スパイクラベンダー精油
アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

スパイクラベンダー精油<br />アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

リフレッシュ効果や呼吸器系のサポートが期待

スパイクラベンダー

スパイクラベンダーとは

スパイクラベンダーはラヴァンドラ属の植物で、外見は真正ラベンダーとよく似ていますが背丈がやや高い・葉の幅が広く大きい・花が小さく淡い色をしていることが特徴とされています。種子名の“latifolia”も広い+葉を意味するラテン語が語源で、英語ではBroadleaved lavender・日本語では広葉(ヒロハ)ラベンダーとも呼ばれています。時に「男のラベンダー(male lavender)」と呼ばれることもありますが、これは生育条件的に他のラベンダーよりも強靭であるためとも、クッキリとした香りが男性らしいからとも言われています。

ラベンダー属の植物は古くからヨーロッパ各地で盛んに利用されていましたが、中世頃までは真正ラベンダーとスパイクラベンダーは区分されていなかったそう。ラベンダーは古代ローマ人が芳香剤・石鹸・料理用ハーブなどに活用していたこと、洗剤などに使われていたため“洗う”を意味するラテン語(lavo/lavare)が語源になったという説などが知られていますが、古代では区別されていなかった可能性が高いのでスパイクラベンダーも使われていたのかもしれませんね。

スパイクラベンダーと聞くと、ラベンダーの粗悪品のような印象を抱かれる方もいるようです。確かにスパイクラベンダーはカンファーの香りを含むことから香りとしては劣ると評価さることが多いですし採油率が高く安価であることから真正ラベンダーの偽和剤として利用されている事もあります。ただし近年はスパイクラベンダー香り・ラベンダーとは異なる身体への働きかけがあると考えられ、ラバンジンなどと同じくしっかりとした精油の種類として認められています。メーカーにもよりますが数ml単位の小売であれば、そこまで大きな価格差もありません。ちなみに同じスパイクラベンダーでも、フランス産のものは香りが強いもののやや柔らかい印象・スペイン産のものはカンファー感が強くよりクッキリした印象のものが多いとも言われています。

ラベンダーの種類について

ラベンダーと呼ばれる精油は数多くしていますが、品種による大きな区分としては

の大きく4つに区分されます。

このうち一般的にハーブ・精油として「ラベンダー」と呼ばれているのは真正ラベンダーで、フローラル感のある穏やかで優しい香りを持ちます。フレンチラベンダーはカンファー感が強くよりフレッシュな香りが特徴とされています。スパイクラベンダーもカンファーを含み清涼感がありますが、ラベンダーっぽさも残っているという中間的な位置付け。“真正ラベンダーの香りを強くハッキリとさせた”ような感じと称される事もあります。

植物分類ではラベンダー属を亜種・節と更に細かく分類します。この分類では真正ラベンダー・スパイクラベンダー・交雑種であるラバンジンはラヴァンドラ亜種スパイカ節とかなり近い存在とされていますが、フレンチラベンダーはストエカス節という別節に区分されています。香り・成分の違いもそう考えると納得ですね。

基本データ

通称
スパイクラベンダー(Spike Lavender)
別名
ラベンダー・スピカ(Lavender spica)、広葉ラベンダー(Broadleaved lavender)
学名
Lavandula latifolia
Lavandula spica
科名/種類
シソ科ラヴァンドラ属/半木本性植物
主産地
フランス、スペイン、イタリアなど
抽出部位
花(※葉・茎など全草を使う場合も有)
抽出方法
水蒸気蒸留法
ほぼ無色~淡い黄色
ノート
トップノート
香り度合い
ラベンダー類の中では強い
代表成分
リナロール、カンファー、酢酸リナリル、テルピネン-4-オール、酢酸ラバンデュリル、、1,8-シネオール
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ・スキンケア・ヘアケア

フレッシュでシャープな、クッキリとしたハーブ調の香り

こんなお悩みにオススメ

【精神面】

  • リフレッシュ用に
  • ストレス・不安
  • イライラ・緊張
  • 気持ちを落ち着けたい
  • 神経疲労・落ち込み時
  • 気持ちを切り替えたい
  • 気分をスッキリさせたい

【肉体面】

  • 咳・喉の痛みに
  • 気管支炎・喘息の軽減
  • 風邪・インフルエンザ予防
  • 風邪の初期症状ケアに
  • 肩こり・腰痛・筋肉痛
  • 関節痛・神経痛・リウマチ
  • 皮膚炎症のケア
  • 虫除け・空気浄化

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スパイクラベンダーに期待される効果・効能

心への作用

ラベンダーの香りはリラックスという印象がありますが、カンファーを含みシャープな香りを持つスパイクラベンダーは気分をスッキリとさせるリフレッシュ効果に優れていると考えられています。ただし神経系の鎮静や抗うつへの働きかけが期待されるリナロールも真正ラベンダーと同等以上の比率で含まれていますから、ストレスや神経疲労の緩和などにも役立ってくれるでしょう。

スパイクラベンダーも神経性の緊張や興奮を落ち着ける・不安を和らげるなどの働きが期待できますが、真正ラベンダーと比較した場合はそうしたリラックス面の働きはやや劣るとされています。ゆったりとリラックスしたいときや眠りのサポートよりは、頭や気分が重い・イマイチやる気が出ないけれど仕事や勉強をしないと…というような活動時のリフレッシュ&ストレス軽減に合う精油と言えます。

体への作用

スパイクラベンダーの精油成分のうち約半分を抗菌・抗ウィルス作用が期待されるリナロールが占め、抗菌・抗ウィルス作用や抗炎症・免疫力亢進作用などが期待されている1,8-シネオールも若干含んでいます。このため風邪やインフルエンザの予防や、咳や喉の痛みなど呼吸器系への働きかけに優れていると考えられています。気管支炎や喘息の軽減にも有効とされています。

またカンファー(ケトン類)も刺激性や神経毒性などのマイナスイメージを持たれがちですが、強心作用による血行促進効果や鎮痛・消炎作用など有用な働きもあると考えられています。この働きから血行不良による肩こりや腰痛などの筋肉のこわばり、関節痛・神経痛・リウマチなどの痛み軽減用としても効果が期待されています。

その他作用

肌への働きかけ

殺菌消毒作用や抗炎症作用があるため、ニキビや湿疹・吹き出物などのケアに役立つと考えられています。虫刺されの痒み緩和、日焼け後のケアなどにも役立ってくれるでしょう。水虫予防や頭皮のかゆみ・フケなどにも良いと考えられています。そのほか皮膚細胞の成長を促す働きがあるという説もあり、傷跡や火傷痕のケアなどにも利用されています。

スパイクラベンダーに感作作用は無いと言われていますが、真正ラベンダー精油よりも刺激性は高いと考えられます。原液塗布は出来ませんので希釈濃度に注意し、いきなり顔など皮膚の薄い部分や炎症部位に塗らないようにしましょう。成分的に特に皮膚利用に向いている精油ではありませんので、手作りコスメなどへの利用がメインであれば真正ラベンダーの利用をおすすめします。

天然の防虫剤に

防虫作用があるとされるカンファーとリナロールの含有率が高いスパイクラベンダーは、お部屋やタンスの虫除けとしても役立つと考えられています。お好みに合わせて防虫作用があるとされる他精油と組み合わせることで相乗効果が期待できますし、抗菌・デオドラントにも役立ってくれるのでお部屋の空気浄化にも繋がります。

スパイクラベンダーの利用について

相性の良い香り

香りが強いため量に注意が必要ですが、香りとしては様々な系統と合わせやすい存在です。特に柑橘系・ハーブ系もしくはハーブ寄りのフローラル系と相性が良いです。

【スパイクラベンダーのブレンド例】

スパイクラベンダー精油の注意点

  • 妊娠中・授乳中の方、癲癇の方は使用を避けましょう。
  • 高濃度での利用は刺激性があるため、使用量に注意が必要です。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。