ブルーサイプレス精油
アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

ブルーサイプレス精油<br />アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

アズレン誘導体を含む樹木系として注目

ブルーサイプレス

ブルーサイプレスとは

ブルーサイプレスは主にオーストラリアの北端部に生息するヒノキ科樹木から作られる精油です。呼び名はグアイアズレン(Guaiazulene/ガイアズレンとも)と呼ばれる、カモミール・ジャーマンなどに含まれているカマズレンと同じ“アズレン誘導体”を含み、青色をしていることに由来します。この色は樹木自体の特徴ではないためブルーサイプレスと呼ぶのは基本的には精油のみ。樹木そのものはノーザンサイプレスパインやオーストラリアヒノキと呼ばれています。ちなみに木材としても内装から外装まで幅広く利用されており、シロアリに強いこと・ハードサイプレスとも呼ばれるように硬度が高いことからオーストラリアではよく利用されているそう。

原産国であるオーストラリアの原住民たちは古くからこの木を燃やして虫除けにしたり、鎮痛剤や洗浄剤として利用していたと伝えられています。香料(精油)としてブルーサイプレスが世界的に有名になったのは、2000年開催のシドニーオリンピック「シドニー五輪の香り」として採用されたことがきっかけだったと言われています。その前の1996年にアトランタオリンピックでアスリート達が使用していたブルーサイプレスとグレープフルーツをミックスしたアロマスプレーが好評だったため、シドニーオリンピックで正式に採用されることとなったのだとか。

またブルーサイプレスはアズレン誘導体を含む樹木系唯一の精油としても注目を集めています。しかし需要に対して生産量が少ないこと・見た目を美しく保つためなどから、色素化合物が添加された偽和精油が多いことも指摘されています。ちなみに長期間置いておいても色が変化しない精油は偽和の可能性が高いのだとか。本物のブルーサイプレスの流通量はかなり少ないと推測されますから、皮膚利用を考えている方であれば別の精油を選んだほうが確実かもしれません。

参照:真正ブルーサイプレスの入手

サイプレスの種類について

ブルーサイプレスやノーザンサイプレスパインなど“サイプレス”が付きますが、精油として一般的に用いられるサイプレス(イトスギ)とはヒノキ科であるものの別属になります。同じくヒノキ科で“属”が異なる精油原料植物としてはヒノキシダーウッド・バージニア(レッドシダー)がありますし、抽出部位が異なりますがジュニパーもヒノキ科ですから、サイプレスと特に近い存在であるとは考えないほうが良いでしょう。香りとしてもサイプレスが軽めで爽やかな印象であるのに対し、ブルーサイプレスは甘さやスバイシーさを含む芳醇な印象で「サンダルウッドに雰囲気が似ている」と称されることもあります。

基本データ

通称
ブルーサイプレス(Blue Cypress)
別名
ABCオイル(Australian Blue Cypress oil)、Northern Cypress Pine(ノーザンサイプレスパイン)、オーストラリアヒノキ、豪州桧(ゴウシュウヒノキ)
学名
Callitris intratropica
科名/種類
ヒノキ科カリトリス属/針葉樹
主産地
オーストラリア
抽出部位
木部、樹皮
抽出方法
水蒸気蒸留法
緑がかった青色
粘性
高い
ノート
ベースノート
香り度合い
代表成分
グアイオール、グアイアズレン、カマズレン、ブルネソール、セリネン、ミルテン酸
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ・スキンケア

微かにハチミツのような甘さを感じるウッディーな香り

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こんなお悩みにオススメ

【心身のサポート】

  • ストレス・神経疲労
  • 情緒不安定・不眠
  • 咳・喉の痛み
  • 花粉症の軽減
  • 風邪・インフルエンザ予防

【皮膚のケア】

  • 傷・火傷のケア
  • 肌荒れ・乾燥対策
  • 筋肉痛の緩和に
  • 関節痛・リウマチ
  • 虫除け・虫刺されケア

ブルーサイプレスに期待される効果・効能

心への作用

ブルーサイプレスの香りはストレスや神経の緊張を解きほぐすサポートをしてくれると言われています。情緒不安定さや神経性の不眠の軽減効果が期待されており、安心感がほしい時に適している・頭を冷やすことで思考をクリアにすると言う説もあります。

体への作用

ブルーサイプレスの代表成分であるアズレン誘導体(グアイアズレンなど)には抗ウィルス作用や抗炎症作用・抗アレルギー作用に優れているとされています。そのためブルーサイブレスを拡散することで喉の痛みや咳などの炎症軽減、花粉症の症状軽減など呼吸器系の不調に効果的と考えられています。風邪やインフルエンザなど呼吸器感染症の予防やケアにも役立ってくれるでしょう。

その他作用

皮膚への働きかけ

ブルーサイプレスの“ブルー(青色)”の元となっているアズレン誘導体(ガイアズレンやカマズレン)は抗アレルギー・抗ヒスタミン・抗炎症作用などが報告されています。またカモミール・ジャーマンと同じく皮膚組織の再生を促す働きを持つと考えられるため、ニキビ・傷・火傷などの治癒促進にも効果が期待されています。

日本では流通・使用例も少ないためハッキリとは分かっていませんが、欧米では皮膚に潤いを与える働きがあるとも言われているそうです。また紫外線吸収作用を持つとして日焼け止めや化粧品類にも取り入れられています。抗炎症作用から肌荒れ・皮膚炎症のケアにも役立つと考えられますが、人によっては炎症を起こす可能性もありますので必ずパッチテストを行うようにしましょう。

筋肉痛ケア・虫除けに

アズレン誘導体(ガイアズレンやカマズレン)は抗炎症作用を持つことから、マッサージオイルに加えて利用することで筋肉痛や関節痛・リウマチなどの痛みを軽減する働きも期待されています。そのほか虫除けや虫刺されのケアにも有効とされていますが、ブルーサイプレスは希少で価格も高めの精油ですからラベンダーやティトリーなど別の精油を使ったほうが現実的でしょう。

ブルーサイプレスの利用について

相性の良い香り

柑橘系全般と相性がよく、フローラル系や樹木系とも比較的ブレンドしやすい香りです。

【ブルーサイプレスのブレンド例】

ブルーサイプレス精油の注意点

  • 妊娠中・授乳中の使用は避けましょう。
  • ペット、特に猫に有毒である可能性があると言われています。ペットを飼われている方は使用を避けるか獣医に相談の上で利用するようにしましょう。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。