コウヤマキ(高野槇)精油
アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

高野山の霊木とも言われる、日本固有種

Sciadopitys verticillata 8zz

コウヤマキ(高野槇)とは

フレッシュな森林系の香りを持つ、国産精油として注目されているコウヤマキ。樹木としては和歌山県にある真言宗の総本山“高野山”の周辺に多く生えていることが知られており、コウヤマキ(高野槙/高野槇)という呼称も高野山に由来しています。ヒノキ・サワラ・アスナロ・ネズコと共に「木曽五木」としても有名ですね。
コウヤマキは植物分類でかつてはスギ科に分類されていたこともあるそうですが、現在ではコウヤマキ科に独立して扱われ一科一属一種とされています。コウヤマキは別名ホンマキ(本槙/本槇)とも呼ばれているため近縁種があるように感じますが、一般的に“マキ”と呼ばれているのはマキ科のイヌマキという種なので全く別物。

現在でこそ日本固有種とも呼ばれるコウヤマキですが、かつては北半球に多く分布していたと考えられています。しかし北米やヨーロッパなどでは新第三紀~更新世にかけて絶滅し、現在では日本と済州島のみ残存していると言われています。このためイチョウとともに生きた化石と称されることもあります。絶滅を免れた日本では古くから木材として利用されており、『日本書記』や『古事記』などの文献では杉・ヒノキ・クスノキ・コウヤマキが日本で最初に生まれた樹木として登場しています。伝説ではコウヤマキがスサノオノミコトのお尻の毛から変化して出来た樹木とされているのだとか。余談ですこの伝説ではがスサノオの髭は杉・胸毛がヒノキ・眉毛がクスノキにと、全ての樹木は彼の体毛から出来たとされています。

またスサノオは「スギとクスノキは舟に、ヒノキは神殿に、コウヤマキは棺に使うように」と言ったとされており、実際に古墳からもコウヤマキを木棺材として用いたものが出土しています。もちろん棺以外にも建材として広く利用されてきた樹木で、現在でも腐りにくい性質から湯船材・橋梁材として高く評価されています。そのほか高野山では霊木とされており、周辺地域では花の代わりにお墓・仏前の“お供え”として用いられることもあるそう。また近年では大阪歯科大学からコウヤマキ抽出物に殺菌作用があることが報告されており、オーラルケア用品にも使われています。

霊木として愛され、また様々な用途があるコウヤマキですが、個体数が激減していることから地域によっては準絶滅危惧種として指定されています。精油の原料は枝葉のため木を切り倒す訳ではありませんが、1kgから1mlと採油率が低いこともあり希少な精油とされています。このため同じ和アロマでもヒノキなどと比べると流通量や知名度は劣りますが、日本の航空会社がファーストクラス用のおしぼりの香り付けに使ったとTVで報じられたことなどから注目が高まっているようです。香りとしてはクロモジヒノキなどの森林系和アロマの中でもシャープな印象が強く、フレッシュでありながらも芯の太さを感じます。

基本データ

通称
コウヤマキ(高野槇/Kouyamaki)
別名
本槙(ホンマキ)、Japanese Umbrella-pine
学名
Sciadopitys verticillata
科名/種類
コウヤマキ科コウヤマキ属/常緑針葉樹
主産地
日本(和歌山県)
抽出部位
葉、枝
抽出方法
水蒸気蒸留法
ほぼ無色~淡黄色
ノート
ミドルノート
香り度合い
中くらい
代表成分
α-ピネン、リモネン、ミルセン、β-カリオフィレン、セドロール、セドレンなど
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ

フレッシュさと奥行き感を持ち合わせた、荘厳な森の香り

こんなお悩みにオススメ

【精神面】

  • ストレス・緊張
  • イライラ・興奮
  • 神経疲労・疲労感
  • 心を強く持ちたい
  • 気持ちを落ち着けたい
  • リラックスしたい
  • 眠りのサポートに

【肉体面】

  • ストレス性の不調に
  • 食欲不振・消化不良
  • 血行不良・むくみ
  • 冷え・冷えによる痛み軽減
  • 肉体疲労・筋肉痛軽減
  • 免疫力アップ・風邪予防
  • デオドラント(消臭)に

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コウヤマキに期待される効果・効能

心への作用

コウヤマキ精油の主成分はヒノキなどと同じくモノテルペン炭化水素類のα-ピネンで、比率としては7割近くとヒノキ以上のα-ピネンを含んでいると考えられています。α-ピネンは森林浴効果を持つと称されている成分であり、リフレッシュ効果や強壮効果が期待されています。このためコウヤマキの精油は鎮静・強壮作用によってイライラや興奮を鎮め、心を落ち着けてくれる働きがあると考えられています。精神的な緊張やストレスが多いなぁと感じる時、心が疲れていると感じている時のサポートとして役立ってくれるでしょう。

香りも好き嫌いの少ないスッキリとしたウッディー系で、和精油でもあるだけに懐かしさがありホッとする香りでもありますね。またメーカーによって成分分析表に記載されているもの・されていないものがありますが、セドロールという成分も自律神経系に作用し肉体・精神ともにリラックス状態を作り出すサポートをしてくれると考えられています。嗅ぐことで脳波のα波の増加が見られたという報告もなされていますから、リラックスタイムやお休み時の香りとして取り入れてみても良いでしょう。

体への作用

ストレスサポートとして高い効果が期待されるため、コウヤマキは心因性の不調軽減に役立つと考えられています。セドロールも嗅ぐと心拍数・呼吸数・血圧を低下させる働きがあるのではという説がありますから、精神面に起因する動機や高血圧などの緩和に繋がる可能性もありそうですね。また若干ではありますが健胃・消化促進・整腸など胃腸機能サポートに役立つとされるリモネンも含まれていますから、消化不良・胸のつっかえ感・食欲不振などの軽減にも効果が期待できるでしょう。

加えてコウヤマキ成分の主成分と言えるα-ピネンは血行促進や鬱滞除去作用があるとされている成分。このため血液循環を促すことで冷え性やむくみの軽減、血行不良によって悪化する腰痛や神経痛などの痛みの緩和に役立つと考えられます。α-ピネンには強壮作用も期待できることから、血行促進と合わせて肉体面の疲労回復を促す働きも期待できるでしょう。そのほかα-ピネンには抗菌作用や免疫機能賦活作用を持つ可能性も報告されているため、風邪やインフルエンザ予防としても期待されています。

その他作用

皮膚利用について

コウヤマキ精油はスキンケアなど用いられることはほぼありません。抗菌作用・消臭作用が期待出来ることからデオドラント用としてアロマバスなどに加えると良いと言われています。ただし主成分であるα-ピネンは皮膚への刺激性が強いことが指摘されている成分のため使用には注意が必要。お湯に精油を垂らすのではなく、湯船の外に小皿を置くなどした方が無難でしょう。敏感肌の方の場合では蒸気でも皮膚に刺激を感じる場合がありますので、使用量や濃度に特に注意して下さい。

コウヤマキの利用について

相性の良い香り

ウッディー系と相性がよく、ブレンドすることでより“森”っぽさのある深い香りを楽しむことが出来ます。そのほか柑橘系全般とも相性がよく、ハーブ系とも比較的組み合わせやすいでしょう。

【コウヤマキのブレンド例】

コウヤマキ精油の注意点

  • 妊娠中・授乳中の方、小さいお子さんへの使用は避けましょう。
  • 高濃度での使用は皮膚を刺激する場合があるため肌の弱い方は使用に注意が必要です。

  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。

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