アジアンリゾートのような甘く濃密な香り
チャンパカ(金香木)とは
チャンパカはモクレン科の植物で、そのままの状態でもエキゾチックで甘い香りを漂わせており、チュベローズ(月下香)などと同じく夜になると香りが強くなるとも言われています。香りが良いことや見た目の可愛らしさなどから芳香剤兼装飾品としても用いられており、インドネシアやバリに旅行に行ったことのある方だと懐かしい気持ちになることもあるのだとか。和名はキンコウボクと言い、香料原料となる花は黄色~黄褐色色で、近縁種には花が白いギンコウボク(Michelia ×alba/ホワイトチャンパカ)もあります。漢字表記の場合、植物としては“金厚朴”と書く方がポピュラーなようですが、精油ほか香料としては“金香木”の方が好んで使われています。
チャンパカの原産地は東南アジアやインドあたりのエリアと考えられています。インドではヒンドゥー教で富と繁栄を司るとされる女神クシュミーの化身とされており、チャンパカそのものが富のシンボルして珍重されていたと伝えられています。インドのほか東南アジアでも「聖なる木」として大切にしている地域が多く、寺院に植えられていたり、神様への供物として用いられているそうです。またインドや中国では伝統医療においても根・樹皮・花が薬として使われています。
チャンパカの香りはアジアンな印象の甘く濃厚なフローラル調ですが、どことなく深みがあり精油・香水というよりは“お香”のイメージに近いと表現されることもあります。インドではその蠱惑的な香りから天然の媚薬とも言われていたそうですし、かつて“世界一高価な香水”という宣伝文句で売り出されたJean Patouの『Joy』にもジャスミン・ローズ・イランイラン・チュベローズと共に用いられているそう。
そこから香りの良さが注目されるようになり、現在では世界的に香水原料として重宝される存在となっています。アブソリュートでもありますし、価格的にも高価であるためアロマテラピーなどで利用されることはほとんど無く“香りを楽しむ”ために用いるのが主ですが、メンタル面のサポートにも役立つのではないかと考えられています。
基本データ
- 通称
- チャンパカ(Champaka Abs.)
- 別名
- キンコウボク(金香木/金厚朴)、Joy Perfume Tree
- 学名
- Michelia champaca
- 科名/種類
- モクレン科オガタマノキ属/常緑高木
- 主産地
- インド
- 抽出部位
- 花
- 抽出方法
- 溶剤抽出法(アブソリュート)
- 色
- オレンジ~赤褐色
- ノート
- トップ~ミドルノート
- 香り度合い
- 中~強め
- 代表成分
- リナロール、フェネチルアルコール、アンスラニル酸メチル、インドール、酢酸ベンジル、オイゲノール、ネロリドール、安息香酸
- おすすめ
- 芳香浴
(※ごく少量でアロマバス・スキンケア・ヘアケア)
エキゾチックな印象を与える、甘く華やかなフローラル調の香り
こんなお悩みにオススメ
【精神面】
- ストレス・神経疲労
- 不安・緊張・興奮
- 精神的に疲れている時に
- ゆったりしたい時に
- 抑鬱気味の時に
【肉体面】
- 風邪・発熱
- 呼吸器系の不調
- 頭痛・偏頭痛
- 生理不順・無月経
- 更年期障害・PMS
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チャンパカ(金香木)に期待される効果・効能
心への作用
チャンパカのエキゾチックで濃厚な香りは気持ちを落ち着けたり、リラックスさせる働きがあると考えられています。成分的にも鎮静作用や抗不安作用に優れるとされるリナロールの比率が高くなっていますので、ストレス対策や精神的な疲労感軽減に効果が期待できるでしょう。
アジアのリゾートを思わせるような香りは気持ちを開放・高揚させることにも役立つという説もありますから、気分が落ち込んでしまっている時のサポートにも適していると考えられています。かつて催淫作用があるとして媚薬として用いられていたのも、気持ちを整えて開放させる働きがあるためと言われています。
体への作用
チャンパカオイルは去痰・解熱作用などがあると言われています。成分的に見ても抗菌・抗ウイルス作用や免疫調整作用があるとされるリナロールやオイゲノールなどが含まれていますから、風邪・インフルエンザなどの感染症予防や初期症状ケアに役立つのではないかと考えられています。そのほかリナロールは鎮痛作用があるとされており、鎮静作用と合わせてストレス性の頭痛や偏頭痛緩和にも取り入れられています。
また女性ホルモン(エストロゲン)作用を持つネロリドールを含などを含むことから、通経作用など女性ホルモンのバランスを整える働きがあるとする説もあります。リナロールなどによる精神的なサポートと合わせて更年期障害や月経前症候群(PMS)などの精神的不調の軽減にも効果が期待できるでしょう。
その他作用
肌への働きかけ
チャンパカオイルは収斂・エモリエント(皮膚軟化)作用があるとされており、スキンケアや化粧品原料としても取り入れられています。ニキビや皮膚炎証のケアに良い・ターンオーバー促進に役立つという説もありますが、肌への刺激が強くアレルギー反応を起こす原因にもなりかねませんので皮膚利用は避けることをおすすめします。
チャンパカ(金香木)の利用について
相性の良い香り
フローラル系の香りと非常に相性がよく、それ以外でもフローラル感やオリエンタル感のある香りとであれば組み合わせやすいでしょう。しっかりとした香りを持つオイルですから、入れすぎないように注意して下さい。
【チャンパカのブレンド例】
チャンパカ・アブソリュートの注意点
- 妊娠中・授乳中の使用は避けましょう。
- 敏感肌の方は芳香浴であっても刺激となる場合がありますので、濃度に注意して使用して下さい。
- アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
- 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。