フランキンセンス/乳香精油
アロマ・エッセンシャルオイルと期待される効果効能紹介

心を鎮めたい時に。肌タイプを選ばない化粧品原料としても注目

フランキンセンス(Frankincense)

  1. フランキンセンスとは
    1. 基本データ
    2. こんなお悩みに
  2. フランキンセンスの効果と効能
    1. 心への作用
    2. 体への作用
    3. その他作用
  3. フランキンセンスの利用
    1. 相性の良い香り
    2. 使用上の注意

フランキンセンス(乳香)とは

古代から受け継がれる神秘的な香りとして、最近はエイジングケアに高い効果が期待できるとして話題となったフランキンセンス。精油(エッセンシャルオイル)はパチョリサンダルウッドなどと同様に、時間の経過に伴い香りが良くなっていくという珍しい性質を持った精油としても知られています。
フランキンセンスという呼び名は中世フランス語の“真正なる香”という言葉が由来とされています。日本では「乳香」と呼ばれていますが、これは樹脂として固まる前の樹液が乳白色~橙色であるため“乳白色の香”とする説と、運ばれてくる間に表面が白く粉が吹いたようになっていたとする説があります。そのほか「オリバナム」と言う呼び名も使われていますが、こちらはラテン語の“オレウム・リバヌム(レバノン産の油)”もしくはアラビア語の“乳”を表す言葉が語源とされています。

人がフランキンセンスを使用した歴史も非常に古く、紀元前40世紀のエジプト墳墓からも埋葬品として乳香が発掘されています。古代エジプト、バビロニア、ヘブライなど様々な文明の中で宗教儀式に用いられてきた存在と考えられており、世界で最も歴史ある薫香の一つにも数えられています。古くは黄金と同等の価値があるとされ、現在でも乳香の名産地として知られるオマーンには古代乳香交易路とも言える「フランキンセンスの国土(乳香の道)」という世界遺産も残っています。クレオパトラやシバの女王も乳香を用いていたと言われています。

新約聖書でも今から約2000年前、イエス・キリストが誕生した際に東方の三博士が黄金・没薬(ミルラ)・乳香(フランキンセンス)を捧げた話が知られています。古代ミルラやフランキンセンスは黄金と同等の価値がある存在と考えられていましたし、黄金=偉大な商人・ミルラ=偉大な医者・フランキンセンス=偉大な預言者を象徴するものであったという説もあります。宗教儀礼の薫香として重要な存在だったと推測されていますから、現代風に言えば乳香=スピリチュアルな感性を高めるものとして大切にされていたことがうかがえますね。

フランキンセンス(乳香)の採取源としてはいくるかの種類の樹木がありますが、オマーン、イエメン産のBoswellia sacra (ボスウェリア・サクラ)が最上級品とされています。精油として一般的に販売されているものはBoswellia carteriiを原料としているものが多いですが、産地・樹木の種類によって価格も香りも異なってきますので学名や香りを確かめて購入すると良いでしょう。
現在フランキンセンスの精油は食品や飲料の香料として利用されます。香水業界からの需要も高くシトラス系、オリエンタル系、フローラル系など系統を問わず利用されるほか、溶剤抽出されたフランキンセンス・アブソリュートは香りの保留剤としても重宝されています。また日本でこそあまり馴染みがないものの、西洋・東洋問わずに医療用としての応用等も研究されており、漢方でも乳香を炎症止めなどに取り入れているそうです。

基本データ

通称
フランキンセンス(Frankincense)
別名
オリバナム(olibanum)、乳香
学名
Boswellia carterii
Boswellia sacra
原料植物
乳香
カンラン科ボスウェリア属の樹木から分泌される樹液が空気に触れて固化した乳白色~橙色の塊(樹脂)です。樹木の種類はいくつかありますが、まとめて乳香樹と呼ぶことも。
科名/種類
カンラン科ボスウェリア属/低木
主産地
オマーン、ソマリア、イラン、レバノン
抽出部位
樹脂
抽出方法
水蒸気蒸留法
淡い黄色~黄緑色
粘性
中くらい
ノート
ベースノート
香り度合い
強め
代表成分
α-ピネン、リモネン、β-ミルセン、α-ツジェン、α-フェランドレンなど
おすすめ
芳香浴、入浴、スキンケア、ヘアケア

かすかにレモンの様な爽やかさを含む、澄んだ神秘的な香り

こんなお悩みにオススメ

【精神面】

  • 精神疲労・ストレス
  • イライラ・緊張
  • 過興奮・パニック
  • 憂鬱感・抑うつ
  • 不安・強迫観念
  • 情緒不安定な時に
  • 気持ちをリセットしたい
  • 心を静かに保ちたい
  • 自分と向き合いたい

【肉体面】

  • 咳・気管支炎・喘息
  • 喉や鼻の不調に
  • 風邪予防・初期症状ケア
  • ストレス性の痛み
  • 血行不良の改善
  • リウマチ・神経痛
  • 月経不順・生理痛
  • 子宮の強壮に
  • 肌のアンチエイジング
  • 傷跡・ニキビ跡のケア
  • ニキビ予防・脂性肌に
  • 乾燥肌や肌のハリ低下に

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フランキンセンス(乳香)の主な効果・効能

心への作用

フランキンセンスは古くからスピリチュアルな感性を高める薫香として利用されてきた存在で、現在でも宗教的な儀礼・ヨガや瞑想などにも取り入れられています。精油の働きとしても、鎮静作用によって緊張・不安・イラつきなど心の乱れや感情の波を落ち着かせてくれること、呼吸をゆっくりにすることで心を鎮める働きがあると考えられています。このため心を静かに保ち自分と向いあいたい時にも適していますし、激しい緊張やショックによるパニック状態からの回復などにも有効とされています。

成分的に見ても森林浴効果・強壮作用が期待できるα-ピネン、鎮静・リラックス効果が期待できるリモネンの含有率が高く、情緒不安定さを取り除き自分をしっかりと持つためのサポートをしてくれると考えられます。
気持ちと呼吸を安定させることで集中力を高めたり、心をニュートラルな状態へとリセットし前向きさを取り戻したい時にも役立ってくれるでしょう。過去の嫌な思い出に囚われて立ち直れないときや、不安感・強迫観念に駆られている時、自分の感情や目標をしっかり見つめ直したい時と、様々なシーンで活用できる精油と言われています。

体への作用

フランキンセンスは呼吸器官の粘膜の鎮静作用に優れた精油とされており、鼻炎・喉の痛みなどの緩和に有効とされています。呼吸をゆっくりと穏やかにしてくれる働きもありますので咳・気管支炎・喘息などの軽減にも効果が期待できます。α-ピネンとリモネンは共に抗菌作用・血行促進作用があると考えられていますから、相乗して感染症予防や風邪による鼻・喉の不快感を感じた時にも役立ってくれるでしょう。

精神面へのサポートにも高い効果が期待できますから、血行促進作用と合わせてストレスに起因する胃痛や腹痛などの軽減にも利用されています。また鎮痛作用があるという説もあり、リウマチや神経痛などの軽減にも効果が期待されています。そのほか血中コレステロール値・中性脂肪値降下、免疫力向上、利尿作用などがあることも報告されています。

●冷え・女性の不調にも

血液循環を整える成分の比率が多く、リラックス効果から副交感神経の活発化・自律神経のバランスを整える働きも期待できます。このため血行不良や冷え性の改善、女性の場合は子宮機能を高めることで月経不順や不正出血などの月経トラブルの改善にも役立つと考えられます。子宮強壮作用と鎮痛作用と合わせて子宮の冷えにより悪化している生理痛の緩和も期待できるでしょう。

その他作用

【肌への効果】

アンチエイジングに役立つ「若返りの精油」として報じられたこともあるフランキンセンス。実は古代エジプト時代には既に若返り用のパックやローションなどの化粧品原料として利用されていたとも言われています。

フランキンセンスに期待される働きとしては、収斂作用と皮膚細胞の成長促進作用の二つが大きいでしょう。収斂作用によって肌を引き締めてシワやたるみの改善が期待できますし、細胞生長促進により出来てしまったシワや傷跡などの回復を促す働きも期待できます。エイジングケアとしてだけではなく、ニキビ跡や妊娠線のケアなどにも役立ってくれるでしょう。肌の強壮にも有効とされています。

また収斂作用は皮脂分泌を抑えることにも役立ってくれます。フランキンセンスには抗菌作用がありますし、消炎(炎症抑制)作用も期待されていますからニキビ予防や改善にも役立ってくれるでしょう。肌細胞の整腸や再生を促すことで肌のキメを整える・乾燥から肌を守るなどの働きも期待されていますから、肌タイプを問わす総合的に美肌作りをサポートしてくれる精油と言えそうです。

フランキンセンス(乳香)の利用について

相性の良い香り

スパイス系、オリエンタル系の香りと相性が良いです。粘度が高く香りの持続率も良いので、香りが抜けやすい柑橘系とのブレンドもオススメ。特にネロリとブレンドすると高い相乗効果を持つとも言われています。

【フランキンセンスのブレンド例】

フランキンセンスの注意点

  • 妊娠初期の利用は控えましょう。

  • アロマテラピーは医療ではありません。効果や効能は心身の不調改善を保証するものではありませんのでご了承ください。
  • 当サイトに掲載している情報は各種検定とは一切関わりがありません。

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