水分過剰・水分不足とむくみの関係

水分をとっても控えてもむくむ=水分補給のバランスが悪いかも

水分イメージ

みくみの改善と切っても切れない関係にあるのが「水分」です。むくみは余分な水分が体内に溜まることで起こりますが、むくむからといって水分摂取を控えてもむくみは改善しないどころか悪化してしまう可能性もあります。またむくみ改善にと水を沢山飲んで余計にむくんでしまうこともあります。

摂取した水分は血液やリンパ液などの体液、また体温調節を行うための汗として利用されてます。摂取水分量が体内で処理できる量よりも多ければ当然水分が溜まってしまいますし、水分不足=脱水状態になると体温調節機能維持のため「抗利尿ホルモン」が分泌され尿としての水分排出が抑制されます。むくみ予防には水分補給のバランス・タイミングが必要となります。

水分とむくみの関係

私達が摂取した水分は体内で体液(血液・リンパ液・唾液)などに利用され、余剰分は汗や尿となって排出されます。むくみというと利尿・発汗の方に目が行きがちですが、むくみが起こるメカニズムとして重要なのは血液やリンパ液に利用される水分の方になります。

水分と血液の関係

血液というと鉄分・赤血球が第一に浮かぶ方も多いかもしれませんが、血液中で赤血球が占める割合は約44%程度と言われています。全体の約55%と赤血球よりも多いの淡黄色をした“血漿(けっしょう)”と呼ばれる成分で、90%が水分、そのほかに有機物(脂質・糖質・タンパク質・老廃物など)や塩類を含んでいます。ちなみに白血球と血小板は残りの1%に該当します。
全体の約55%を占める血漿の9割が水分であることから、血液全体量の約50%を水分が占めていると言えます。

血液は心臓の動きによって全身を循環しています。大まかには心臓から押し出された血液は動脈を通って酸素や栄養を細胞に供給し、細胞が排出する二酸化炭素・老廃物を回収した後に静脈を通って心臓へと戻るという流れになります。
細かく見ると、動脈を通る血液はより細かい血管である毛細血管へと流れこみ、血液中の血漿成分(淡黄色の液体成分)が毛細血管から浸出して組織間液となることで細胞への酸素・栄養供給を行っています。二酸化炭素・老廃物を引き取った組織間液(血漿成分)は再び毛細血管へと取り込まれ血液と合流して静脈を流れ心臓に戻ります。

リンパ液とは

毛細血管から体の組織に染み出した血漿成分は、全てが毛細血管に取り込まれるわけではありません。組織間には毛細リンパ管というものがあり、この毛細リンパ管に回収された血漿成分はリンパ液となります。このためリンパ液は血液の一部・血液がろ過されたもの、という表現で表されることもあります。
リンパ液と言うと血液のように目に見えた印象がありませんが、怪我や水ぶくれなどに当てたカーゼに付着する黄色がかった液体がその正体。色からも分かるように赤血球を含んでいないことが血液との明確な差で、成分としては血漿とほぼ同じですが白血球を含んいます。リンパ液は老廃物の運搬の他、外部から侵入した細菌やウィルスから身体を守る免疫機能を司っています。

リンパ液は毛細リンパ管からリンパ節でリンパ管に吸収され、リンパ本管を通り最終的には静脈に合流して血液中に吸収されます。ただし血液を動かす心臓のようなポンプ機能がないため、動脈管の血圧・筋肉収縮・呼吸などの要因でゆっくりと移動します。

血液・リンパ液とむくみの関係

むくみというのは主に細胞間液が血液中にスムーズに戻れずに滞っていることで起こります。特に移動速度が遅く循環が筋肉収縮などに依存するリンパ液の流れは滞りやすく、筋肉量の少ない女性・重力の影響を受けやすい下半身にむくみが生じやすいのは細胞間液→リンパ→静脈の流れが滞りやすいためです。

水分過剰によるむくみ

1日○リットルの水を飲むようという情報がかなり浸透していますが、良かれと思って水を沢山飲むようにしたら余計にむくみが悪化した…という経験のある方もいらっしゃるのではないかと思います。1日2~2.5リットルという数値は健康な人が1日に排出する平均的な水分量とされています。
しかし水分は水以外の食材にも含まれていますし、夏場にクーラーの効いた室内で過ごす事務職と、暑い外を移動する営業職では汗として排出する水分量にも差があります。そのほかにも水分(細胞間液)を血液に押し戻す筋肉量や内臓の働きなどにも個人差があります。

水分補給は必要なことですが、排出量や体内で処理できる以上の水分を摂取する・もしくは短時間で大量に摂取することで水分の吸収・排出処理が追いつかなくなります。過剰な水分は血液から血管外に排出されリンパ液として利用された後、腎臓から尿として排出されますが、リンパの流れが悪い・腎臓の処理速度が追いつかない場合は細胞間に留まり、むくみとして表れるのです。

水分不足によるむくみ

処理(排出)できない量の水分を摂取した場合その水分が溜まることでむくみが起こりますが、水分摂取が少ない場合もむくみが起こります。これは水分不足=脱水症状になることで体温調節が行えなくなることを危惧した、いわば体の生体防御反応によるもの。

水分は血液やリンパ液などの構成に必要なものであるとともに、汗として放出させることで体温調節にも関与しています。体の水分が足りないということは、汗の原料として利用できる水分がない=体温のコントロールが出来ないことで生命維持が困難になる可能性があるということになります。このため体は体温コントロールのために抗利尿ホルモン」と呼ばれるホルモンを出し、尿として排出される予定の水分排出を極力減らして汗に使う水分を確保しようとします。

抗利尿ホルモンが大量分泌されると、水分を補うように喉の渇きを感じます。通常であれば喉が渇いたと水を補給しますが、この時点では抗利尿ホルモンがしっかりと働いているため摂取した水分は尿として処理されず体に溜まる=むくみとなります。
といっても喉の渇きを強く感じるはずですし、水分補給を行わないと本格的な脱水症状を起こす危険性もあります。喉の渇きを感じない(抗利尿ホルモンが出ない)うちに水分補給をするのがベストですが、喉が渇いたと感じる場合でもペットボトル一気飲みなどはせずに、コップ半分~1杯程度の水を数回に分けて補給するようにしましょう。

血行不良やセルライトの原因にも…

水分不足は脱水状態から抗利尿ホルモンが分泌される以外に、血行不良にも繋がります。血液の液体部分は水分が担っていますから、血液中の水分量が減少すると血液の粘性が高まってドロドロ血液と言われるような流れにくい状態になってしまうのです。お風呂に入る前に水分補給をしないと逆効果、と言われるのもこの血液粘性の問題ですね。

血液循環が悪いと体温低下や冷え性の原因となりますし、リンパ液の循環にも影響が出てきます。またリンパ液は血液以上に水分比率が高い体液ですから、水分が不足するとリンパ液自体の補充・循環が悪化する危険性もあると考えられます。リンパは老廃物の排出を担っていますから、この働きが低下することで老廃物蓄積=セルライトや肌荒れなどの悪影響の原因となる可能性もあります。

正しい水分補給方法

水分補給量について

水分過剰の項目で紹介したとおり、1日に必要とされる水分補給量は生活スタイルなどによって差があります。一般的な目安としては体重×0.3~0.4リットルとされており、体重50kgの人であれば1.5~2.0リットルとなります。ただし食品に含まれている水分量が1日あたり1リットル程度になると言われていますから、体重50kgの人であれば“水分”として意識的に摂取する量は1リットル程度が好ましいと言われています。

一回に飲む量は“コップ一杯分”が推奨されています。体重によって1日の水分摂取量は変わってきますし、水分代謝の良し悪しもありますので、毎回コップ一杯ずつ飲むのではなく一回量の上限と考えた方が良いでしょう。体重が少ない方・喉が渇きやすく次の補給までの時間が短い方などは若干少なめにしても問題ありません。

水分補給のタイミング

【就寝・起床時】

水分補給を行うのに欠かせないタイミングとして挙げられるのが起床時。これは寝ている間に汗をかいて水分を失っている分の補給として必要ですので、コップ一杯分の水を飲むようにしましょう。胃腸の活動を促すことで便通の改善や代謝向上にも役立つと言われています。

寝る前に水分を取るとむくみが悪化する・トイレで目が覚めてしまうから飲まないという方も居ますが、同様に寝ている間に水分が出て行く事を考えると就寝前にも水分補給は必要となります。寝る直前ではなく20~30分前に飲むようにすることで、むくみを抑えることが出来ると言われています。

【入浴・運動前後】

運動や入浴など汗をかく行為の前後にも、水分を補給して脱水や水分不足による血液ドロドロ状態になるのを防ぐようにしましょう。汗をかきにくい・ほとんどかかない、水を飲んで運動(入浴)するとむくむという方は一回量を100cc~150ccくらいと少なめにしてみても良いと思います。

【食前】

こちらは必須の水分補給ポイントというわけではありませんが、食事の前に水分を取ることで胃腸の動きが活発化して消化を良くする働きが期待できるほか、満腹感を高めて食べ過ぎ防止にも良いとされています。コップ1杯の補給が目安とされていますが、飲み過ぎると逆に消化吸収を妨げるとの説もありますので体調などを見ながら行うようにしてください。

水分に含まない方が良い物

水分補給は水分であれば何でも良いというわけではなく、避けるべきものがあります。
まず第一にスポーツドリンクやジュースなどの清涼飲料水。これは糖分が含まれているため逆にむくみの原因となります。加えてカフェインを含むコーヒーをはじめ利尿作用の強いお茶も要注意。利尿効果のあるものは飲んでもすぐに水分が体外に排出されてしまい脱水を起こしやすいと言われています。嗜好品として1日1~2杯飲んだり、むくみが気になるときに取り入れるのは良いですが、水分補給用として大量に摂取すると脱水を促して逆効果となってしまう可能性があります。

ミネラルウォーターなどの水であっても、キンキンに冷えた状態で飲むと血行不良を引き起こしむくみの悪化につながるので、なるべく常温~ホットで飲むようにしましょう。冷やす場合でも10℃以上の温度がある状態が良いと言われています。

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