塩分・アルコール過剰でむくむ理由

お酒や味の濃い食事は摂取後のむくみだけなく、むくみやすい体質の原因にも

アルコールとつまみ

むくみの大きな原因の1つとして有名な「塩分」「アルコール」。しょっぱいものを食べ過ぎるとむくむとよく言われますし、飲み会の次の日に顔がパンパンにむくんでしまった経験がある方もいるはず。塩分やアルコールを摂取することで、むくみが起こるメカニズムを簡単にご紹介します。

どちらも過剰に摂取し続けなければ一過性のむくみであり、水分排出を助けるように心がければ良いですが、習慣化している場合は肝機能・腎機能を低下させる危険性があります。内臓の機能が低下すると平常時でも水分調節機能が上手く働かない「むくみやすい体質」になったり、病気の原因にもなるため摂取量には注意が必要です。

塩分の摂り過ぎでむくむ理由

塩分の摂り過ぎは体に良くないと言われますが、塩=ナトリウムは電解質(イオン)の一つとして人の体の維持に必要とされているミネラルの一つです。電解質は体液中に含まれており、ナトリウムは細胞外液に多く存在しています。細胞外液の内側(細胞内液)にはカリウムが多く存在し、ナトリウムとバランスを取り合うような形で細胞内の浸透圧を一定に保っています。

水分摂取量の増加

塩分(=ナトリウム)を摂りすぎることで体内のナトリウム濃度が高くなると、“ナトリウムーカリウムポンプ”と呼ばれるナトリウムを細胞外に排出・カリウムを細胞内へ移動させる調整機能が働きます。この働きで体液バランスを保とうとしますが、カリウムが不足している場合は体液(水分)を取り込むことで塩分濃度を薄めようとします。

塩分濃度を薄めるために必要な水分を保持しておくため、尿や汗などの排出を抑制します。また水分の補給を促すため、脳は血液中の塩分の濃度を感知すると喉の渇きを感じさせます。しょっぱいものを食べるとやけに喉が渇く、というのは塩分濃度を薄めるための水分補充を促す生理現象です。食事後に喉が乾くという方は塩分過多の可能性が高いと言えるでしょう。

補給・保持した水分はナトリウムが多く含まれている血液などの細胞外液を薄めるために利用されます。しかし水分で体液を薄めることで、血液や体液量全体が増加することになります。血液が増加することでその通り道である血管が押し広げられ血管壁のむくみを起こしますし、血管から水分が滲み出し細胞膨張などを引き起こします。この結果がむくみとして現れますし、増加した血液を循環させるため心臓が強く血液の押し出しを行うため血圧も上昇します。

習慣により悪化すると…

たまに塩分の多いものを食べて一時的にむくむ程度ならさほど問題ありませんが、塩分の摂り過ぎは水分をコントロールしている内蔵、特にナトリウムの排泄に関わる腎臓の濾過機能に強い負担となります。結果として腎臓の機能が低下することで水分やナトリウムの排出機能自体が低下し、むくみやすい体質になってしまいます。

腎機能が低下することで「腎性浮腫」と呼ばれるむくみが起こります。これは腎臓が余分な水分やナトリウムの排泄をスムーズに行えなくなり、体内に蓄積されてしまう状態。この状態が悪化していくと腎臓病を発症し、排泄力の低下・水分やナトリウム排泄に関わるホルモンなどの生成も減少してしまいます。慢性腎不全の症状などがこれに当てはまりますね。

アルコールとむくみの関係

水分摂取と排泄のバランス

嗜好品として多くの人に親しまれているお酒ですが、アルコールも私達の体にとっては一種の毒物として認識されます。アルコール血中濃度が高くなると呼吸機能や心拍機能の停止を引き起こすため、私達の体は血中に水分を取り込むことでアルコール濃度を下げようとします。しかしアルコールには排尿を抑えている「抗利尿ホルモン」の働きを抑制する作用があるため、利尿剤のように作用することで体の水分をどんどん排出させてしまいます。

体は利尿作用による脱水症状を防ぐために、水分を補おう・蓄えられるだけ蓄えようとします。お酒をんでいる場合の多くは「水分」としてビールなどアルコール飲料を摂取することになりますから、アルコールの利尿作用と体の水摂取・保持司令が対立する形となります。飲むほどに酔が強まって脳機能が低下してしまうため、水分調節の切り替えが上手く出来なくなり、アルコールの摂取を止めた後も水分を保持せよという指示が出されっぱなしのままという状態になることもあります。

血管透過性の亢進

アルコールを摂取することで血管透過性が高まります。これは血管が膨張することで血管を覆っている血管内皮細胞の隙間が広がるという現象で、開いた隙間から水分が血管外に滲み出しやすくなります。この水分によって皮膚細胞が膨張することで全身がはれぼったくなり、むくみとなるのです。飲んでいる時に手・指先などにむくみを感じるのはこの影響が大きいと考えられます。

またアルコール分解が間に合わずに体に長時間留まってしまった場合、新陳代謝やリンパの流れが滞ることで余分な水分や老廃物がきちんと排泄されない状態を引き起こします。そのまま眠ってしまうとアルコールによって阻害されていた抗利尿ホルモンが睡眠中に正常な作用を取り戻し、水分や老廃物を保持する方向に作用していまいます。
血中アルコール濃度低下や脱水症状予防のための水分摂取・保持、血管透過性上昇、アルコール代謝後の抗利尿ホルモンの働きが相乗した結果、翌朝は顔や足などがパンパンになるくらいの“むくみ”を引き起こしてしまいます。

習慣により悪化すると…

アルコール摂取による直接的なむくみもありますが、アルコールを高頻度で摂取している方の場合は肝臓へ負荷がかかり、肝機能低下からむくみを起こしている可能性もあります。肝臓では血液中に含まれている「アルブミン」というたんぱく質の一種を合成・排出量を調整することで体内の水分バランスを調整しています。

アルブミンは浸透圧を維持する(水分バランスを保つ)ことで血液が正常に循環できる状態を整える働きがあります。アルブミンが減少することで血管内の水分が保持できず、血管外へと流出しやすくなり細胞組織を膨張させることがわかっています。肝臓疾患の代表的な症状に「むくみ」があるのも、アルブミン減少によるものと考えられています。

お酒とおつまみの組み合わせに注意

体の中で分解されたアルコールを排泄するためにはミネラルが必要になります。塩分を取りすぎたときやむくみ解消のために摂取しましょうと言われるカリウムも例外ではありません。簡単に考えるとアルコールを取れば取るほど体のミネラルが失われていくことになります。

またお酒を飲むと味の濃いおつまみが美味しく感じますよね。居酒屋メニューなんかは素面で食べると結構しょっぱい味付けです。これは失われたミネラルの中に亜鉛が含まれており軽い味覚障害を起こす(舌が鈍くなる)こと、アルコールの利尿効果で水分が出ていかないようにナトリウム(塩分)を体が欲するなどと言われています。

アルコールを摂りすぎるとカリウムが失われ、さらに塩分を取りすぎることでどんどんむくむ…という悪循環を引き起こす可能性が高いと言えます。どちらも年に数回、たまたまならば一過性のむくみとして、むくんでしまったものを流せば良いのですが、頻繁にお酒を飲んだり塩分の多いものを食べる場合は体の機能低下に繋がりますので注意が必要です。

Sponsored Link

シェアする

こちらもオススメ