バルサムコパイバ精油
アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

バルサムコパイバ精油<br />アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

アレルギー対策が期待される、アマゾンの秘宝

バルサムコパイバ(Balsam Copaiba)

バルサムコパイバとは

コパイバはブラジルなど南米、南アフリカなど熱帯地域に自生しているマメ科コパイフェラ属の樹木の総称です。南アメリカで生活していたインディオ達は、古くから貴重な薬用植物として木の中心部にある樹液を利用してきたと伝えられています。16世紀にはヨーロッパへも伝えられ、1625年にイエズス会の修道士によってその薬用効果が記録されています。ヨーロッパでも数百年前から泌尿器系・気管支系の諸症状や下痢の治療などに利用されてきた存在です。コパイバ樹液はその汎用性の高さから「天然の秘薬(万能薬)」や「アマゾンの秘宝」とも呼ばれているそう。

現在でもブラジルやペルーの民間療法ではコパイバの樹脂は喉の痛み・胃炎・排尿トラブル・気管支炎など様々な症状の改善に役立つ存在として内服・外用両方で利用されています。また科学的な分析・研究からもコパイバの樹脂や精油には抗炎症・抗腫瘍・防腐効果などが認められています。1996には胃潰瘍治療の制酸剤としての有効性なども報告されており、現在はガン予防効果などについても研究が行われているようです。毒性が低く安全性の高いことから、アメリカの食品医薬品局(FDA)などはコパイバオイルを食品添加物としても認めています。サプリメントタイプなど経口摂取用のものも販売されていますが、精油の飲用は出来ませんので注意するようにしましょう。

またコパイバには抗菌・抗炎症作用があることやエモリエント特性があることから、石鹸やクリームなどの化粧品に香料を兼ねて配合されることも多いようです。樹脂から採油される精油ではありますが印象としてはハーブ系とウッディー系のブレンドのような感覚で、スパイシーさとナッツのような香ばしさを含んでいます。温かみのある複雑な香りは様々な香りとブレンドしやすく、コパイバ精油自体にも様々な作用が期待できるため、日本ではあまりメジャーではありませんが世界的に見て需要の伸びている精油の一つにも数えられています。

コパイバの種類は十種類以上ありますが、copaifera officinalisの中でも5弁の赤紫の花を付けるマリマリ種(コパイバ・マリマリ)と呼ばれるものが最も上質とされているようです。主に精油原料として利用されるのはcopaifera officinalisですが、ほかCopaifer属の樹脂や樹液も“コパイバ”として精油や化粧品・ワニス原料などに利用されています。

基本データ

通称
バルサムコパイバ(Balsam Copaiba)
別名
コパイババルサムノキ、Copaiba(コパイバ、コパイーバ、カパイバ)
学名
Copaifera spp.
科名/種類
マメ科コパイフェラ属/高木
主産地
ブラジル、ベネズエラ、コロンビア、ペルー
抽出部位
樹脂
抽出方法
水蒸気蒸留法
ほぼ無色~淡黄色もしくは黄緑色
ノート
ベース~ミドルノート
香り度合い
中~やや強い
代表成分
β-カリオフィレン、α-カリオフィレン、他セスキテルペン類など
おすすめ
芳香浴・アロマバス・マッサージ・スキンケア

甘めのウッディーさに、胡椒のようなスパーシーさを含む香り

こんなお悩みにオススメ

【精神面】

  • ストレス・不安・ショック
  • イライラ・ヒステリー
  • 抑鬱・気持ちの落ち込み
  • PMSや更年期の神経症状
  • 神経疲労の緩和に
  • リフレッシュ用として
  • 気持ちを落ち着けたい
  • 集中力を高めたい

【肉体面】

  • 咳・気管支炎・喘息
  • 花粉症・アレルギー性鼻炎
  • 風邪・インフルエンザ予防
  • 筋肉痛・肩こり・腰痛
  • 関節炎・リウマチの緩和
  • むくみ・泌尿器感染症
  • 皮膚炎症・外傷の回復促進
  • 脂性肌・ニキビ予防に
  • 肌のエイジングケアに

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バルサムコパイバに期待される効果・効能

心への作用

コパイバ精油の主成分であるβ-カリオフィレンは不安を和らげる作用(抗不安作用)が高いことが報告されています。アドレナリン分泌を抑制することで神経をリラックスさせる働きも認められており、ストレスの緩和や怒り・不安・ヒステリー・ショック状態など神経の過剰な興奮を和らげる働きが期待されています。

このためコパイバ精油はストレスの軽減に役立つ精油と考えられています。心の負担を緩和することで集中力や創造力向上に効果的である・神経疲労の回復やリフレッシュにも役立つとする説もあります。また近年はβ-カリオフィレンがホルモンバランスに伴う精神面の不調緩和に有効であると考えられていますから、コパイバ精油もPMS(月経前症候群)や更年期障害に伴うイライラ・抑うつ症状など“情緒不安定さ”の緩和に効果が期待されています。

体への作用

古くから呼吸器系不調の改善に利用されてきた通り、コパイバ精油は呼吸器系トラブルに対して高い効果が期待されています。主成分のβ-カリオフィレンは抗炎症作用や免疫賦活作用があるとされていますから、花粉症やアレルギー性鼻炎、喘息・気管支炎などの軽減にも有効とされています。加えて殺菌作用もありますので風邪やインフルエンザ予防としても役立ってくれるでしょう。

またβ-カリオフィレンは痛みの信号を遮断する「CB2」と呼ばれる特殊なたんぱく質を活性化することで鎮痛作用を持つことも認められています。そのほか血管拡張作用によって血行促進効果も期待されていますから、筋肉痛や肩こり・腰痛・関節痛・リウマチ痛などの緩和にも役立つと考えられています。

そのほかコパイバは伝統的に腎臓結石や尿路感染症などの緩和にも利用されてきた存在でもありますし、コパイバ精油も殺菌消毒作用のほか利尿作用があるとする説もありますから、膀胱炎のケアやむくみの改善などにも効果が期待できます。

その他作用

肌への働きかけ

コパイバはスキンケアに高い効果が期待できる精油として注目を集めている精油でもあります。β-カリオフィレンによる抗炎症作用があるため皮膚炎症の改善効果が期待できますし、古くから火傷・切り傷など外傷の手当にも利用されてきました。オーストラリアでのティーツリーが、南米のコパイバと言えるかもしれません。

エモリエント効果(皮膚に潤いと柔軟性を保つ働き)があるため、肌の若々しさを保つエイジングケア用や乾燥肌の保湿ケア用としても利用されています。抗炎症作用に加えて殺菌・消毒作用や収斂作用があることから脂性肌・ニキビ予防などにも効果が期待できます。皮膚刺激がありますので敏感肌の方は注意が必要ですが、年齢肌・脂性肌・乾燥肌と幅広いタイプの肌ケアに役立ってくれるでしょう。

バルサムコパイバの利用について

相性の良い香り

樹木系・柑橘系とブレンドしやすい香りとされていますが、他タイプの精油とでも濃度に注意すれば組み合わせやすいでしょう。香りの持続時間が長いので保留剤としても役立ちます。

【バルサムコパイバのブレンド例】

バルサムコパイバ精油の注意点

  • 妊娠中・授乳中の方は使用を避けましょう。
  • 高濃度もしくは長時間の使用は吐き気・下痢を引き起こす可能性があります。
  • 皮膚刺激があるため肌へ利用する際は注意が必要です。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。