キンモクセイ・アブソリュート
アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

キンモクセイ・アブソリュート<br />アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

食欲抑制効果が報告され話題に

金木犀(キンモクセイ)

キンモクセイ(金木犀)とは

小さなオレンジ色の花が特徴的なキンモクセイ(金木犀)、日本でも庭木や街路樹として見かける植物です。秋の風物詩の一つとも言われる通りキンモクセイの香りがすると秋だなぁと感じたり、子供の頃の思い出が蘇って懐かしい気持ちになる方もいらっしゃるのではないでしょうか。かつてはトイレの芳香剤によく使われていたので年代によってはトイレを連想して苦笑…なんてこともあるかもしれませんが、トイレの芳香剤として知られている香りは合成香料によるもの。本物の花を原料としたキンモクセイ・アブソリュートはもっと深みがあり、フルティーさやスパイシーさを含む奥深い香りです。

日本でもお馴染みのキンモクセイですが原産地は中国南部とされており、日本に伝わったのは江戸時代とさほど古い時代ではありません。日本では専ら観賞用ですが、中国ではお茶に混ぜて桂花茶にする・砂糖漬けにする・蜜煮にして香味料(桂花醤)を作るなど食品方面でも秘匿使われている存在です。また鮮やかなオレンジ色の花から、卵などを金木犀の花に見立てて桂花○○と命名された料理も多いのだそう。中国では単なる鑑賞用としてではなく食用できる庭木・ハーブの一種のような感覚で植えられていたのかもしれません。

一般的にキンモクセイ=桂花(ケイカ)と呼ばれていますが、中国名の桂花と言うのは私達が想像する「キンモクセイ」だけではなくOsmanthus fragransに属する変種・品種の総称として用いられています。日本で一般的に呼ばれる(狭義の)キンモクセイというのはO. f. var. aurantiacusという変種の一つで、厳密にこちらのみを指す場合は“丹桂”の方が正確のようです。

ちなみにキンモクセイがあるのならギンモクセイ(銀木犀)もあるのでは?と思ったことのある方もいらっしゃるかと思いますが、ギンモクセイはO. f. var. fragrans、一般的にモクセイと言われる白い花を付ける種類が該当します。キンモクセイの属名Osmanthusはギリシア語で香り+花、fragransは香りを持つ植物であることを意味していると言われています。変種名として使われているaurantiacusは橙黄色を意味しているのだとか。オレンジ色で匂いがする花と実に分かりやすい命名ですね。

三大香木の一つにも数えられているキンモクセイですが、精油(アブソリュート)はメジャーとは言えない存在。きちんと抽出されたキンモクセイ精油も他アブソリュート同様に高価で流通も少ないですが、無水エタノールにキンモクセイの花を浸して2~3ヶ月密閉しておくことで香料を手作りすることも出来るそう。秋を楽しむルームフレグランスに使う程度であれば時期に花を集めて作ってみても良いかもしれません。

キンモクセイアブソリュートの場合は道ばたで香ってくるものに近い甘い花の香りで、日本人にとってはノスタルジックな印象もあります。独特な香りでもありますので好き嫌いは分かれますが、男女どちらの香水原料にも用いられていますし、芳香剤・化粧品の香料としても使われていますよ。

基本データ

通称
金木犀(キンモクセイAbs.)
別名
Osmanthus(オスマンサス)、丹桂、桂花
学名
Osmanthus fragrans
科名/種類
モクセイ科モクセイ属/常緑小高木樹
主産地
中国
抽出部位
抽出方法
揮発性有機溶剤抽出法(アブソリュート)
琥珀色~濃茶色
ノート
ミドルノート
香り度合い
中〜強
代表成分
リナロール、オイゲノール、ゲラニオール、β-イオノン、リナロールオキシド、パルミチン酸エステル、リノレン酸エチル、サリチル酸エチル
おすすめ
芳香浴

甘いフローラル調の中にスパイシーさを含む、キンモクセイの香り

こんなお悩みにオススメ

【精神面】

  • ストレス・神経疲労
  • 不安・緊張・イライラ
  • 気持ちの落ち込みに
  • リラックスしたい時に
  • 癒やしが欲しい時に
  • 安眠のサポートに

【肉体面】

  • 胃痛・胃炎の緩和
  • 関節炎・リウマチ
  • お腹の調子が悪い
  • 食欲を抑えたい方
  • ダイエット中の方
  • 皮膚炎緩和(※芳香浴)

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キンモクセイに期待される効果・効能

心への作用

フルーティーフローラルの中にスパイスを加えたような濃厚で奥深いキンモクセイの香りには、心を落ち着かせる働きがあると考えられています。ストレスや緊張・不安・イライラなどを軽減して心を癒やし、心地よりリラックスタイムをサポートしてくれると言われています。

成分としてはリナロールやゲラニオールが含まれていますから、鎮静作用のほか抗うつ・抗不安など気分の落ち込みを軽減するような働きも期待できます。特に甘めの香りがお好きな方であればストレス対策や、リラックスタイムの演出に役立ってくれるでしょう。リラックス効果の高さから安眠効果も期待できると言われています。

体への作用

キンモクセイの香りには鎮静・抗炎症作用があるとされ、キンモクセイの香りを嗅ぐ(芳香浴をする)と胃痛や胃炎・関節炎などの緩和に役立つのと考えられています。精神的なリラックス作用も期待できますから、特に神経性の症状軽減に効果が期待できるでしょう。そのほか整腸作用が期待できる・便秘に良いという説もあるようです。

また“キンモクセイの香りは食欲を促す物質(オレキシン)を減少させる”という報告がなされ、マウスに香りを嗅がせる実験では10日ほどで体重減少がみられたことが発表されています。この実験結果から近年キンモクセイの香りは食欲を抑えダイエットサポートにも役立つのではないかと注目されています。

その他作用

肌への働きかけ

キンモクセイは甘い香りや少量でも強い芳香を持つことから、手作りコスメの香料としても使われています。ただしスキンケア効果を期待して塗布利用されることはほとんどありませんし、皮膚に対する抗炎症作用が期待できるというのも芳香浴の場合のことですから過剰に添加しないように注意しましょう。

キンモクセイの利用について

相性の良い香り

柑橘系の香りと相性がよく、フローラル系とも比較的ブレンドしやすい香りです。

【キンモクセイのブレンド例】

キンモクセイ・アブソリュートの注意点

  • 妊娠中や授乳中の方は使用できません。
  • 低血圧の方は使用量(濃度)や使用時間に注意が必要です。
  • 冷所で保存すると固形化する可能性があります。
  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。