爽やでどこか優しい和の精油
カボス(香母酢)とは
日本人にとっては柚子・酢橘と並んで馴染み深い柑橘類であるカボス。全てミカン属の香酸柑橘類と近縁種で似た形状をしており、特にスダチとカボスは区別が付きにくいという方もいらっしゃるのではないでしょうか? スダチは1個が概ね50g以下と小ぶりなサイズなのに対し、カボスは1個が100~150gとサイズが大きいのが最もわかりやすいポイント。カボスの果皮は緑色のイメージが強いですが、熟すと黄色くなります。未完熟の状態のほうが香りが良いため緑色のうちに収穫・採油が行われています。香りとしてはメーカー等により違いがあるかもしれませんが、スダチがシャープな酸味を持つのに対し、カボスはやや丸みのあるフルーティーな印象と言われています。
ちなみにカボスの主産地は大分県で、江戸時代(1695年)に医師の河野宗弦氏が京都から苗木を持ち帰ったことが栽培の始まりと言われています。ただし大分県臼杵市には樹齢200年程の古木が存在していますが、他の地域には古木がないことから大分県が原産なのではないかとする説もあるようです。“香母酢”という漢字は当て字だそう。
カボスの精油は果皮を圧搾して採油されています。カボスに限らずほとんどの柑橘類に言えることですが芳香成分は果皮の方に豊富に含まれており、食事・飲み物に香味として利用する場合も果皮を下にした形で絞ったほうがしっかりと香りを出すことが出来ますよ。
和精油として製造が行われるようになったのはごく最近。そのためアロマテラピーでの使用実績が少ないためハッキリとしていない点もありますが、含有している芳香成分からリラックスなどに役立つと考えられています。
基本データ
- 通称
- カボス(Kabosu)
- 別名
- 香母酢、臭橙
- 学名
- Citrus sphaerocarpa
- 科名/種類
- ミカン科ミカン属/常緑高木
- 主産地
- 日本
- 抽出部位
- 果皮
- 抽出方法
- 圧搾法(※稀に水蒸気蒸留も有)
- 色
- 黄色~赤茶色
- ノート
- トップノート
- 香り度合い
- 弱~中
- 代表成分
- リモネン、ミルセン、γ-テルピネン、α-ピネン、β-ファルネセン
- おすすめ
- 芳香浴・アロマバス
上品な酸味のある、爽やかで懐かしい香り
こんなお悩みにオススメ
【精神面】
- イライラ・神経過敏
- ストレス・緊張
- 気持ちを落ち着かせたい
- リラックスしたい
- 穏やかなリフレッシュに
【肉体面】
- 血行不良・冷え性
- 風邪予防
- 疲労回復
- 食欲不振・消化不良
- 冷えから起こる便秘
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カボスに期待される効果・効能
心への作用
カボスの香りの主成分はリモネンで、その他にピネン・テルペンなどの精油成分も含んでいます。これらの成分の働きから心を落ち着かせる鎮静・リラックス効果があるとされ、イライラや興奮・神経過敏などの緩和に役立つと考えられています。
神経の興奮を鎮めることでストレスや神経疲労の緩和などに効果が期待できます。すっきりした香りですが神経を冴えさせ過ぎないためシーンを選ばないリフレッシュ用としても利用できますし、おやすみ前の香りとしても活用できます。
体への作用
リモネンやピネンには血行促進作用があることから、カボスの香りは冷え性の緩和に役立つと考えられています。抗菌作用もありますので風邪の予防にも役立ちますし、血流の改善から代謝促進にも繋がるため疲労回復などにも効果が期待されています。
またリモネンは胃腸の蠕動運動を促すことで消化機能をサポートする働きがありますから、消化不良や食欲が無い時などにも役立つと考えられます。血行促進と合わせて便秘の緩和などにも効果が期待できるでしょう。
その他作用
皮膚使用への働きかけ
カボス精油は皮膚刺激が強いため、肌に直接付けるような利用は避けたほうが無難とされています。成分的には抗菌・抗炎症作用や抜け毛予防などに有効と考えられます。
カボスの利用について
相性の良い香り
柑橘系・ハーブ系の香りと相性が良いとされていますが、クセが少ないので比較的どの系統ともブレンドしやすいでしょう。
【カボスのブレンド例】
- 心のバランスを整える⇒ラベンダー、ベルガモット、柚子
- リフレッシュ用として⇒ペパーミント、ローズマリー
- 血行不良・冷え性に⇒ジュニパー、レモン、ジンジャー
- 消化器系の不調に⇒オレンジ、カモミール、プチグレン
カボス精油の注意点
- 妊娠中・授乳中の使用は避けましょう。
- 光毒性があるので皮膚付いた場合は紫外線を避けましょう。
- 香りが変化しやすいので冷暗所で保管してください。
- アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
- 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。