バルサムファー/カナディアンファー精油
アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

バルサムファー/カナディアンファー精油<br />アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

風邪・インフルエンザ予防にも役立つ木の香り

バルサムファー/カナディアンファー

バルサムファーとは

バルサムファーの原料となるバルサムモミ(カナディアンファー)は北米原産のモミ属針葉樹で、カナダに多く見られることが知られていますがアメリカ北部にも自生しています。アメリカ北部のインディオたちはバルサムファーの樹脂を医薬品として・木を家屋や船などの建材として利用した他、宗教儀礼などにも利用していたそうです。また精油は主に枝・葉を水蒸気蒸留したものが利用されますが、樹皮から樹脂を取り出したものから抽出される場合もあります。合成樹脂が定着する以前、光学ガラスやレンズの接合にも利用されていました。
ちなみにクリスマスツリーは“モミの木”を利用しますが、バルサムモミはモミの中でも背が高く形が良いことから“クリスマスツリー用として最も人気のあるモミの木”とも言われているそうです。聖書に登場する「ギリアド・バルサム」として紹介されることもありますが、こちらはCopaifera opabalsamumという別種(コパイバの一種)とする説が有力です。

バルサムファーやカナディアンバルサムなど呼び名に“バルサム”が付き・種子名もbalsameaとなっていますが、これはバルサムのような香りを持つことに起因しています。樹脂は松脂に近い香りを持つとされていますが、アロマ(芳香用)としては葉や枝から採油されたもの精油が主に利用されています。葉枝を原料とする精油はスッキリとしてウッディー系の中でもクセがなく、爽やかで好き嫌いのない香りのため男性用・ユニセックスの香水原料としてもよく利用されています。また洗剤や石鹸などの化粧品、一部飲料などの食品にも利用されています。バルサムという呼び名から身構えてしまう方も居るようですが、苦手意識を持つことなく取り入れて頂きたい精油です。

モミの木の精油について

モミ属には精油原料として利用されている樹木が数多く存在しますが、アメリカ大陸産のバルサムファー、ヨーロッパ原産のシルバーファー(学名Abies alba)の2種が香料としては高く評価されています。モミ属の樹木(針葉)から採油されたオイルを総称して「アビエスオイル」と呼ぶこともありますが、日本でアビエスオイルというとシベリアファー(学名Abies sibirica)のことを指す言葉として使う事が多いようです。

モミ属の精油にはこういった呼び名の混同がありますが、原料によって芳香成分・香りには差があります。気に入った香りがある場合などは、商品名だけではなく学名を確認するようにすると失敗が少ないでしょう。メジャーなところで言うとバルサムファーは甘みのある爽やか系、シルバーファーは若干バルサム感があり温かい印象、シベリアファーはカンファー感がありスッキリ感の強い香りとされています。

基本データ

通称
バルサムファー(Balsam Fir)
別名
バルサムモミ、カナディアンファー(Canadian balsam)、バルサムカナダ(Balsam Canada)、イースタンファー(eastern fir)、ブラクテッド・バルサムファー(bracted balsam fir)
学名
Abies balsamea
科名/種類
マツ科モミ属/常緑針葉樹
主産地
カナダ(ケベック州、ノバスコシア州)、アメリカ(ニューイングランド)
抽出部位
枝葉
抽出方法
水蒸気蒸留法
ほぼ無色
ノート
ミドルノート
香り度合い
中くらい
代表成分
β-ピネン、α-ピネン、β-フェランドレン、リモネン、カンフェン、δ-3-カレン、リナロール
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ

パインニードルに似た、スッキリと爽やかな森林の香り

こんなお悩みにオススメ

【精神面】

  • ストレス・神経疲労
  • 過緊張・不安・抑鬱
  • 抑圧感・情緒不安定
  • 無気力・無感動
  • リフレッシュしたい
  • 前向きになりたい
  • 集中力を高めたい

【肉体面】

  • 咳・痰・喉の痛み
  • 気管支炎・喘息
  • 風邪・インフルエンザ予防
  • むくみ・泌尿器感染症
  • 筋肉痛・肩こり・腰痛
  • 関節炎・リウマチの緩和
  • 皮膚炎症・外傷の回復促進

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バルサムファーに期待される効果・効能

心への作用

バルサムファーの爽やかな森の香りは高いリラックスやリフレッシュ効果があるとされています。清々しい香りで頭をクリアにすることで集中力向上や気持ちの高揚・前向きさを取り戻すなどの働きも期待できるでしょう。心のざわめきや頭のモヤモヤ感を振り払うのに適した精油と言われています。

成分的に見ても森林浴効果や強壮効果が期待できるα-ピネン、鎮静・リラックス効果があるリモネンなどを含んでいるためストレス軽減やストレス耐性アップなどの働きが期待できるでしょう。心の負担を軽くすることでストレス性の神経疲労や神経過敏、緊張・不安・無気力・気持ちの落ち込みなどの情緒不安定さの改善にも役立つとされています。自分の感情や気持ちを押し殺してしまう方・ストレスを溜め込みやすい方にも適しているでしょう。

体への作用

ピネンなどモノテルペン炭化水素類の働きから抗菌・免疫力向上に優れた効果があるとされています。去痰・鎮咳作用と合わせて咳・痰絡み・のどの痛みの改善、喘息や気管支炎の緩和などに利用されています。またα-ピネンやリモネンには血行促進作用がありますから、体液循環を改善する=巡りを良くする働きも期待できます。免疫力向上や抗菌作用と合わせて風邪やインフルエンザ予防・治癒促進にも役立ってくれるでしょう。

そのほか血液・リンパ液の循環を改善し利尿効果が期待できること、抗菌作用があることから膀胱炎などの泌尿器炎症緩和にも利用されています。巡り改善のほか鎮痛作用もあると考えられるためリウマチ・関節炎・筋肉痛などの痛みの軽減用としても利用できます。

その他作用

肌への働きかけ

抗菌作用や創傷治癒作用があるとされ、火傷や傷跡の手当に役立つとされています。北米のインディオも樹脂(オレオレジン)を外傷の手当に利用していたと伝えられており、痔などの手当にも利用できるそうです。

ただし現在はスキンケア用として利用されることはあまりなく、皮膚に直接触れるような利用法としては風邪予防や血行促進用としてのバスオイル・筋肉痛などの痛み緩和やむくみ対策のマッサージオイルとしての利用が主となっています。刺激があるとする説もありますので、希釈濃度等には注意して利用してください。

バルサムファーの利用について

相性の良い香り

樹木系・樹脂系の精油と相性が良いとされています。柑橘系やハーブ系のさっぱりした香りのものともブレンドしやすいでしょう。

【バルサムファーのブレンド例】

バルサムファー精油の注意点

    基本的な精油の利用法を守っている場合は特に注意や禁忌事項はありません。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。