出来ます。一つ目はコモンタイム(Thymus vulgaris)を原料とした精油で、抽出方法が異なるもの・同種ではあるものの生育環境により成分の含有率が異なる植物を原料とした“ケモタイプ”と呼ばれる精油です。もう一つは同属別種の植物を原料としたもので、レモンタイムタイムマストキナなどがこちらに該当します。

コモンタイム(Thymus vulgaris)が原料ではあるものの、含有成分が大きく異なる“ケモタイプ精油”としては

の5種類があります(※タイム・カルバクロールを入れて6種類とする説も有)。それぞれ呼び名として使われている成分含有が高いことが特徴で、精油成分の含有成分・含有比率が異なるため香りにも違いがあります。前半の3つは比較的作用が穏やかで使いやすい精油ですが、フェノール類を多く含むチモール・カルバクロールタイプは皮膚刺激性・肝毒性があるので取扱に注意が必要とされています。またコモンタイム(ホワイトタイム)やタイム・パラシメンもチモールとカルバクロールの含有率が高めになっていますので、特別な目的や理由がない限り使用は控えたほうが無難でしょう。

基本データ

通称
タイム・ツヤノール(Thyme Thujanol)
別名
立麝香草(タチジャコウソウ)
学名
Thymus vulgaris ct.Thujanol
科名/種類
シソ科イブキジャコウソウ属/小低木
主産地
フランス
抽出部位
茎葉、花
抽出方法
水蒸気蒸留法
ほぼ無色~黄色
ノート
トップノート
香り度合い
中~強め
代表成分
trans-ツヤノール、cis-ツヤノール、テルピネン4オール、y-テルピネン、β-ミルセン、リナロール
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ

ミントっぽい清涼感を持つ、爽やかな香り

こんなお悩みにオススメ

【精神面】

  • ストレス・神経疲労
  • 無気力・やる気低下
  • リフレッシュしたい
  • 気持ちを整えたい
  • メンタルの強壮に
  • ストレス抵抗力が欲しい

【肉体面】

  • 風邪・インフルエンザ予防
  • 咳・気管支炎に
  • 肝臓機能サポート
  • 血行促進・疲労回復に
  • ニキビ・マラセチア毛包炎
  • 水虫ほか皮膚感染症予防に

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タイム・ツヤノールに期待される効果・効能

心への作用

タイム・ツヤノールはタイムとミントをブレンドしたような爽やかな香りを持つことから、リフレッシュしたい時に適した精油であると考えられています。成分的には鎮静作用や副交感神経強壮作用が期待されるテルピネン-4-オール、鎮静・抗不安作用を持つとされるリナロールなども含まれていますから、ストレス対策にも効果が期待できるでしょう。

精神的・肉体的な疲労からやる気が低下してしまっている時や、無気力状態になっている時にも適した香りであると考えられています。また鎮静作用や副交感神経の強壮によって自律神経やメンタル面のバランスを整える働きも期待できます。気分をすっきりさせて精神的な強さが欲しい時・頑張りすぎて疲れてしまった時にも役立ってくれそうです。

体への作用

タイム・ツヤノールの特徴成分とされるツヤノールを筆頭に抗感染症作用や免疫強壮作用などが期待されるモノテルペンアルコール類を多く含んでいるため、抗菌・抗真菌・抗ウィルス作用または殺菌・殺真菌・殺ウィルス作用が高い精油と考えられています。このため風邪やインフルエンザ予防に有効とされていますし、テルピネン-4-オールなど抗炎症作用を持つとされる成分も含んでいることから喉の痛みや気管支炎の軽減サポートに良いとも言われています。

またtrans-ツヤノール、cis-ツヤノールは肝臓強壮作用が期待されており、肝臓の不調や二日酔いケアなどにも有効とされています。肝臓機能の働きを高めることでダイエットのサポートにも効果が期待できるかもしれません。そのほか強肝作用に加えて強壮作用や循環促進作用を持つ成分も含まれているため、疲労回復や血行改善・冷え性軽減のサポートに役立つという説もあります。

その他作用

肌への働きかけ

抗菌・抗真菌・抗ウィルス作用(殺菌・殺真菌・殺ウィルス作用)が高いとされるタイム・ツヤノールは、ニキビや水虫(白癬)・マラセチア毛包炎などの皮膚感染症対策にも効果が期待されています。クラミジアなどの性感染症に対しても有効性が期待されているようです。

そのほか抗炎症作用や免疫系を整える働きからアトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎などの軽減に有効とする説もあります。とは言えタイム・ツヤノールは皮膚刺激性は低いとされているものの、アレルギーを起こす原因にならないという訳ではありません。肌が弱い方や炎症を起こしている部分への利用は避け、しっかりとパッチテストを行ったうえで利用するようにしましょう。

タイム・ツヤノールの利用について

相性の良い香り

ユーカリ系やミント系など清涼感の強いハーブ系精油との相性が良いとされています。そのほかウッディー系やレモン様の香りを持つ精油ともブレンドしやすいでしょう。

【タイム・ツヤノールのブレンド例】

タイム・ツヤノール精油の注意点

  • 妊娠中・授乳中の方、お子様への使用は避けましょう。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。