【アロマ】クスノキ/カンファーホワイト精油
-植物の特徴・期待される効果効能とは?

【アロマ】クスノキ/カンファーホワイト精油<br />-植物の特徴・期待される効果効能とは?

衣服の防虫剤以外に、鼻詰まりにも…?

地域によっては街路樹としてもお馴染みのクスノキ。英語ではカンファーツリーなどとも呼ばれるように、衣服の防虫剤「樟脳」の原料としても使われていた歴史があります。クスノキ精油もしくはホワイトカンファーとも呼ばれる精油は、樟脳と聞いて想像するツンとする独特な香りは弱めで、ウッディーかつハーバルな印象。防虫以外にも鼻詰まり軽減や風邪予防、関節痛やリウマチなどのケアにも期待されていますよ。

カンファー(クスノキ)

楠(クスノキ/カンファー)とは

クスノキの特徴・歴史

カンファーツリー(camphor tree)という英名のイメージ通り、鼻の奥を刺すようなシャープで清涼感ある香りが特徵のクスノキ。日本人にとっては“樟脳(しょうのう)”という名のほうが印象強いかも知れません。樟脳という言葉は分子式がC10H16Oとなる二環性モノテルペンケトンに含まれる芳香成分を指す言葉ではありますが、かつて樟脳はクスノキの枝葉を水蒸気蒸留することで製造していました。カンフルもしくはカンファーというのも同じ様に芳香成分を指しますが、逆転するような形で原料となるクスノキを指す言葉としても使われるようになったようです。

そんなクスノキ(樟/楠)はシナモンと同じくクスノキ科ニッケイ属に分類される樹木で、ローズウッドの代用として注目されているホーリーフはクスノキの変種もしくは亜変種とされています。それぞれ香りは違いますが、ニッケイ属の植物は世界各地で香料として親しまれている存在と言えますね。そんなニッケイ属の樹木であるクスノキの原産は台湾・中国・ベトナムなど東アジアの温暖な地域と考えられています。

日本でもくすのきは史前帰化植物に数えられるほど古くに渡ってきた存在であり、関東南部以西、特に温暖な九州・四国に多く自生しています。日本では古くから仏像・仏教建設の材料としてクスノキを使用し、防虫剤としても活用してきた歴史があります。木材としてだけではなく伝統医療の中で薬として使用されてきた歴史もあり、抽出されたカンファー(樟脳)が強心剤として利用されていた時期もあります。駄目になってしまったものを蘇生させる手段を「カンフル剤となる」という比喩で表現するのもその名残。ただし現在は強心剤にカンファーは使用されていません。

ちなみにクスノキという名前の由来については、木全体が芳香を放っていることから「臭し(くすし)」が語源とする説、「薬の木」がクスノキになったとする説などがあります。呼び名の由来や樟脳の原料と聞くと、衣服などの防虫剤として利用されていた樟脳の香りを思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。あの一般的に「樟脳臭い」と嫌われるキツイ香りは、実は樟脳ではなくナフタリンによる刺激臭であることが多いのだとか。天然樟脳やホワイトカンファーの精油はそこまでキツイ香りではないですし、衣類にガッチリと香りが染み付くこと無いと言われていますよ。

ラヴィンサラとクスノキの違い

クスノキの学名はCinnamomum camphoraとされています。精油を購入する際には学名を確認しましょうとはよく言われますが、クスノキの精油はちょっと難しい存在。というのもラヴィンサラと呼ばれている精油も原料を確認すると学名Cinnamomum camphoraと書かれているものがあります。ラヴィンサラはラベンサラ(Ravensara aromatica)と混同されてきた歴史があるため、未だに呼び名と学名がぐちゃぐちゃになっている精油。ラヴィンサラ=Cinnamomum camphoraについても誤表記なのではないかと思いそうになりますが、こちらが正解です。ではラヴィンサラ=クスノキ(カンファー)なのかと言えば、精油の場合は別物と表現したい存在でもあります。

ラヴィンサラとクスノキの精油では成分比率が異なり、香りの印象も異なっています。これは樹木の育つ土地・気候によって芳香成分が異なっているため。ホーリーフの場合は植物としてもクスノキの変種として区分されていますし、リナロールとリモネンが主体で芳香も全く異なるので分かりやすいですね。ラヴィンサラとクスノキについてはケモタイプ精油として扱うという見解もありますが、それぞれ独立した精油として扱われてきた事もあってかクスノキ精油(ホワイトカンファー)、ラヴィンサラ精油という商品名で販売されているのが主となっています。見分けは成分量のカンファー含有率で。

また、精油として一般的に単に「カンファー」と呼んだ場合は再蒸留されたホワイトカンファーのことを指します。そのほかに蒸留する際の温度によってブラウンカンファー、イエローカンファー、ブルーカンファーなどのオイルも抽出されますが、ホワイトカンファー以外のオイルは毒性のあるサフロールという物質が含ませているため使用しません。

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香料原料データ

通称
カンファー・ホワイト(Camphor Whitet)
別名
クスノキ(樟/楠)、カンファーツリー(camphor tree)、カンファーローレル(camphor laurel)、樟脳(カンフル/カンファー)、樟脳油など
学名
Cinnamomum camphora
科名/種類
クスノキ科ニッケイ属/常緑高木
主産地
日本、台湾、中国、インドネシア、マダガスカル
抽出部位
木、枝
抽出方法
水蒸気蒸留法
無色~淡黄色
粘性
低い
ノート
トップノート
香り度合い
強い
精油成分
カンファー、1,8-シネオール、リモネン、α-ピネン、ミルセン、テルピネン4オール、α-テルピネオール、サフロールなど
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ・スキンケア・ヘアケア・消臭・防虫

鼻の奥を刺激するような、シャープで爽快感のある薬品系の香り

楠(カンファー・ホワイト)に期待される働き・効能

精神面への作用と効果

日本のクスノキを原料としたカンファーホワイトは、樟脳もしくはメンソールに例えられる薬品系の清涼感ある香りが特徵です。ブラックペッパーにも通じるスパイシーさのある香りは、脳や神経を刺激して頭をスッキリとさせることで認識力や集中力を高めつ働きが期待されています。無気力状態や気分が落ち込んでいて、自分を鼓舞したい時にも役立ってくれそうですね。

またシャープな印象で刺激的な印象のある香りですが、鎮静作用も持ち合わせているという説もあります。ストレスや緊張などで過剰に神経が興奮している時にはリラックス方向に働くことで、イライラや神経過敏のような状態の時のサポーターとしても期待されています。この働きから精神のバランスを整えるのに適した精油であるという見解もあり、気持ちを安定させてメンタル面での強さを与えてくれる香りとしても用いられています。ただしカンファーはケトン類であり、高濃度や長時間の使用は脳神経に悪影響を与える危険性も指摘されていますから、使用には注意が必要です。

肉体面への作用と効果

カンファーが伝統医療の中で薬として用いられていた理由として、呼吸器系・循環器系に対して刺激作用を持つ可能性が挙げられています。鬱血除去薬(充血除去薬)のような形で作用することで鼻詰まりを改善する働きが期待されていますし、鎮咳・消炎作用を持つと考えられる事と合わせて咳・気管支炎などの呼吸器系の不調緩和にも取り入れられています。ホワイトカンファーの染み透るような香りは気持ち的にもスッキリしますしね。

そのほか血行促進作用によって体を温める・解熱を促すためにも使用されています。ホワイトカンファー全体としてはカンファー以外にも1,8-シネオールやリモネンなど抗菌・抗ウィルス作用が期待できる成分が多く含まれています。呼吸器系のケアや血行促進作用と合わせて風邪やインフルエンザ予防・初期症状ケアにも役立ってくれるでしょう。鼻詰まりや咳のケアにはキャリアオイルに希釈して、胸と背中のマッサージに用いられることが多いようです。

痛み・ストレス性の不調にも

抗炎症作用や鎮痛作用が期待できる精油として、カンファーホワイトは筋肉痛やリウマチ、神経痛、関節炎、肩こり、腰痛、頭痛など様々な痛みの緩和用にも利用されています。精神面への作用から様々な心身症(ストレスや葛藤など心理的要因が原因で起こる肉体的な不調)の緩和を手助けしてくれるという見解もあり、精神的なものに影響する腹痛や下痢・過敏性腸症候群などにも効果が期待されていますよ。過換気症候群や月経前症候群や月経痛などもストレスによって症状が悪化すると考えられていますから、ストレスケアを兼ねて予防・軽減策として取り入れてみても良いかも知れません。

その他に期待される作用

肌への働きかけ

樟脳(カンファー)は消炎・鎮痛作用を持つ成分として、かゆみ止めや皮膚炎症ケアの軟膏などにも利用されてきました。その他に抗菌作用や皮脂分泌調整作用が期待できることと合わせてニキビや吹き出物の予防・ケアに使用されることもあります。伝統的な利用と合わせて火傷や日焼け後の肌のケアにも良いと言われていますが、敏感になっている箇所に自己判断で使用する場合は炎症を悪化させてしまう可能性もあるためお勧めできません。

また2015年にはカンファーに肌のエラスチンおよびコラーゲン産生を増加させる働きによって、傷や紫外線誘発性のしわ治療に対しても有効性を示唆した報告もなされています。この研究は動物実験段階ですし、データが少ないため断定できるものではありませんが、アンチエイジング・エイジングケアに役立つ可能性を持つ成分としても注目されつつあるようです。

防虫剤としても

樟脳(カンファー)は昆虫忌避作用がある成分として、衣類の防虫剤の原料に用いられてきました。古代にクスノキが仏像・仏教建設の材料として利用されていたのも、防虫性が高いためではないかという見解がありますよ。現在でもカンファーは衣服につくカツオブシムシやイガなどの虫が嫌う香りとして活用されていますし、衣服を食べる虫だけではなくゴキブリ(チャバネゴキブリ)が忌避するという報告もなされています。

樟脳と言えば「使っていたな」と分かるくらい衣服に香りが染み付いてしまうのがデメリット。ですが合成されたものではなく天然の樟脳・ホワイトカンファー精油を利用する場合、衣服に香りが染み付いてしまう可能性は低いとされています。スプレーやコットンに染み込ませるなどして衣服の近くで香らせておくと良いでしょう。ゴキブリが出没しやすい衣装箱と衣装箱の間などにも良いかもしれません。

カンファー・ホワイトが利用されるシーンまとめ

【精神面】

  • ストレス・精神疲労
  • 抑鬱・不安・無気力
  • 神経過敏・イライラ
  • ヒステリックになりがち
  • 頭をすっきりさせたい
  • 心を強く持ちたい

【肉体面】

  • 鼻詰まり・咳
  • 風邪予防やケアに
  • 冷え性・血行不良
  • リウマチ・神経痛・関節炎
  • 脂性肌・ニキビ対策に
  • 虫除け・防虫剤として

楠(カンファー・ホワイト)の利用と注意点について

相性の良い香り

クスノキの精油はシャープで清涼感のある香りが特徵のため、同じ様な印象のあるハーブ系・樹木系の香りのものと良く合います。そのほかスパイス系精油や柑橘系もしくはシトラス調の香りともブレンドしやすいでしょう。

カンファー・ホワイトのブレンド例

カンファー・ホワイト精油の注意点

  • 妊娠中・授乳中の方、お子さんへの使用は避けましょう。
  • てんかん・喘息のある方は使用を避けるか、医師に相談しましょう。
  • 高血圧・肝疾患ほか持病のある方は医師に相談しましょう。
  • 使用量が多い場合、痙攣や吐き気を引き起こす場合がありますので注意してください。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。

参考元